旅好き女子に聞いた「今泊まりたいアートなホテル」4選|群馬、三重、石川、広島

サステナブルが謳われる今、ファッションだけでなく宿泊施設にもこの考え方が浸透。旅という目的のその先に、新たな価値観が見えてきました。

旅の目的に据えたい洗練空間“アートなホテル”

佐藤:2014年に1カ月ほどアメリカのポートランドに滞在していたんだけど、滞在先のエースホテルは業界に新たな価値観を生んだ気がする。もちろんデザイン的にも斬新だったと思うけど、地元に根差して地域から愛される価値観を大切にした先駆け的ホテルで地元のカルチャー発信地になってた。
棚田:ここ最近は価値観が大きく変わって、単に「いいホテルに泊まった」だけでは終わらせない、コミュニティや持続可能性を追求する、未来に向けてパワーを持つホテルが日本でも増えていて。きらびやかな空間ももちろん魅力的だけど、今気になるのは「その土地に建っている意味」があるホテル。建築や空間を通して、その土地とのつながりや地域への還元が上手なホテルだよね。
広田:私は旅行は大体国内なのですが、高級外資ホテルのような華やかさより、まさに今回のテーマのようなホテルに惹かれていることに気が付きました。
佐藤:つい先日、群馬の白井屋ホテル(❶)に泊まったの。アート浴をするのが目的だったんだけど、訪れてみると単にアートを楽しむだけではなくて前橋の歴史と今を知る体験ができた!泊まったお部屋が白井屋ホテル再生プロジェクトの核となった建築家の藤本壮介さんが手がけたお部屋だったから、プロジェクトについて調べるうちに、派生的に前橋の産業や文化を知るようになって。館内の無料アートツアーに参加して、クリエイターたちのアート作品を深く知れたのもよかった。施設内の地産地消のレストランやベーカリーは地元の人たちで賑っていました。
棚田:地元の人に愛されるのが持続可能な宿泊施設の条件のひとつかもね。それでいうと、三重のVISON(❷)もそうだよね。ホテルだけではなく、産直市場や農園、レストランなどで構成された複合商業施設になっていて、各所に地元とのつながりがあって。長く愛され続ける「ロングライフデザイン」を提唱するナガオカケンメイさんが手掛けるD&DEPARTMENTのコンセプトルームもあって、気になっています。
佐藤:ザ シェアホテルズが手掛ける、広島のKIRO(❸)も泊まってみたい。同系列のKAIKAとLYUROを利用したことがあって、そのエリアの魅力発信地的役割を担うコンセプトに惹かれました。洗練シンプルな内装とお値段も魅力的。
棚田:金沢にも同系列のKUMU(❹)があるよね。せっかく旅行するなら、ビジネスホテルでは味気ない。ステイ中も金沢の伝統的文化や魅力に浸れるホテルを選びたいよね。

\チームCLASSY.のアンテナ高いライター3名が集結!/

【ライター 棚田トモコさん】
歴史を感じる重厚感漂う建築が好みでも「真面目なミーハー」ゆえ、デザインホテルもチェック。韓国カルチャーに夢中だった10年ほど前からブームを観察。
【ライター 佐藤かな子さん】
旅では「城・歴史・アート」三拍子揃った行き先を選択。訪れた土地の成り立ちやローカルとホテルのつながりにも注目。気に入った旅先はふるさと納税で還元
【ライター 広田香奈さん】
完全インドア派の旅行弱者(本人談)ながら心落ち着くちょっと贅沢な宿を目当てに、休みを作って出かけるように。「旅行には刺激ではなく癒しを求めます」

取材/岩本亜有美 再構成/Bravoworks.Inc

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