「水面」と書いて「すいめん」と「みなも」。また、「最中」と書いて「さいちゅう」と「もなか」。
漢字の中には、こんなふうにまったく同じ漢字なのに二つの読み方をするものが少なくありません。
そこでこの記事では、上記のように“二つの読み方がある漢字”をピックアップして紹介します。あなたはいくつ読めるでしょうか?
1.「宿酔」
お酒を飲みすぎて、翌日まで吐き気や頭痛・めまいといった症状が残ることを「宿酔」と言います。もしかすると、あなた自身にも「宿酔」の経験があるかもしれませんね。
この「宿酔」には二つの読み方があります。まず一つ目は「しゅくすい」。おそらく、一目見て「“しゅくすい”と読むのかな」と想像した人もいることでしょう。
そしてもう一つの読み方。ヒントは「宿酔」という言葉の意味にあります。そんな「宿酔」のもう一つの読み方は……
「ふつかよい」です。一般的には「二日酔い」と表記されることが多いですが、「二日酔い」も「宿酔」も言葉の意味としては同じです。
2.「忠実」
「誠実で、苦労をいとわず行動すること」を意味する「忠実」。「忠実」と書かれていれば、たいていの人は「ちゅうじつ」と読むのではないでしょうか。
確かに「忠実」は「ちゅうじつ」とも読みますが、もう一つ当て字で別の読み方があるのです。
そんな「忠実」のもう一つの読み方は……
「まめ」です。たとえば「忠実に連絡をくれる人」「筆忠実」と表記される場合があります。この時に、つい「ふでちゅうじつ」などと読まないよう気を付けましょう。
3.「溝川」
「溝川」にも二つの読み方がありますが、それぞれの読み方によって意味がまったく変わってきます。
まず素直に「みぞがわ」と読む場合。「みぞがわ」とは「水が流れている溝」のことを言います。「川」という漢字が用いられていますが、「川」に関する言葉ではないのがポイントです。
そしてもう一つの読み方。こちらは「みぞがわ」とは異なり、「川」に関する言葉です。そんな「溝川」のもう一つの読み方は……
「どぶがわ」です。ちなみに「どぶがわ」とは「汚水が流れる、まるでどぶのような川」を意味します。これら二つの読み方と意味、それぞれどちらも覚えておくと良いでしょう。
二つの読み方がある漢字、あなたはいくつ正しく読めたでしょうか? 漢字によっては読み方が異なるだけで意味としては同じであったり、あるいは読み方によって意味自体も変わってくるものもあります。
ぜひ二つの読み方と併せて、言葉の意味までチェックしておくことをオススメします。
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参考文献/日本語倶楽部〔編〕『読めないと恥ずかしい漢字 完全制覇本』河出書房新社
文/大内千明 画像/Shutterstock(ShotPrime Studio、oneinchpunch、Igor Alexsander)