EXILE TAKAHIROさん「長いスランプを経て、最近ようやく歌うことが楽しめるようになってきました」【新アルバム『EXPLORE』発売記念インタビュー】

—ニュー・アルバム『EXPLORE』が9月6日に発売されました。この1枚にどんな想いを込めましたか？
アルバムのリリースは6年ぶりになるのですが、6年のうちの約半分はコロナ禍でした。その間にも配信シングルのリリースをはじめ、少しでもファンのみなさんに喜んでもらえるものを考えながら過ごす中で出来たアルバムなので、僕にとっても一生忘れられない作品になりました。EXILEのボーカルとして活動してきた約17年間、自分的に暗黒期というかスランプ時期が結構長くあって。最近になってようやく、歌うことが楽しめるようになってきたんですよね。そんな自分が　アルバムを作り上げられた、という意味でも達成感がありました。

—長いスランプの間、どんなことを考えていたのでしょうか。
実はスランプ期には、気持ちよく歌えなかったり、歌えば歌うほどトラウマ化する楽曲もあって。自分たちの作品なのに愛せなくなることがすごく苦しかったですね。楽曲を好きで愛してお届けしないと、伝わるものも伝わらないと思っていたので、いつかは自分のものにしたかった。今作に収録しているEXILE曲をカバーした“EXILE RESPECT”は、そういう気持ちで始めたものでもあるんです。EXILEの曲をただ単にセルフカバーするのではなくて、自分らしいアレンジとアプローチで生まれ変わらせることで、同時に自分のトラウマも克服できましたし、EXILEのオリジナル曲にもかなり意欲的に取り組めるようになりました。自分としては、影を照らすことができる、ポジティブなアルバムになったと思っています。

—特別な思い入れがあるんですね。そんなアルバム『EXPLORE』の中で「特にここに注目して欲しい！」という個人的推しポイントを教えてください。
今回、オリジナル曲に関してはバラードを多めに収録しました。今までは、アップテンポ、ミディアム、バラードとバランスを取って制作しなきゃいけないっていう固定概念がありましたが、もっと自由に作ってみたい、という想いがあって。フルロックから王道バラードまで詰め込んだので、ジェットコースターのように緩急のついた作品になったと思います。そのコントラストの強さを楽しんでもらいたいです。そして、“EXILE RESPECT”は先ほどお話ししました克服したかった楽曲に加え、個人的に特に好きな楽曲を選び、僕のタイプを集約しました。自分自身が元々EXILEのファンでもあるので、ファンのみなさんにとってもエモいものになっていると思います。EXILEの歴史と、アーティストとしての今後の期待値や可能性をふんだんに感じてもらえるとうれしいです。

—今回はソロでのアルバムリリースですが、普段のグループ活動では大人数で行動することも多いと思います。メンバーみんながハッピーでいられるように、心掛けていることはありますか？
実は人見知りで、友達も少なくて。友達を数え出したら、いつの間にかメンバーが入ってくるくらい、メンバー＝友達なんです。ボーカルとパフォーマーで楽屋が分かれることが多いのですが、「みんな、今何やっているんだろう」って気になっちゃって（笑）。かなりの頻度でパフォーマーの楽屋に行って喋っています。それでみんながハッピーでいられるかは分からないですが、まずは自分がハッピーになろうと思って、メンバーには日々、だる絡みしています（笑）。最近は、イヤホンをつけて動画を見たりとか、コロナ禍は特に人と喋る機会が減ってるな、と感じて。もちろんひとりの時間も大事ですが、誰かといるときは喋りたいんですよね。だけど、友達は少ない。新しい友人ができることもあまりないし、芸能人の友達は本当に少ないです。連絡を取り合う方はいますが、みなさん忙しくてなかなか会えないし、友達と呼ぶにはおこがましいと思ってしまうんですよね。その点、メンバーは絶対に会う存在だし、メンバーと友達のようにいることが、周りも自分もハッピーでいられる僕なりの方法かもしれません。

—続々と新しいグループがデビューするEXILE TRIBEですが、後輩が増える中で「TAKAHIROさん的先輩の心得」を教えてください。
ケチらないこと。HIROさんが太っ腹で豪快かつ礼儀正しい方で、そういったところに自分が憧れたので、見習いたいと思っています。後輩と飲み歩くことは少ないですが、よく誘うのは（佐藤）大樹が多いですね。家族で食事しているときにふっと連絡するとサクッと来てくれたり。あと、大樹はいい具合に礼儀正しくないんですよ（笑）。だから呼びやすい部分もあし、そこも含めて可愛いです。それは後輩としての心得じゃないですけど、見習うところでもあるな、と思っています。先輩に対して礼儀を意識しすぎると、実はそれが壁になることもあるから、いい塩梅で生意気でいる方が誘われやすくなるし、距離も縮まる。人と付き合う中では、礼儀正しいだけではなく、甘えることも大事なんだな、と大樹から感じます。