堀田茜が「30代になってなんだか気になる…」と感じるタイムリーな話題を、今会いたい識者に直接聞きに行く連載16回目。この話、ほったらかしにしなくて良かったと思える日が必ず来るはず!
具体的な準備や話し合いよりも心の準備。自分と親が何に幸せを感じるのか知っておくこと!
今月のゲストは…芸人・エッセイスト にしおかすみこさん
【今月の茜のモヤモヤ案件】
親の介護やお別れのときに備えて、親が元気なうちから準備しておけることがあるならやっておきたいと思っています。高齢化社会と言われる今ですが介護のリアルな情報は耳に入って来にくかったり、友達間でも話題にしづらいと感じます。
「最初は喧嘩ばかりだったけど一緒になんでもないことで笑い合えるのがうれしい」(にしおか)
茜:親の好きなことを知っておくといいというのは?
にしおか:私は母がお花が好きなことを知らなかったんですね。私が花瓶にバサッと入れただけのお花を、母は綺麗に生け直すんですよ。部屋の汚さは気にしないのに庭に生えた雑草のことは気になるみたいで「認知症だな」と勝手なフィルターを通してしまってたんですが…。ある日私がお花を買ってきて植えたんです。そうしたら頻繁に庭へ行って「お花がいっぱいなの」とすごくうれしそうに言うんですよ。母がよろこんでいる景色は私も好きだなって。あとは朝食は一緒に食べるようにしてるんですけど、その時間になんでもないことで笑い合える時間があると「実家に戻ってきてよかった」と思える。そうするとまた活力になるから、親が好きなことを知っておくといいというのはそういうことです。
茜:親がよろこんでくれるとホッとしますよね。親の好きなことって知ってるようで知らないかもしれないです。そういう些細なことが大事になってくるんですね。私もフラッと実家に帰ることからはじめなきゃ。
にしおか:介護経験の先輩たちに相談するのもいいですよ。他の人はどうしたのかと話が聞けたり、いざ自分が困ったときに手を差し伸べてくれる人もできると思うから。私は社交的じゃなかったんですけど、今でこそ友達は宝だなと思います。
茜:自分だけがこんな思いしてるんじゃないかって感じないことも大事ですよね。親の介護の話って友達と話題にしにくいと思っていたのですが、私も自分から話してみて、友達を大事にします。貴重なお話をありがとうございました。
\茜の取材ノート/
親の介護の話をするとどうしても知らないが故の怖さが先行してしまいますが、親との向き合い方が次のステージに行ったんだという想いです。死なない親はいないんだから、まずは両親と会う機会を増やして、私生活を充実させて、それを報告することからはじめていきたいと思いました。介護というと自己犠牲が伴うもののイメージもあったんですけど、当事者のにしおかさんからそうじゃなくていいと教えていただけて安心しました。家族のことを大切に思うからこそ、自分を大事にしなきゃ、ですね!
芸人・エッセイスト にしおかすみこさん
1974年生まれ、千葉県出身。2007年、日本テレビのお笑い番組「エンタの神様」で女王様キャラのSMネタでブレイク。現在ではテレビ東京「なないろ日和!」など、リポーターとしても活動。著書に『ポンコツ一家』(講談社)。認知症の母、ダウン症の姉、酔っ払いの父、一発屋の自分と「全員ポンコツ」と語る家族と介護の物語が話題になり、各メディアでたびたび介護について語っている。趣味はフルマラソンで2019年に3時間05分03秒を記録。Instagram@nishioka_sumiko
ボウタイブラウス¥24,500(シーニュ)スカート¥25,300(ソーノ/ミラク)ピアス¥7,700 バングル¥7,569(アビステ)※にしおかすみこさんの衣装は私物です。