【海外エスケープ事情】“仕事が第一優先”のアラサー女子が日本を離れてわかったこと

「私ってこのまま働き続けていいの?」がむしゃらに奔走する中、どこか違和感が…思い切って逃げることだって、一つの選択。“仕事が第一優先”のアラサー女子が日本を離れてわかったこととは?旅に出たり、学び直したり、休むことで自分を取り戻す、今しかできない「逃げ方」がある!

仕事への向き合い方に行き詰まり、
ポートランドへ単身2カ月エスケープ

◼︎佐藤かな子さん・41歳

\佐藤かな子さんのキャリア年表/

21歳
大学生の時からライター業を開始
5誌の編集・ライターと2誌の立ち上げを経験

【逃げマネジメントのきっかけ】
消費的なものを作り続けているのではないか?と自分の仕事に疑問を抱き始め、新しい価値観や生き方に触れたいと思う

31歳
休暇も兼ねてアメリカ・ポートランドへ2カ月の旅へ
ポートランドでの生活を通して、自分の衣食住と仕事のつながりを意識するように

現在
仕事は量よりも質を重視。私生活の衣食住の向上を目指し、念願だった鎌倉へも移住

今思えば、20代の私は遊ぶことよりも仕事が第一優先。どんなことにも挑戦したい、自分の力を試したい時期でした。しかし、休みが少なかった上、結婚を考えていた彼まで疎遠になるという精神的ダメージの大きい出来事に見舞われ、不眠症に。求めていた日々なのに、どこか虚しさを感じるようになり、何よりも大事にしていたライター業から一度離れることに。ふと“海外に住んでみたい”と思いついて2カ月の休みを取り、単身ポートランドへ。アパートメントを予約し、ほぼノープランで飛び立ちましたが、毎日気持ちの赴くまま、絶景が待ち構える丘や橋まで自転車を走らせたり、美味しいコーヒーを嗜む日々が本当に幸せでした。当時の私は物質的な豊かさ一辺倒の仕事環境にも疲れていたんだと思います。

帰国後は自分が本当にやりたい仕事に絞り、質重視の働き方にシフト。忙しくても心身共に豊かな状態を安定させるべく、これまで疎かにしていたプライベートも充実させるようになりました。フリーランスの立場で仕事を休むことが怖くなかったと言えば嘘になりますが、それから10年以上が経った今でも楽しく熱意をもってライターとして働けているのは、あの時の決断があったからです。

逃げマネジメント中はこんなことをしてました!

自らアポを取ってライフスタイル誌「KINFOLK」編集部へ。「制作者が衣食住で豊かじゃないと、世にいいものは発信できない」という編集長の言葉は忘れられません。

ずっと憧れていた海外での生活、旅行で訪れた
豪州に魅了され、ワーホリを決断!

◼︎寺田凪紗さん・30歳

\寺田凪紗さんのキャリア年表/

22歳:アパレル業界に就職
学生時代に憧れていた留学が心残りのまま周りと同じく、会社員の道を選択職場にも恵まれ、仕事は順風満帆だったが日本の風土が苦手で海外での生活に憧れを持つ

【逃げマネジメントのきっかけ】
旅行で訪れたオーストラリアに魅了され、ワーホリへ行くことを決断

27歳:コロナ禍での延期もありながら、2年間ワーホリでオーストラリアへ移住
いつかフリーランスになって海外を拠点に仕事をしたいと思うように

現在:フリーで働くための勉強をしながら金融系の会社に勤務

大学生の頃は、就職するのが当たり前だと思っていたので、新卒でアパレル業界に進むことにも迷いはありませんでした。職場の環境には恵まれていましたが、残業が当たり前の空気や仕事中心の考え方に、次第に違和感を覚えるように。そんな時、旅行で訪れたオーストラリアに心を奪われ、ワーホリを決意。一度社会に出たことで、環境的にも経済的にも自立したからこそ踏み切れました。現地では直接自分を売り込んで職を得るスタイル。大好きなアパレルで2年間フルタイム勤務しました。働き方は想像以上にフランクで、残業なし、長期休暇も当たり前。誰もが無理せず働いていて、それまで「ちゃんとしなきゃ」と思い込んでいた肩の力が、ふっと抜けた気がしました。

日本で感じていた「みんなと同じであるべき」という固定観念が、少しずつ払拭されたのも大きな変化。今は旅をしながら働くスタイルを模索中。一生会社員でいる未来よりも、世界を旅しながらいろんな経験をしたいと思うようになりました。いつでも、どこでも働けるスキルを身につけたいと思えるようになったのも、ワーホリ経験があったから。海外の価値観に触れたことで、ライフスタイルやキャリアの選択肢が広がりました。

逃げマネジメント中はこんなことをしてました!

最初の1カ月はホームステイをしましたが、その後は自分で家探し。休日は現地の友達とカフェ巡りを楽しみました。Instagram:@ng0512

撮影/イマイハルカ 取材/小森香沙音、岸本真由子 編集/大島滉平 再構成/Bravoworks,Inc.
※CLASSY.2025年6月号「私たちの逃げマネジメント」より。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。

Magazine

最新号 202601月号

11月28日発売/
表紙モデル:山本 美月