【奥平大兼さん】ディズニープラス独占配信の話題作『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』で主演!【スペシャルインタビュー】
ディズニープラス「スター」で12月20日から独占配信がスタートする『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』。実写パート・アニメパートの両方で主人公・タイム役を演じたのはドラマ、映画で大活躍中の奥平大兼さん。実写、アニメ、壮大なCGを取り入れた希少なファンタジーアドベンチャー作品である今作についてお話をお伺いしました。
――奥平さんは「現実世界」の実写パートと「異世界」であるアニメの声、両方でタイムを演じていますが、実写とアニメで一つの役を同時に演じたのはいかがでしたか? 意識したところ、難しかったところがあれば教えてください。
意識したことは実は正直ないんです。アニメパートは実写パートの後にアフレコさせていただいたのですが、アニメパートの絵を作るにあたって、実写のタイムにできるだけ寄せた作り方をしてくださったんです。アニメパートを先に撮っていたら、アニメに繋がるように役作りをしていたと思いますが、実写の撮影が先だったのでそこはあまり意識しませんでした。声だけのお芝居はもちろん実写の演技とは違うので、そこの部分で大変だと思うことはありました。
――実写パートのタイムを自分の中で作り込むことで、自然にアニメパートのタイムの声の演技でも気持ちを入れ込むことができたのでしょうか?
そうですね。約4カ月、自分が実写パートのタイムとして生きていた時間が確実にあったので、自分なりにタイムを演じてきて理解はできていたのかなと思います。
――今回の作品はファンタジーアドベンチャーというジャンルになりますが、日本ではあまりないジャンルだと思います。演じるにあたって、すぐにこういったジャンルの演技に対してイメージは湧きましたか?
いえ、そこは難しかったですね。元々ファンタジー作品がものすごく身近だったかと聞かれると、そこまでではなくて。子供の頃にディズニー作品は親しんでいましたが、それぐらいだったので。最初にこの作品のタイム役としてお話をいただいた時に、ウーパナンタ語(作中に出てくるオリジナル言語)に関しての資料をたくさんいただいたんですけど、もう何一つわからなかったんです(笑)。でも、 男心をすごくくすぐられるような内容がたくさん書いてあって、興味を惹かれました。今までそういう作品に出させていただいたこともなかったですし、面白そうだなと。その後に監督と演者の皆さんと顔合わせをさせていただいた時に、こういう難しい世界観をプロの大人たちが本気で実写に落とし込もうとしているという熱量に感化されて、「こんな素晴らしい人たちとこういう面白い作品を作り上げられるのはすごく楽しいだろうな」と思ったので、この役をやり遂げようという気持ちが高まった感じでしたね。
――今回のような難しい役を演じるにあたり、役作りは自分で作り上げたんでしょうか?
自分一人ではもう何もできなかったと思いますね。タイムはウーパナンタ(「異世界」の舞台)で15年間ずっと過ごしてきて、人生的にはほとんどウーパナンタで過ごしている。そっちの世界の常識とか文化とか、そういうものがすごく大事なのかなと思ったので、そのことについて監督にたくさん質問しました。できるだけ感覚をウーパナンタの人間に近づけさせたり、ウーパナンタの言語を作ってくれた先生と自然に話せるように定期的に練習したりしました。一人で役作りをしたという感覚がなくて、本当にいろいろな方々の力を借りてできたと思います。
――タイムという人物は奥平さんからみてどんなキャラクターだと思いましたか?
そうですね、良くも悪くも無邪気で素直というか。本当に人をフラットに見ている子で、人のことをすごく信じているんです。それが時には仇となる時もあるんですけど、人を救う瞬間もあるんですよね。ウーパナンタのドラゴン乗りは相手の思っている心の声が聞こえる特殊な能力を持っているんですけど、タイムはそれがないんです。だからこそ、真っ直ぐ言われたことを受け止めて嘘がないのかなと。僕の勝手な想像ですけど本当に純粋な子というか、本当に裏がない印象で、現実世界ではいないんじゃないかというくらい特殊な魅力を持った子だと思います。演じながら、「あ、こういう瞬間に人を救うんだ。人を信じると、こういう瞬間に信じられた相手はこういうふうに救われるんだ」と思うことがありましたね。ネタバレになるのですべては言えないのですが、タイムも地球に来てから地球の文化にどんどん触れていくことになり、地球人の中にはやっぱり裏がある人もいるんです。そういう人間を相手にした時にタイムがどうなるのか、素直さや人を信じる気持ちを持っている人間がそこに触れるとどうなるかというのが、この物語の面白いところでもあります。前半と後半だとタイムの印象がだいぶ変わっていきますが、そうやって素直に何かを信じられたり、人を分け隔てなく見ることができることは本当に素敵だなと、改めて思いましたね。
――現実世界の実写パートのほうでは、中島セナさんやエマニエル由人さんなど同年代の方たちのほかに新田真剣佑さんや森田 剛さんといった個性の強い先輩たちとも共演されています。撮影で印象的だったこと、心に残っていることがあれば教えてください。
そうですね。全部すごく楽しかったっていうのに尽きますね(笑)。真剣佑さんとは一緒にアクションをやっている時の思い出がありますし、中島セナさんに関しては一緒に冒険する仲間なので、いろんな場所に撮影に行ってお芝居の中でいろいろな体験をしました。普段の撮影では見られないようなことも見ましたし。森田さんとはアクションシーンもですけど、物語のすごく大事なところで共演させていただいたり、たくさんの思い出がありますね。4カ月間の撮影だったんですけど、撮影が始まったのが8月で終わったのが12月だったので季節を3つまたいでるんですよ。クランクインの時はすごく暑かったのに、クランクアップの時はすごく寒くなっていて。夏は撮影場所が40℃くらいある時にすごく分厚い衣装を着て、タイムが現実世界に現れてパッと本棚から飛び出てくるシーンを撮っていたのですが本当に暑くて。その時のことを「あの時は暑かったね」って話しながらクランクアップが間近になったら、同じ場所なのに全然体感温度が違っていて、「すごく長い間撮影をやってたんだね」という話をしたのが印象に残っています。
――実際に仕上がった作品をご覧になって、どんな印象でしたか?
