「大人が恋愛で自分の意見を伝える方法」をプロに聞いてみたら…【結婚する気があるのか聞きたい】

仕事では自分の意見をきちんと伝えられるのに、恋愛だとつい受け身になってしまったりNOと言えずにモヤモヤしたりする…。そんな関係は長い目で見ると、損かもしれません。少し勇気はいるけれど相手に想いを伝える方法、コミュニケーションの専門家に聞いてきました。

<CASE>将来について

交際2年半。彼が結婚や子どもについてどう思っているか気になる。全く話さないという訳ではないが、いつも私から話すばかりなので本当に考えてくれているのかなぁと勝手に不安になってしまいます。また、彼がひとりっ子なので彼の親も気になる…。(H.Mさん)

「大人が恋愛で自分の意見を伝える方法」をプロに聞いてみたら…【結婚する気があるのか聞きたい】

相手が身構えずに正直に答えられる状況作りも意識して

「ふたりの将来がまだ手探りの段階で、結婚や子どもについて『どう思ってるの?』とダイレクトに聞くと相手に負担が大きいかもしれません。相手に引かれて望まない結果になったり、相手が責められていると感じて険悪になりがちなので、日常の会話の中で上手く話題に出すことから始めましょう。

例えば、共通の友達の結婚や同世代芸能人の出産の話題など、ふたりでいる場でそういうニュースが出たタイミングで、『そういえば、○○はどう思ってる?』と雑談レベルで聞いてみる。問い詰めるように向き合うのではなく、情報収集感覚で会話して、相手が身構えずに答えられる状況を作りましょう。

そして心に留めておいてほしいのは、〝相手にも自由な意見を持つ権利がある〟ということ。意見の強要はできないし、どんな選択をするのか最終的な決定権は相手にあります。自分と相手の考えに乖離があったとしても、そこを無理矢理変えようとするのではなく、お互いに対する理解や共感を示して着地点を見極めることが大切です。今の時代、そもそも、〝プロポーズは男だけがするもの〟ではないですよね?ふたりの将来の舵取りはどちらがしてもいい。その辺りの感覚をバージョンアップして、相手と向き合ってもいいかもしれません。

そして、結婚に付随して気になるのが、相手の親問題。どんな親なのか探りたくなる気持ちもわかりますが、結婚はある意味、ふたりが運命共同体になること。相手がすべての鍵を握っている訳ではなく、自分も同じくらい責任を負わないといけません。だから、探りを入れた結果、義理の両親のキャラが濃かったとしても『従順な嫁をやらなきゃいけない』と思わずに、自分はどうしたいのかを優先して。ふたりの生活を守るために振る舞う覚悟と、主体的に動く気概は、女性側にも必要ですね」

【会話例】

彼女:○○くんと一緒に考えたいことがあるんだけど(相手を問い詰めるのではなく、共同の課題に取り組むスタンスで向き合う)今後の私たちについてなんだ(何のテーマか告げる)。いいかな?(話を始める合意を取る。相手も心の準備ができる)

彼氏:うん、いいよ。

彼女:私たち付き合って2年半経つじゃない?ちょこちょこ将来の話題も出るけど、私から切り出すことが多いと思うんだ(客観的事実)

彼氏:うん、そうだね。

彼女:そういうとき、私もなんだか回りくどくなっちゃって、○○くんに対して嫌な感じになってたらごめんね(責任を共有する言葉)

彼氏:お、おう…

彼女:でね、ときどき結婚とか子どもとか、もしかして考えているのは自分だけなのかなってひとりで不安になっちゃうときがあるんだ(素直な気持ちの言葉)。それで、ぼんやりとでもいいから〇〇くんが考えていることがあれば教えてもらえたらと思って(相手の気持ちも聞いてみる)。どうだろう?

彼氏:うん、俺からはあんまり話題に出さないけど、考えてはいるよ。

彼女:わー、それ聞いて安心した。よかったらもう少し教えてくれる?(オープンクエスチョンで相手の話を引き出す)

教えてくれたのは...

◼︎鈴木早苗さん(実践女子短期

◼︎鈴木早苗さん(実践女子短期大学日本語コミュニケーション学科非常勤講師)
自分も相手も大切にするアサーティブ・コミュニケーションの講師歴19年。日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラーの資格も有し、自身の不妊治療経験をもとに、2017年、ブログ「心が軽くなる不妊治療中のコミュニケーション」を開設。著書に『不妊治療成功のカギ!夫婦の妊コミBOOK 心・体・お金のダメージを解消する』(河出書房新社)。

\CLASSY.世代 新人ライター/
【篠田の編集後記】
自分本位ではなく思いやりのある言葉で、はっきりと気持ちを伝えることが大切だと感じました。全く同じ価値観の人などいないもの。我慢したり駆け引きすることなく、大切な相手こそお互いの価値観を尊重し、素直に向き合える関係を築きたいと思えるようになりました。

イラスト/kame 取材/坂本結香、篠田夏帆 再構成/Bravoworks.Inc

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表紙モデル:山本美月

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