堀田茜さん「『自分のこと正しいと思っていすぎ』と夫に言われました」上手なケンカの仕方って?

「そんなに不満はないんですけど…」と前置きしても、聞いてみると出てくる彼や夫へのモヤモヤ。大好きでも他者、当然のことだとも言えます。彼のことも自分も傷つけずに話し合うための上手で建設的なケンカの仕方を、昨年結婚した茜ちゃんと考えました。

パートナーと話し合うって簡単なようで難しい!
もっと、ちゃんとケンカしよう!

私は“話し合いの鬼”!だからこそちゃんと準備して冷静になって紙に書き出してから伝えています(茜)

清田さん(以下、清田):CLASSY.世代の夫婦やカップルはあまりケンカにならないんですっていう人も多いみたいですが、実は女性側に「こんなことで怒っていいの?」という気持ちが根底にある気がして。
茜ちゃん(以下、茜):「これって私が変なの?怒っていいことだよね…?」って不安になる気持ち、わかります!私のキャパって狭い?いつもプンプンしていたら、相手に逃げられちゃう?でもわかってほしい…、ってひとりで考えすぎちゃってモヤモヤ、眠れなくなったこともあります。
清田:ひとりで抱えちゃって、ケンカはあまりしませんか?
茜:します!(笑)自分が何に怒っているかをいったん冷静になって紙に書き出して、怒りを紐解いて、ちゃんと伝える。私は“話し合いの鬼”なのでちゃんと準備して、納得いくまで夫ととことん話すようにしています。
清田:話し合いの鬼!(笑)その話を聞いて「逃げ恥」のドラマを思い出しました。あれって、本当は他者と他者がうまく生きていくためには会議のように話し合うべきじゃないかを徹底的に描いた作品で、夫婦で“経営会議”をする現代的な家族劇。それを実践されていてすごい!
トイレ、洗面所、キッチン…、家の中をまわりながら「ここを直してほしい!」とダイレクトに伝えるルームツアーをしたことも。でも、「小学生でもできることだよ!」と言ったときはさすがに彼もムッとしてしまって。

社会をバックにドヤってない?と、自分を検証することが必要かも(清田さん)

清田:きれいと汚いだったらきれいが正しいし、雑と丁寧だったら丁寧が正しい。自分の意見に社会規範が味方している時って思わぬパワーを持ってしまって相手を傷つけてしまう。だからこそ、正義を押し付けないよう、社会をバックにドヤっていないかは検証する必要があるかもですね。
茜:汚いよりは清潔が正義!という正論を背負いながら、掃除の仕方も自分の価値観を押し付けて“家庭内のジャンヌダルク”みたいになっていたけど、それはよくないなって反省しました。
清田:家庭内のルールも、それぞれの価値観があるから話し合って尊重するところは尊重して、互いに心地いいところを探りたいですね。素直に反省できるところは、素敵です。

「自分のこと正しいと思っていすぎ」と夫に言われました(茜)

茜:私は夫に出会うまでは基本的に自分の考えが正しいと思って生きてきて。ケンカしたときも、相手の気持ちになって考えられているし、私の思考は間違ってないって(笑)。でも、夫に「自分のことを正しいと思っていすぎ」とはっきり言われて、押し付けすぎない話し合いも少しずつできるようになった気がします。
清田:自分に非があるなってときは素直に謝れますか?
茜:我が家では、話し合いが落ち着く段階で「ごめんは?」と相手に促します(笑)。それって素直になってくださいというパスで、一回素直になる時間。ちゃんと非を認めていたら言えるけど、認められなかったら絶対に言えないから、そのときは腑に落ちてない自分に気づいて話し合いは延長戦に突入することもあります。

思っていないのにとりあえず謝るのは逆効果です(清田さん)

清田:謝罪って、単に「すみません」と言うだけではなく、自分の非を認めたうえで謝ること。関与は認めるけど「自分は間違ったことはしていない」と主張する「正当化」や、責任を他に求めることでやむをえない事情があったと申し開きをする「弁解」は、「ごめん」と口に出してはいても相手に届かないし、根本的な解決には繋がらないんですよね。

そもそも、話し合いができない相手には自分の気持ち、どうやって伝えればいいですか?(茜)

茜:口だけの「ごめんね」はあまり意味がなくて、納得して謝るためにも、自分の責任や関わりをちゃんと考えることが大事だなって思いました。ケンカして話し合って、その結果問題が解決するのがベストだけど、そもそも話し合いができない人も多い気がします。こちらが向き合おうとしても逃げちゃう。そういう場合ってどうしたらいいでしょう?
清田:自分が向き合っているのと同じくらいのコストとエネルギーを相手からも感じられると少なくとも救われますよね。でも、準備をして話し合いの態勢を作っても、男女間で見えている景色があまりに違うというケースも。それは、ジェンダーギャップの話になりますが、まだまだ男の人が有利に生きられる社会ではあって、恋愛中でも結婚していても、子どもがいようがいまいが男女間で同じような問題が繰り広げられているように感じます。
茜:女性はにこにこしていたほうが可愛い、プンプンしていたら嫌がられる…みたいな社会のムードがまだ残っているのかもしれませんね。
清田:具体的にどうケンカしていけばいいか、茜さん以外のCLASSY.世代のお悩みから、考えていきましょう!

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