撮影現場だとCGの相手はいないですし、声の収録の時も映像が完成してないので、どんな作品になるのか撮影中は想像がついていなかったんです。そこが全部仕上がったものを見た時は、こんなにもリアルなんだと圧倒されました。CGやアニメが加わることによって、ファンタジー感が増えたというか。日常生活もあるけど、でも日常生活のどこかにもファンタジーがあるようなテイストになっていて、こんなテイストを出せる作品は今、日本にどれぐらいあるのかなって思うと、貴重な作品に出させていただいたんだなとすごく思いました。
――今回の現場はでは共演者の皆さんやスタッフの方々とすぐ馴染めましたか?
スタッフさんは結構若い方が多くて、徐々に仲良くなっていきました。ほぼ毎日撮影をやっていたので、本当に友達みたいな感覚で話せるようになったので、だんだんリラックスして、良くも悪くもゆっくりしちゃった瞬間もありましたね(笑)。
――そういった環境は演じるうえで大切だと思いますか?
大事でしたね。スタッフさんのやりたいことが伝わってくるというか、わかるというか。スタッフさんが僕にラフに話しかけてくれたのが僕的にはすごく嬉しくて、お互い言いたいことが言えると作品のクオリティが上がっていくきっかけになると思うので、すごくよかったです。
――これから作品をご覧になる方に向けて、主役のタイムを演じた奥平さんが感じている今作の魅力、見どころをお願いいたします。
本当にたくさんあるんですけども、僕はこの作品が日本にはあまりないタイプの作品だと思っていて。ディズニープラスさんが作ってくださって、こういう作品を世の中に出せるのがすごく貴重なことだと思うので、 まずは本当にシンプルにこの作品の映像であったりアクションであったり、作品全体を楽しんでほしいと思います。考えさせられるとこもあると思うんですけど、この作品を見るだけで楽しくなるような、そういう魅力がある作品だと思っているので。日本のファンタジー、しかも日本のアニメも入っているっていう、なかなか他の国でもできないようなことをやっているので、そんな作品を純粋に楽しんでほしいなって思います。
奥平大兼
‘03年9月20日生まれ 東京都出身●’20 年、映画『MOTHERマザー』でスクリーンデビュー。’23年は映画『あつい胸さわぎ』『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』『ヴィレッジ』に出演。『君は放課後インソムニア』で映画初主演を務め『第15回TAMA映画賞 最優秀新進男優賞』受賞。ドラマ『最高の教師 1 年後、私は生徒に■された』での演技も話題に。‘24年春3月8日に主演映画『PLAY!-勝つとか負けるとかはどーでもよくて-』が公開。
『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』
現実世界で同級生たちに馴染めず生きづらさを抱えていた女子高生のナギ(中島セナ)と、ウーパナンタという異世界に過ごすドラゴン乗りのタイム(奥平大兼)の2人。実写で描く<私たちが住む現実世界>と、アニメで描く<ドラゴンが棲む異世界>の2つの世界が交差するファンタジーアドベンチャー。ディズニープラス「スター」にて12月20日(水)より独占配信スタート。全8話【キャスト】中島セナ 奥平大兼 エマニエル由人 SUMIRE 津田健次郎 田中麗奈 三浦誠己 成海璃子/新田真剣佑(友情出演) 森田剛ほか © 2023 Disney
撮影/平井敬冶 ヘアメーク/速水昭仁(CHUUNi Inc.) スタイリング/伊藤省吾(sitor) 取材/門脇才知有 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)