【Amazon Prime Video無料作品】正月休みが暇すぎる人へ…「一気に見られる!150分超えの映画」おすすめ3選
正月休み、お出かけの予定がなくて暇を持て余している方はいませんか?今回は「年末年始の休みぐらい時間がないとなかなか見られない、150分超えの長編映画」を紹介します。Amazon Prime Video無料対象作品で、どれもこの時期に、ぴったりなのでお出かけに困ったら、ぜひこの映画で素敵な時間を過ごしてください。
1. 『レジェンド・アンド・バタフライ』
東映70周年記念作品として、総製作費20億円を投じて製作された圧巻の歴史エンターテイメント映画、上映時間は168分です。タイトルの「レジェンド」は織田信長のことであり、「バタフライ」は「帰蝶」という呼び名があったと言われる信長の正室・濃姫のこと。主演は、木村拓哉さんと綾瀬はるかさん。綾瀬はるかさんは本年度の報知映画賞を受賞しました。和装の佇まいと、あの時代に自分らしく生きようとした眼差しの強さも、一つ一つ所作も素晴らしく、見ているだけでこちらも背筋が伸びるほどの美しさ!戦国時代ファンの方はもちろんですが、織田信長と濃姫という歴史的にも重要な人物たちを夫婦物語に落とし込めているのが興味深く、一旦信長の話ということを忘れていいくらい、前半はラブコメ的な要素も!最初は強がって素直になれない男女共にツンデレ男女が時間を重ねて、絆を結んでいく愛のドラマとしてグッとくる作品になっていて、後半の切なさは深い余韻を残します。キレッキレのアクションも見どころですが、そんなこんなで歴史や合戦には興味があまりない人にもおすすめです。
普段はロケできない国宝や重要文化財を多く含む全国30カ所以上において撮影が行われ、世界遺産・仁和寺、国宝・彦根城、通常は非公開の霊鑑寺など、スペシャルな場所が撮影で使用されています。洗練された映像体験することができる、壮大な気分転換ができるので、年末年始に戦国時代へタイムスリップしてみてください。見たことがないはずの戦国時代の日本が目の前に広がる光景もなにかと現実逃避したくなるこの時期に最適です。
2.『TAR/ター』
ドイツの著名なオーケストラで、初の女性首席指揮者に任命された圧倒的なキャリアを持つ女性が主人公。重圧や陰謀、そして自身の行いからキャリアを見失い始め、墜ちていく姿を転落を描きます。セクハラ、モラハラ、昨今のキャンセルカルチャーまで描かれた骨太な傑作です。「ちょっとターさん、大丈夫かよ…!」と何かと気になって仕方がない言動を取るターさんから、一瞬たりとも目が離せず、自分以外の人生に157分完全集中することで自分自身の俗世での悩みも一時的に忘れられるはず。
このターというキャラクターはとにかく孤高の存在で、誰よりもストイック。傲慢でいて繊細であり、カリスマなのか?エゴイストなのか?が見る人によって、委ねられていくからこそ奥深いです。俳優としても活躍するトッド・フィールド監督がケイト・ブランシェットを主演に想定して脚本を書きました。国際的にも評価され続けるブランシェットはドイツ語とアメリカ英語をマスターし、ピアノと指揮を本格的に学んですべての演奏シーンを自身で演じているそうです。ブランシェットはこの映画で、ゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞しています。劇中、何度も本物の指揮者なのか?と思わされ、スクリーンを凝視してしまうほど。痺れた!ブランシェットのあまりのリアルな芝居から「実話なのでは?」と本作のリディア・ターは、架空の指揮者であるにも関わらず、モデルとなった人物について探す記事がネット上には多くみられ、演技とは微塵も思わせない圧倒的な存在感でした。喜怒哀楽の枠にはおさまりきらない心の波に触れられる、しっかりと「人間」が描かれた映画です。時間に追われすぎない年末年始に、余韻に浸りたい作品をお探しの方はぜひ。
3.『ジョー・ブラックをよろしく』
若き日のブラッド・ピットは、もぎたての果実のようなみずみずしい美しさ。顔を眺めているだけで。女性ホルモンが増えそうな名作です。期限付きで人間界に降り立ち、人間の女性との恋に落ちる死神に扮したロマンティックな3時間越えのファンタジー映画にです。映画を鑑賞した後にはこのタイトルの意味が、腑に落ちるはず。一見恋愛映画と思われがちですが、命あることの大切さを思い起こさせてくれる『生きること』をテーマにした作品で「生」とは何なのかという大テーマを問われながらも、ラストには心が軽やかになる作品で、映画ライターとしてもいままで最も感動した映画のなかの1本です。
死神に間もなくの死を伝えられた大富豪を初老の男性を演じるのは、『羊たちの沈黙』でハンニバル・レクター博士役を演じアカデミー主演男優賞を受賞したアンソニー・ホプキンス。この味わい深い配役がGOOD!そして、劇中のブラッド・ピットはイケメンなだけじゃあありません。彼の演じる死神はCGや特殊メイクを使わずに衣装での変化なども使わずに、表情と目つきだけで死神を表現!死神のときと青年のとき、この一人二役は同じ風貌をしているにもかかわらずちゃんと別の人物に見える、素晴らしいお芝居です。また、アカデミー撮影賞に脅威7年連続でノミネート、史上初となる3年連続受賞の快挙を達成したメキシコの名カメラマンであるエマニュエル・ルベツキが撮影を担当。そして、音楽は『ショーシャンクの空に』、『アメリカン・ビューティー』、『グリーンマイル』トーマス・ニューマンが提供しました。
ロマンチックな映像とメロディアスな音楽は「今いる場所ではないどこか」に自分を連れ出してくれる旅のようです。惹かれる要素しかないですよね?ゆったり時間が取れる今こそ観てほしいです。
いかがでしたか?「年末年始ぐらい時間がある時じゃないと一気にみられない、150分越え作品たち」を映画ソムリエ・東紗友美がお届けしました。
映画との出会いは一期一会。タイミングを意識した映画選びを。素敵な年末を過ごせますように。
今回の記事「大人女子のための映画塾」を執筆したのは…
東 紗友美(ひがし さゆみ)
’86年、東京都生まれ。映画ソムリエ。元広告代理店勤務。日経新聞電子版他連載多数。映画コラムの執筆他、テレビやラジオに出演。また不定期でTSUTAYAのコーナー展開。映画関連イベントにゲスト登壇するなど多岐に活躍。
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Instagram:@higashisayumi