「催す(もよおす)」「慮る(おもんぱかる)」など、漢字一文字の中にさまざまな意味が込められた“一文字漢字”。しかし「一文字だし、何となく読めそう」と思っても、意外と読み方を間違えてしまうことが少なくありません。
そこで今回は、“読めそうで読めない一文字の漢字”をピックアップしてご紹介。ぜひ全問正解を目指してみてくださいね。
1.「袂」
「和服の長く垂れた袖の部分」を「袂」と言い、元々は「手の本(てのもと)」が語源とされています。
普段「袂」を使った言葉でよく聞くのは「袂を分かつ(行動をともにした人との関係を断つ)」でしょうか。そんな「袂」の正しい読み方は……
「たもと」です。ちなみに「袂」の“へん”はカタカナの「ネ」のような「しめすへん」ではなく、「複」「裕」などと同じ「ころもへん」のため、漢字で書く際はご注意を。
2.「緒」
「解決の緒」といったように「手がかり」という意味で用いられる「緒」。
「緒」と書いて「お」や「ちょ」「しょ」などとも読みますが、それ以外にもまた別の読み方があるのです。そんな「緒」の正しい読み方は……
「いとぐち」です。くれぐれも「かいけつのお」と読んでしまわないよう気を付けましょう。
3.「俎」
「俎」と一文字だけ見ても「いったい何の漢字?どう読むのだろう?」と迷う人もいることでしょう。
「俎」とは食材を着る時に使う板のことを言います。この説明で、読み方が何となく分かった人もいるのでは。「俎」の正しい読み方は……
「まないた」です。「俎」一文字で「まないた」と読みますが、「俎板」と書いても「まないた」と読みますよ。
4.「塒」
「時」という漢字が入っていることから、つい「じ」と間違えてしまいがちな「塒」。確かに「塒」の音読みで「じ」や「し」という読み方もしますが、一般的には訓読みで読まれることが多いでしょう。
ちなみに「塒」とは「寝る場所」のことを意味する言葉です。そんな「塒」の正しい読み方は……
「ねぐら」です。漢字の印象からは、なかなか想像がつかない読み方かもしれませんね。
今回ご紹介したように、一見読めそうに思えても、実は意外な読み方をする漢字は数多くあります。
いざと言う時に読み間違えて恥ずかしい思いをしないためにも、この機会に正しい読み方を覚えておくと良いでしょう。
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参考文献/日本語倶楽部〔編〕『読めないと恥ずかしい漢字完全制覇本』河出書房新社
文/大内千明 画像/Shutterstock(graphbottles、Fer Gregory、stockcreations、Elizaveta Galitckaia)
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