これまでに学習したことのある漢字を見かけると、つい習ったままの読み方をしてしまいがちです。しかし中には、普段はめったに読まないような珍しい読み方をする場合もあります。
今回は、そんな“珍しい読み方をする漢字”をピックアップ。いつも見ている漢字の、意外な読み方に驚くかもしれませんよ。
1.「剽軽」
「剽軽」とは「滑稽で軽快なこと」を意味する言葉です。あなたの周囲にも、ユーモアがあり面白いことを言って周りの人を笑顔にしている人はいませんか? そういった人のことを「剽軽な人」などと言うことがあります。
そんな「剽軽」の正しい読み方は……
「ひょうきん」です。「軽」を「きん」と読むのは珍しいケースで、つい「ひょうけい」などと読まれることも。言葉の意味と併せて、正しい読み方を覚えておきましょう。
2.「零落れる」
「ぜろおちれる」?「れいらくれる」?など、一見どう読んだら良いのか分からないと感じる人も多いのでは。
「零落れる」とは「生活状態などが下がってみじめになること」を意味する言葉です。「あの人はすっかり零落れてしまった」などと言ったように用いられる「零落れる」。
意味や例文を見て、ピンときた人もいるのではないでしょうか。そんな「零落れる」の正しい読み方は……
「おちぶれる」です。ちなみに「零落」と書く場合は「れいらく」と読みます。
3.「胡乱」
つい「こらん」などと読み間違えがちな「胡乱」。「胡乱」とは「疑わしいこと」を意味する言葉で、「胡乱な目をする」となどといったように用いられます。
「胡乱」の「乱」をどう読むのかがポイント。「らん」ではなく、正しくは……
「うろん」と読むのが正解です。ちなみに「胡乱」と意味が似ている言葉としては「訝しむ(いぶかしむ)」「不誠実」などが挙げられます。
4.「詰る」
「相手を問い詰めて責めること」を「詰る」と言います。よく「つまる」あるいは「つめる」と間違えられることがありますが、「つまる」は「詰まる」、「つめる」は「詰める」と書くので誤りです。
そんな「詰る」の正しい読み方は……
「なじる」です。「詰問(きつもん/相手を厳しく問い詰めること)」という熟語を思い出せれば、「詰る(なじる)」と正しく読めるかもしれませんね。
珍しい読み方をする漢字、あなたはいくつ読めたでしょうか?
通常、よく用いられる読み方でない漢字は、読める人の方が少ないこともあります。そんな中、迷わずにスラスラと読めたら知的な印象を与えられるはず。覚えておくと、いざと言う時にきっと役に立つことでしょう。
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参考文献/日本語倶楽部〔編〕『読めないと恥ずかしい漢字完全制覇本』河出書房新社
文/大内千明 画像/Shutterstock(Sharomka、Gemenacom、Golubovy、Iakov Filimonov)、PIXTA(ピクスタ)(a.otsuka)