SixTONES・松村北斗さん「好きな人からは好意を向けられれば向けられるほど嬉しいけど。ただ距離をつめないだけで(笑)」!?【特別インタビュー/後編】
10カ月ぶりにお届けする「SixTONESの松村北斗くんが会社の後輩だったら…」シリーズ。突然、金髪になって出社した後輩・松村くんにいったい何が…。インタビューでは2月に公開される主演映画『夜明けのすべて』について、さらに’24年の目標や演技のお仕事に対する思いもお話ししていただきました!
自分のことはさておき、作品がいいと言ってもらえたらすごく嬉しい
―W主演を務めた映画『夜明けのすべて』。完成作を観た率直な感想はいかがでしたか?
「まず、すごく好きな作風というか…自分が出てなかったらもっと好きだったな(苦笑)。自分が出てると、これでよかったのかなって気になっちゃうから。いろんな正解があるなかで、自分のような芝居をする人間がいることを含めて作品になっているというか…。自分のことを聞かれたときは素直に答えつつも、あまりネガティブなことは言いたくないなって思えました。何より作品がいいと言ってもらえたら、すごく嬉しい。あくまで自分は映画の一部分であって作品全体を見てもらいたいし、自分のことはさておき、って思わせてくれる作品でした」
―演じたのは、パニック障害を抱えたことで人生が一変する青年・山添孝俊。共感する部分や似ているところはありましたか?
「人からどう見えるかはさておき、自分なりに必死に自分の人生を生きている。言ってみれば誰にだって生きづらさはあるし、同じように僕も自分なりの生きづらさがあって…。それでもなんとか生きていこうとすると、いわゆる一般的じゃないって思われる部分が生まれてくる。普通で一般的な人間なんてほとんどいないのに。山添くんはそこがねじれてしまって、人に対して誤解を招くんだなって思う。生きづらいこの世界で必死に自分なりに生きようとして変えていったことが、自分の気づかないところで流れを変えてしまうところはすごくわかります。僕自身も『そんなつもりないのにな。そんなことを言いたかったんじゃないのにな』ってことがあるから」
―上白石萌音さんが演じる藤沢さんと山添くんに恋愛要素がないところも新鮮でした。松村くんだったら、女性に対して同志のようなあの関係性はありえますか?
「こっちが恋愛感情はないつもりでも、向こうの〝つもり〟がわかんないからね。そのつもりに便乗されて密かに恋愛感情があったことを後で知ると、気持ち的にはちょっと…。『いい人だな、優しいな、助かるな』と思った、あの言葉や行動はすべて恋愛感情が発動させていたものなんだって思うとね…。それを嬉しいと思うなら、こっちも好きなんだろうし…。昔からそうでしたね。好きな人からは好意を向けられれば向けられるほど嬉しいし、好きになられるのは全然嫌じゃないから、最初からそういう感じだったら嫌な気持ちはしないけど。ただ距離をつめないだけで(笑)。だからあの関係性もありだとは思うけど、お互いに恋愛感情が100%なしじゃないと俺は無理かも」
―藤沢さんが山添くんの髪を切るシーンは一つの見どころです。
「楽しかったですね。実際に伸ばしていた髪を切りたいってことで、一発勝負になりました。やっぱり楽しいですね、ああいうことやると(笑)。興奮しちゃいましたね」
―公開前からすでに大好評の作品です。
「ありがたいことに、なかなかないくらいのいい評判をいただいてるのが嬉しいですね。取材日に、あんなに感想を言われることってなかなかないなって。多くの人が感想に加えて『大変好きな作品でした』って言ってくれたし、示し合わせたかのように『’24年の好きな映画1位が決まりました』と何人もの人に言ってもらえました。皆さん、『ちょっとこぢんまりした映画館で観たいですね』って。俺もほどほどのサイズの地下の映画館で観たいかな。観終わったら、地下から明るい地上にあがっていきたいなって思いました」
Hokuto Matsumura
’95年6月18日生まれ 静岡県出身 血液型 B型⃝SixTONESとして’20年『Imitation Rain』でCDデビュー。俳優としても活躍し、主な出演作はNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』、ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』『ノッキンオン・ロックドドア』、映画『ホリック xxxHOLiC』『すずめの戸締まり』(声の出演)『キリエのうた』など。SixTONESとしては4thアルバム『THE VIBES』が1月10日にリリース、2月17日より初の4大ドームツアー『VVS(バイブス)』(4都市10公演)を開催。
映画『夜明けのすべて』
瀬尾まいこの原作小説を『ケイコ 目を澄ませて』が国内外で絶賛された三宅唱監督が映画化。松村北斗と上白石萌音がW主演を務める。月に一度、PMSでイライラが抑えられなくなる藤沢さん(上白石)はある日、同僚の山添くん(松村)の小さな行動がきっかけで怒りを爆発させてしまうが…。他の出演/渋川清彦 りょう 光石 研ほか。監督/三宅 唱 原作/瀬尾まいこ『夜明けのすべて』(水鈴社/文春文庫刊)⃝2月9日(金)全国公開。
取材・文/駿河良美 再構成/Bravoworks.Inc