【草彅 剛】主演映画『碁盤斬り』のために断っていた大好きなものは?

武士の誇りをかけた復讐を描く、

武士の誇りをかけた復讐を描く、草彅 剛さん主演映画『碁盤斬り』の公開を前にお届けするスペシャルインタビュー。後編では、素顔がとてもチャーミングな草彅さんが実践している〝ウェルビーイングなこと〟について伺いました。

――草彅さんがメンタルな面で意

――草彅さんがメンタルな面で意識している〝ウェルビーイングなこと〟を教えてください。
まさしく僕じゃないですか! 僕のことを言ってるのかなと思いました(笑)。自分を愛して、そのポジティブな雰囲気が周りに伝わって、みんな笑顔になって。ノーストレスで、自分と向き合って自分を「いいこいいこ」してあげて、そうすると余裕ができるからみんなにも優しくできる。自分が辛かったら周りに優しくできないじゃないですか。ある意味〝ウェルビーイング〟って僕のテーマだなと思う。僕は毎日、そんな感じですかね。自分がイライラしたりざわついてると周りにも伝わるので、まずは自分が心も体も元気でいることがみんなを幸せにする秘訣なんじゃないかなと思います。

――『ミッドナイトスワン』公開時にCLASSY.で取材させていただいたときは「仕事での緊張やストレスをいかに乗りこなすかが僕たちの仕事」とおっしゃっていました。仕事などで緊張やストレスを感じることも多いCLASSY.読者に向けて、アドバイスをお願いいたします。
そんな立派なこと言ってました?(笑) 。僕はそういう緊張をする機会が結構ある仕事だったりするので、いつも心がけてることは失敗を恐れないこと。失敗しない人なんていないわけで、あまりにも完璧にやろうとしないことかな。失敗から学ぶことってめちゃめちゃ多くて、成功したときより得ることが全然多いんですよ。上手くできない自分を嘆かずに頑張ってほしい。僕自身もいつもそう思ってるんです。そういうふうにやってるうちに、1つの失敗が2つ、3つの成功を生み出していくような気がして。失敗しなければ成功も為しえないと思ってるし、そんなふうに考えれば気持ちもちょっとラクになる。もちろんその時はベストを尽くして一生懸命にやることが大事なんだけど、失敗だけを恐れない。失敗すると落ち込んだりするけど、それは自分にとって実になること、吸収できることがたくさんあるってことだって、そんなマインドでいてほしいですね。

――健康管理や体力をキープする

――健康管理や体力をキープするために、食生活や運動などフィジカル面で実践している〝ウェルビーイングなこと〟はありますか?
早く寝ることかな。まず睡眠、運動、食事。その3つだけ気をつけてる。凝り性なんで、いろんなことやってました。3日間のファスティングをやったり…1週間やったこともあるし、糖質制限もやったことあるし。役のために痩せなきゃいけないこともあるから、そんなときは好都合なんですけど、僕がいろいろやってみて思うのは普通にしてるのが一番いいのかな(笑)。食べすぎないようにして、睡眠とって運動すれば健康でいられるんだなって気づいた(笑)。無理なダイエットとか極端なことすると絶対にしわ寄せがくる。糖質制限するとなんかカリカリしちゃうし、お米も大好きなんで食べるし、そんなにストイックにはなれない。情報がありすぎるんですよね。流行ってることも好きだから、いいと言われることは全部やった結果、普通が一番になった(笑)。

――睡眠時間はどれくらいですか?
僕は7時間寝ないとダメなほうで頭が回らない。でもそれは人によっても違うじゃないですか。少なくても大丈夫な人もいるしね。自分と向き合って試さないことにはわからないけれど、僕は7時間寝ないと芝居しててセリフが出なかったりしたことも経験してるので、一番の役作りは睡眠ですね。ふだんは22時くらいに寝るので、朝は早起きして運動してる。

――どんな運動をしていますか?
HIIT(ヒット)っていうトレーニングが好きで、もう10年くらい毎日やってます。2分で終わるときもあるし5分、15分のときもあるし、休みの日や時間があるときは1時間やったりする。毎日コツコツやることが人生には大事だね(笑)。急に1時間やるとなると辛くなるけど、「このくらい短時間でもいいんだ」って自分をだましてるんだよね。だから続けられるんだろうね。「こんなに簡単だったら毎日でも余裕じゃん」みたいになって、時間のあるときに1時間トレーニングしても、いつもの2分や5分っていう積み重ねが貯金になっていて疲れない体になってる。

