玉城ティナさん「すべきことに自分が追いついていない」26歳で感じる不安

まずびっくりしたのが、モデルとしての表現力の高さ。〝今回はこんなイメージでお願いします〟と伝えると、イメージ通りの路線でイメージ以上の表現をしてくれました。インタビューでも終始落ち着いて自分の言葉で語る姿に20代とは思えない、内面の成熟度を感じました。

【INDEX】自分も周りも幸せにするウェルビー女子な生き方、教えてもらいました

最初に「ん?」と思ったことは見逃さないようにしています

14歳で上京し、モデルとして活

14歳で上京し、モデルとして活動を開始。当初は「キレイな服を着て、可愛くメークしてもらって楽しいな」くらいの感覚。仕事という意識はそこまで強く持っていませんでした。でも高校卒業のタイミングで、ちゃんと地に足をつけて向き合わないといけない、と感じて。客観的に自分を見つめ直して、俳優という選択肢を選びました。

そこから今まではあっという間で、あまり覚えていないくらい(笑)。ただ、振り返ると昔の方が背伸びしていましたね。今ようやく、等身大の自分になれた気がします。弱みも言えるし、人を頼れるようにもなった。以前は「この人にどうにかしてもらおう」と頼るのは負けだと考えていました。弱みを口にする自分を含めて、いろんなことを許せるようになったのは、いい変化だと思っています。

何かを選択するときに心掛けているのは、最初の違和感を見逃さないこと。「ん?」と引っかかったことが徐々に大きくなり、どうしようもなくなる出来事が以前は多々あって。その経験から不安なことは早い段階で潰していくことが重要だと実感しました。
あとは、人の意見を聞くこと。ひとりで抱え込まない方が物事は早く進む。自分の選択がよりダイレクトに響く仕事でもあるから、周りの声を聞いた上で自分で選ぶことを大事にしています。

人が何を大切に考えるかはその人次第だから

過去には、頑固になってしまったり自分の意見を押し通そうとしてきた場面もありましたが、今はできるだけ人に優しく生きていきたいと思っています。周りも意地悪しようと思って関わってきているわけではないし、自分の選択でその場所にいる人たちなのでお互いの選択を尊重し合えれば、何があっても許せるかな、と。「自分が何かを与えたら、何かを返してくれるはず」と勘違いしていて、人間関係でモヤモヤしたこともありました。
でも相手も自分と同じと思い込んでしまうことが、近くにいられない原因にもなる。何を大切に考えるかはその人次第だし、そもそも人は他人の人生をそこまで気にしていないと思うんです。人に期待しすぎず、一緒だったらラッキーくらいの感じでいられたらいいですよね。

年齢とキャリアを重ね、人からの見られ方を意識する段階を経て、今は割と凪の状態にいます。ただ、どう思われているかは明確に知っていたい。自分に要求されている役割を把握していた方がアプローチしやすくなるから。人から見られる自分と本来の自分とのギャップには悩みませんが、すべきことに対して自分が追いついていないことへの不安はあります。でもその不安が埋まってしまったら、この仕事を続ける意味がないと思うタイプでもあるから、もしかしたら自ら隙間みたいなものを作っているのかもしれない。

今回の『君と世界が終わる日に』で演じた新山明日葉も、今までに経験がない役柄だったので、「できるかな?」という不安がありました。ですが、明日葉の人を信じ続ける強さやどんな人でも救う優しさに共感できたこともあって、役に向き合えた。愛か正義か、いろんなジャッジを迫られる難しい役柄ではありましたが、明日葉としての正義は全うできたと思っています。そんなふうにこれからも、求められることをひとつひとつクリアしていきたいです。

玉城ティナさん
1997年生まれ。沖縄県出身。2012年ViVi最年少専属モデルとしてデビュー。2014年からは女優活動も開始。2019年には、映画『Diner ダイナー』、『惡の華』の演技が評価され、第44回報知映画賞新人賞を受賞。以降も映画やドラマ、アニメ声優と多岐にわたって活躍。2012年にはWOWOWの企画「アクターズ・ショート・フィルム2」で脚本・監督に初挑戦を果たした。近年の出演作は、映画『恋のいばら』、『零落』、『♯ミトヤマネ』、Huluオリジナル「君と世界が終わる日に」S eason4がある。現在、Huluにて独占配信中の「君と世界が終わる日に」Season5では、飯豊まりえさんとW主演を務める。

【衣装】ジャケット¥104,500 シャツドレス¥44,000 パンツ¥28,600(すべてハイク/ボウルズ)

撮影/菊地 史〈impress+〉 ヘアメーク/AIKO OGAWA  スタイリング/松居瑠里 取材/坂本結香 再構成/Bravoworks,Inc.

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10月28日発売/
表紙モデル:山本美月

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