「恋慕(れんぼ)」「愛憎(あいぞう)」「縺れ(もつれ)」などなど……。「恋愛」とテーマを絞っただけでも、数多くの難読漢字が存在します。
この記事では、そんな“恋愛にまつわる漢字”の中でも、読み間違いやすい漢字をまとめてみました。
1.「懇ろ」
意中の相手と「懇ろ」になりたい……。「懇ろ」とは「男女が深い仲になること」を表す言葉です。
「懇親会(こんしんかい)」「懇談(こんだん)」といった言葉の印象から、つい「こんろ」と読んでしまいがちですが、正しくは……
「ねんごろ」と読みます。また、「懇ろ」には上記のほかに「ていねい」「親しい」といった意味もありますよ。
2.「嫂」
「兄の妻」のことを「嫂」と言います。漢字一文字で表せること自体、初めて知ったという方もいるかもしれませんね。
これを初見で読めたらすごいかも!? そんな「嫂」の正しい読み方は……
「あによめ」です。よく用いられている「兄嫁」とは、読み方も意味も同じですよ。
3.「縒り」
本来「ねじって絡ませること」を意味する「縒り」。しかし恋愛においては、たびたび「縒りを戻す」といった言葉で用いられています。「縒りを戻す」とは「別れた男女が再び結ばれること」。
もうお分かりでしょうか? 「縒り」の正しい読み方は……
「より」です。ちなみに「縒り」は同じ読み方・同じ意味で「撚り」とも書くため「撚りを戻す」と表記される場合もあります。
4.「縋る」
追いかければ追いかけるほど、相手の気持ちが離れていく……。そう思っても、なかなか思い留まるのは難しいことですよね。そんなふうに「相手を頼りにすること」や「しがみつくこと」を「縋る」と言います。
「藁をも縋る思い」などといったように用いられる「縋る」。そんな「縋る」の正しい読み方は……
「すがる」です。「縋」という漢字は、しばしば「糸」に「追」だと勘違いされがちですが、実際には「追」ではないので漢字で書く際も注意しましょう。
5.「靡く」
「靡く」とは、たとえば「風に靡く美しい髪の毛」のように「風や水などの勢いに沿って、ゆらめくように動くさま」を意味する言葉です。
一方で、恋愛においては「素敵な異性に靡く」など「魅了されて心を移すこと」という意味で用いられることが多くあります。そんな「靡く」の正しい読み方は……
「なびく」です。恋する女性にとっては、意中の相手が自分に靡いてくれるかどうかは超準用課題。「靡く(なびく)」などのように難しい漢字を迷わず読むことができたら、相手に知的な印象を与えられるかもしれませんね。
恋愛にまつわる漢字、あなたは何問読めましたか?
「この漢字でこう読むなんて」と、少々意外な読み方をする漢字もあったことでしょう。漢字の読み方だけでなく、言葉の意味についてもぜひ併せて覚えていってくださいね。
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参考文献/日本語倶楽部〔編〕『読めないと恥ずかしい漢字完全制覇本』河出書房新社
文/大内千明 画像/Shutterstock(Joshua Resnick、Halfpoint、fizkes、Valery Sidelnykov、eldar nurkovic)