映画『春に散る』でプロボクサーを演じた横浜流星さん。今作のためにボクシングのプロテストに挑み合格したことも話題ですが、役作りへのストイックな姿勢や作品に対する熱さには定評が。クールな美しさと内面の熱さのギャップも魅力の横浜さんに作品への思いや26歳の今、考えていることを語っていただきました。
真摯な姿勢も魅力的な横浜さんに“5つ”の質問
Q.横浜さんにはストイックなイメージがありますが、自分でもストイックだと思いますか?
思わないです(笑)。自分ができることを本気で取り組んでいるだけだと思っています。ストイックと言われると、少し違和感があります。不器用だからこそ準備をしっかり行いたいので、準備期間を長くいただいたりしています。また自身の演技をできる限り本物に近づけたい、突き詰めたいという思いがあります。そうしないと自分自身の中で違和感が出てくるので、その違和感を少しでもなくせたらという作業をしているだけです。『春に散る』の撮影は昨年11月からでしたが、ボクシング練習は4月から取り組んでいました。空手の癖があるので、ボクサーの動きのためにその癖を抜く作業から始めました。
Q.お仕事以外で突き詰めていることはありますか?
仕事以外ではないと思います。この仕事をする前から趣味と言えるものが見当たらないため、基本的に取り組んでいることは全部仕事に関係していると思います(苦笑)。今作でのボクシングは自分のやりたかったことに近いですが、大変なこともありました。ドラマ『DCU』ではスキューバダイビングの免許を取って潜る練習をしたのですが、もともと泳ぐのが苦手で水への恐怖心しかなかった。それでも克服できましたし、今作を含め様々な仕事を通して何かに挑戦できるのは刺激的で楽しいです。
Q.普段から体作りのために心がけていることはありますか?
体型キープのために体を動かすことは続けています。ジムで走ったり、家では腕立て、腹筋、背筋など基礎的なトレーニングをしています。最近だと下半身強化でスクワットも。今はトレーニングして、汗をかいてお風呂に入る。生活の一部ですね。ただ役によって調整をしています。たとえばちょっとだらしないキャラクターなど、トレーニングをしていないだろうという役のときは控えています。実際に映画『ヴィレッジ』の撮影期間中は控えていました。
Q.食生活で気をつけていることは?
食が少し細いのですが、仕事をするうえで体が資本なのでしっかり摂らないとなと思ってます。今回の撮影は大変でした。かなり体を動かすことが多かったので食べることが大事で、加えてバランスの取れた食事を摂らなければならない。自分にしては多い食事量を頑張って食べてました。ブロッコリーとゆで卵と鶏肉とご飯と…ずっと繰り返し同じメニューを1カ月間続けていました。体をすごく動かした練習の後は気持ち悪くなって、食欲が湧かないのですが、食べないと練習が無駄になっちゃうので、とにかく食べようと頑張っていました。
Q.9月には27歳に。20代のうちにやっておきたいことは?
来年からは大河ドラマの撮影が始まりますが、大河の撮影は1年半くらい続くので、その頃には28、29歳。残りの20代は大河に捧げることになると思いますが、今はとにかく『春に散る』をたくさんの方に観てもらえたらいいなと思ってます。しっかりと今を走りきらないと。自分の性格上、目の前にあることをしっかりとやってから次へ、と考えるので、まずは目の前のことをがむしゃらにやっていけたらと思います。
◼︎横浜流星
’96年9月16日生まれ 神奈川県出身 血液型O型●’11年、俳優デビュー。最近の主な出演作は主演映画『アキラとあきら』『線は、僕を描く』『ヴィレッジ』、’22年『流浪の月』では第46回日本アカデミー賞優秀助演男優賞をはじめ、複数の映画賞を受賞。’25年にはNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)〜』で主演を務める。
『春に散る』
アメリカから4年ぶりに帰国した元ボクサーの広岡仁一(佐藤浩市)と、不公平な判定で負け心が折れていたボクサーの黒木翔吾(横浜流星)。仁一に人生初ダウンを奪われたことをきっかけに、翔吾は仁一にボクシングを教えてほしいと懇願。二人は世界チャンピオンを⽬指し、命を懸けた戦いの舞台に挑む。他の出演/橋本環奈 窪田正孝 山口智子ほか 監督/瀬々敬久 原作/沢木耕太郎●全国公開中
スーツ¥460,000シャツ¥98,000ネクタイ¥24,200〈すべて参考価格〉(すべてディオール/クリスチャンディオール)
撮影/酒井貴生(aosora) ヘアメーク/永瀬多壱(VANITES) スタイリング/伊藤省吾(sitor) 取材・文/駿河良美 再構成/Bravoworks.Inc