使われている漢字は簡単なのに、読み方が難しい。そんな“変わった読み方をする漢字”って、意外と少なくないものです。
そこで今回は、“読めそうなのに、変わった読み方をする漢字”をピックアップしてご紹介します。あなたはいくつ読めるでしょうか?
1.「丈夫」
つい、そのまま「じょうぶ」と読んでしまいがちな「丈夫」。
もちろん「じょうぶ」も正しい読み方ですが、「強く勇ましい男性」を意味する場合も「丈夫」と書いて別の読み方をします。
また、「丈夫」と同じ読み方で「益荒男」「大夫」と表記される場合もありますよ。そんな「丈夫」の変わった読み方とは……
「ますらお」です。
ちなみに、この「丈夫(ますらお)」の対義語とされているのが「手弱女(たおやめ)」。「手弱女」とは「たおやかな女性」「しとやかな女性」を意味する言葉です。
2.「空者」
「愚か者」や「うっかり者」「ぼんやりしている人」、また「間抜けな人」のことを「空者」と言います。
「くうじゃ」「そらもの」「からもの」などさまざまな読み方ができそうですが、それだけに読み間違いも少なくない漢字です。
ポイントは「空」の読み方。「そら」でも「から」でも「くう」でもありませんよ。「空者」の正しい読み方は……
「うつけもの」です。
元々「うつけ」=「空っぽ」という意味があり、転じて「ぼんやりとした人」「間抜けな人」を指すようになったそうです。
3.「性急」
「性急」といえば、まず「せいきゅう」と読む人がほとんどではないでしょうか。実は「性急」には「せいきゅう」以外にも、変わった読み方があります。
もう一つの読み方の場合も、意味は「せいきゅう」と読む場合と同じく「先を急いで落ち着きがないさま」や「気短な様子」です。
そんな「性急」の変わった読み方とは……
「せっかち」です。
「せっかち」と「せいきゅう」は同じ漢字でなおかつ同じ意味のため、漢字表記の場合にどちらの読み方をするのか迷ってしまうケースが少なくありません。また、どちらの読み方でも意味が通るためOKという場合も少なくないでしょう。
もし読み方に迷った場合は、前後の文脈などから判断してみてくださいね。
4.「奇霊」
「きれい」? それとも「きりょう」?
「奇霊」という漢字を一目見た時に、そうした読み方をする人もいるのではないでしょうか。「奇霊」には「霊妙で不思議なこと」という意味があります。
たとえば「奇霊な神の力」などといったように用いられる漢字ですが、そんな「奇霊」の正しい読み方は……
「くしび」です。
また、「霊」一文字でも「くしび」と読むそうですよ。
変わった読み方をする漢字、いくつ正しく読めたでしょうか? 普段あまり聞き慣れない言葉もあったかもしれませんね。
こうした漢字を迷わずに読むことができれば、知識の幅が広がるだけでなく、周囲から知的な印象を持たれるようにもなるはず。正しい読み方は覚えておいて、損はありませんよ。
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参考文献/ことばの森編集室〔編〕「読めない漢字が読める本 分野別読み方便利帖」
文/大内千明 画像/Shutterstock(Dusan Petkovic、Christopher Willans、Aaron Amat、sutlafk)