新年から宝塚で愛について考えてきた

明けましておめでとうございます。タイトルから大仰なことを言ってみました、編集の前田です。
小学生の時から宝塚歌劇が大好き、いわゆるヅカファンである私、今年もお正月から早速、観劇してきました。

それがこちら!

花組公演 『雪華抄(せっかしょ

花組公演 『雪華抄(せっかしょう)』『金色(こんじき)の砂漠』です!(どーん)

お正月らしい華やかな和物ショー『雪華抄』と、アラビアを舞台に男女の愛と憎しみを描いたお芝居『金色の砂漠』。

今回、私はこの観劇をそれはもう楽しみにしていました。なぜかというと、お芝居が、宝塚ファンならば注目しない人はいない、上田久美子先生の作品だったから。上田先生は昨年大劇場デビューしたばかりなのですが、若手とは思えない確立された世界観に、すでにコアなファンが多くいらっしゃる方なのです。

そんな期待のお芝居、どうだったかと言うと…

最&高でした。

……で?というツッコミが聞こえそうですが、違うんです。このお話はとにかく、ネタバレせず観てもらいたい作品なんです!

ですが興味深いなーと個人的に思ったことがあったので、今回はそこをご紹介したいと思います。長い前置きですいません。

それはお芝居であった、”愛には二種類あって、『相手を支配する愛』と、『相手に尽くす愛』がある”という旨の台詞。

支配する愛は、自分が精神的優位に立ち、相手を自分の希望通りにさせたい、という、いわば「黙って俺についてこい愛」。一方の尽くす愛は、見返りを求めず、相手の喜びを自分の喜びとするような、「あなたが幸せなら私も幸せ愛」

この台詞を聞いて、私ならどっちだろうなーと思ったんです。

別にどっちでもいいよ、というのが率直な感想と思いますが、でも世の中の人は、果たしてどちらのタイプが多いのだろう?と、ふと疑問を感じました。最近だと「草食男子」とか、「おひとりさま」とか、あまり恋愛に積極的でなさそうな人が増えていますが、その人たちは少なくとも「支配する愛」タイプではなさそう…。

宝塚は、男女の愛を主題にしていることが多いです。今回のお芝居でも、主演の明日海りお(あすみりお)さんが「支配する愛」、二番手男役スターの芹香斗亜(せりかとあ)さんが「尽くす愛」を役割として担っています。この先はあまり言えないのですが、どちらもラストが「そうきたか!」というものでした。特に驚いたのは「尽くす愛」のほう。色々なことを耐え抜いて、行きつく先がそこかあ…ちょっと寂しい…というのが、正直な感想でした。でも、もしかすると多くの夫婦はここに行きつくのかな、とも思ったり。

「同じ舞台はこの世で二度と観られない」を信条としている私、こちらの公演もあと2回はリピートします。そこでまた考えてみようと思います。

普通の生活のなかではなかなか考えにくいテーマを、ドラマチックに切り取ってみせてくれるのが、宝塚の魅力の一つ。最近、なんとなく毎日生きてるな…パートナーとマンネリ化してきたな…という方は、ぜひ一度観ていただきたい作品です。

花組公演 『雪華抄(せっかしょう)』『金色(こんじき)の砂漠』

東京宝塚劇場
2017年1月2日(月)〜2月5日(日)
詳しくは公式サイトをチェック
http://kageki.hankyu.co.jp/

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表紙モデル:山本美月

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