――食べすぎないことのほかに、

――食べすぎないことのほかに、食生活で気をつけていることはありますか?
食事は食べたいものを食べる。だけど、昔は夜飲んだ後にラーメンとか食べてたけど、今はそういうことはしない。今それやると、朝、顔がむくんでるから。夜遅くに塩分をとりすぎると、瞼なんかひどいことになってるから(笑)。深夜に焼肉とかも食べちゃったらダメだよね。若い時はよかったよ、それが楽しみだっただろうし。でも今は健康にもよくないと思う。若いときより消化機能も落ちてるし、睡眠にも影響受けちゃうから、早めに食べて早く寝る。休みの前とか、たまにはいいと思うんだよね。全部なくしちゃうと人生楽しくないから、割り切って友達と夜、食事に行くときもあるよ。でも役によって体を絞らなきゃいけないときは、大好きな焼肉やクアトロフォルマッジのピザは我慢する。僕、はちみつをかけたクアトロフォルマッジのピザが大好きでめっちゃ美味いんだけど、カロリーが高いんだろうね、あれ食べるとお腹出るのよ(笑)。今作では脱がないといけないシーンもあって、格之進は娘と質素な生活をしてるから、そこでぷにょぷにょしてたら説得力がない。だから大好きなクアトロフォルマッジも断ってました。

――忙しい時、疲れを感じた時などにリラックスする方法やリフレッシュのためにやっていることを教えてください。
いっぱいあるね。今日も持ってきてるんだけど、気分転換にギターを触ったり。ギターの音色ってヒーリング効果があるような気がして、G、C、Dの音とかオンコードを弾くと自律神経が整う。あとはお風呂。デトックス効果があるっていうし、忙しい時ほど好きな入浴剤を入れて半身浴してます。香りって、すごくリラックスできるんだよね。バニラ系の甘い匂いが好きで、その日の気分によってもいろいろ入れてる。ロケ先のホテルにも持っていきますね。お湯につかってるときはスマホも見ないし、何もしない。何かやっちゃうと疲れが取れない感じがして。自分の肩に汗をかいてきてるかどうかを見ながら、ボーッとするのが好きなんだよね。血行もよくなってくるのでふわーっとしてきて香りもよくて、なんか幸せな気分に満たされる。何も考えないことって難しいから何かは考えてるんだろうけど、情報は入れない。休むときはそれだけに集中して、〝○○しながら〟みたいなことはしないかな。コーヒーも好き。コーヒー豆って、いろんな銘柄があるじゃないですか。そんなに詳しくないけど豆から自分で選んで、マシンでちゃんと挽いて香りをたてて。休みの日の朝とか、すごくリラックスしますね。そのときの自分の状態によっては、カフェインを入れないときもあって白湯にするときもある。それも安らげるし、幸せを感じられるかな。

草彅 剛
’74年7月9日生まれ 埼玉県出身 血液型A型●‘91年CDデビュー。俳優として映画、ドラマ、舞台に多数出演。’17年「新しい地図」を立ち上げる。最近の主な出演作は、第44回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞に輝いた映画『ミッドナイトスワン』、『サバカンSABAKAN』、主演ドラマ『罠の戦争』、大河ドラマ『青天を衝け』、連続テレビ小説『ブギウギ』、主演舞台『アルトゥロ・ウイの興隆』『シラの恋文』など。

『碁盤斬り』
古典落語の名作を基に映画化。ある冤罪事件によって娘のお絹(清原果耶)と引き裂かれた浪人の柳田格之進(草彅 剛)。武士としての誇りをかけて復讐に向かい、囲碁を武器に鬼気迫る死闘を描く。数々の監督賞を受賞している白石和彌監督が手掛ける初の時代劇。出演/草彅 剛 清原果耶 中川大志 奥野瑛太 音尾琢真 / 市村正親 斎藤工 小泉今日子 / 國村 隼ほか。監督/白石和彌 脚本/加藤正人●5月17日(金)全国ロードショー

<草彅さん着用衣装>ジャケット¥195,800シャツ¥128,700パンツ¥168,300(すべてランバン/コロネット 03-5216-6518)
撮影/平井敬冶 ヘアメーク/荒川英亮 スタイリング/細見佳代(ZEN creative) 取材・文/駿河良美 構成/中畑有理

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表紙モデル:山本美月

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