頭や手、足、首など。物だけでなく私たちの体の部位にも、それぞれの部位に由来した漢字があります。
この記事では、そうした“体の部位を表す漢字”をクイズ形式でご紹介。
普段当たり前のように目にしたり、触れたりする部位であっても、漢字表記にすると意外と読めないことも……。いくつ読めるか、ぜひチャレンジしてみてください。
1.「項」
「事項(じこう)」や「要項(ようこう)」など、「こう」と読まれることが多い「項」。しかし「項」の読み方は「こう」だけではありません。「項」一文字で、体のとある部位を表すことができるのです。
「首のうしろ」や「えり首」の部分といえば……?
もうお分かりでしょうか。「項」の正しい読み方は……
「うなじ」です。
また、「項」のほかに「脰」と表記される場合もありますよ。
2.「靨」
笑った時にできる、頬の窪みのことを「靨」と言います。「靨」には個人差があり、「靨」ができる人やできない人、または片方の頬にのみできる人もいるそうですよ。
また、「靨」と同じ意味で「笑窪」と表記されることもあります。「笑窪」という漢字から、何となく特定できそうですね。
そんな「靨」の正しい読み方は……
「えくぼ」です。
ちなみに「えくぼ」は「靨」の訓読みで、音読みの場合は「よう」と読みます。たとえば「靨笑(ようしょう/えくぼのある笑顔のこと)」といったように用いられます。
3.「旋毛」
「旋毛」は「毛」という漢字が使われているとおり、毛髪に関する漢字です。具体的には「頭頂にある渦のように巻いた毛」のことを言います。
「旋毛」には右巻きと左巻きがあるほか、多くの場合は一箇所のみですが、中には複数の旋毛がある人や旋毛がない人もいるそうですよ。
そんな「旋毛」の正しい読み方は……
「つむじ」です。
また、「旋毛」とまったく同じ漢字で「渦巻き状に生えている毛」を「せんもう」と言います。「せんもう」という読み方と意味も、併せて覚えておくと良いでしょう。
4.「眦」
「眦」は、漢字のへんが“目へん”であることから、おおよそ「目」に関する部位を表す言葉だと予想した人もいるでしょう。
「眦」とは体の部位において「目の後ろ」を指す漢字です。「目尻」とも言われる部位ですが、「眦」と書く場合は「めじり」とは読みません。「め」ではなく……?
そんな「眦」の正しい読み方は……
「まなじり」です。
「目(ま)の後ろ(しり)」なので「まなじり」。ちなみに「眦」を漢字で書く時にも注意が必要です。「目」に「比」ではありませんよ。
5.「臍」
漢字を見ただけでは、体のどの部位のことなのか予想がつきにくい「臍」。
「臍」とは「臍帯(さいたい)」と呼ばれるひものような器官がとれた跡のことで、お腹の真ん中にある窪みを言います。
同じ漢字、同じ意味で「ほぞ」とも読まれている「臍」。そんな「臍」の正しい読み方は……
「へそ」です。
ちなみに「臍を嚙む(深く後悔すること)」ということわざの場合は「ほぞをかむ」と読むのが正解ですよ。「へそをかむ」と読まないように注意しましょう。
体の部位を表す漢字、あなたはいくつ読めたでしょうか? 読めたものもあれば、読めなかったものもあったかもしれませんね。
身近な部位であっても、漢字表記になると意外と読めないもの。もし読めなかった漢字があれば、次こそは間違えずに読めるよう、正しい読み方を覚えておきましょうね。
合わせて読みたい「間違いやすい漢字」
「続柄」=「ぞくがら」?「熟す」=「じゅくす」?読めそうでも間違いやすい漢字5選
「出納」=「しゅつのう」?「言質」=「げんしつ」?実は読み間違えの多い漢字5選
「吹聴」=「すいちょう」?「論う」=「ろんう」?実はみんなが読み間違えている漢字5選
参考文献/ことばの森編集室〔編〕「読めない漢字が読める本 分野別読み方便利帖」
文/大内千明 画像/Shutterstock(Lovecatcher、WAYHOME studio、Estrada Anton、Mike Laptev、Aaron Amat)