7月放送開始のドラマ『転職の魔王様』で敏腕毒舌キャリアアドバイザーを演じる成田凌さん。今回初共演する小芝風花さんは〝社畜ヒロイン〟(!)を演じます。CLASSY.世代にとっても身近な存在である転職エージェントを舞台に繰り広げられる求職者の本音や生き方とは? インタビュー前編ではお二人に今回のドラマの見どころを語っていただきました。
――ドラマ『転職の魔王様』でご自身が演じられる役柄はどんな印象ですか? 自分にとって新鮮だなと思ったところや設定などを教えてください。
成田 僕が演じる来栖(くるす)嵐は、あんまり表立った感情が見えないんです。 常に辛辣なことを言いながらも、本当は愛情を持っていて。それをどう表現していったらいいのか、単調にならないようにしていきたいです。いい言葉はたくさん言っているし、本当はこう思っているんだろうなという言葉の裏に隠された感情も見えるような表現ができたらいいですね。
小芝 私の演じる未谷(ひつじたに)千晴は、頑張り屋さんというか、「気持ち悪い社畜」って言われるんですけど(笑)。パワハラをされていたのに、その状況下でも自分が頑張れなかったせいだと自分をすごく責めている、一生懸命で真っ直ぐな子なんですよね。自分を犠牲にしてまでも人に必要とされたい気持ちが強くて本音が見えない子なので、その感情表現の仕方は繊細なものになるのかなと。
――お二人は初共演となりますが、お互いの印象をお聞かせください。
成田 撮影が始まったばっかりですが、(小芝さんは)常に明るいので、これから毎回現場にいてくれるんだと思うといちスタッフとして嬉しいですね。最後まで健康でいてくれるだけで十分です。一緒にこれから仕事するのが楽しみ。
小芝 本当ですか(笑)? 成田さんは自然体ですごく飾らない方だなと思いました。成田さんが演じられる来栖さんも肩の力が抜けていて誰に対しても平等に接していて、自分の軸がすごくしっかりある人なんです。常に自分のペースを保てているようなイメージがぴったりだなと思いました。
――今回は転職をテーマにしたドラマですが、お二人は「転職」という言葉に対してどんなイメージを持っていますか?
成田 もともと転職には「マイナスなことがあって仕事を変えたい人がするもの」というイメージが個人的にありました。でも原作や脚本を読んでみて、きっかけは人それぞれだけど「人生をより良くするものなんだ」という前向きな考えに切り替わりました。そのモチベーションでこの役を絶対やろうと思いましたね。プラスになるようにというか…。新しい人生の第一歩を手助けするような役です。そのぶん、やっぱり一生懸命になってしまうからこそ、強い言葉を使ってしまうこともあると思いますけど、結果的に転職して良かったと思ってもらえたらいいなと。
小芝 「やりたいことを見つけて転職する」というのは本当に勇気がいることなので、転職するのは自分の意志が強くてやりたいことがはっきりしている人が多いのかなと思っていました。でも私の役みたいに、何になりたいかもわからないし正解がわからないから、アドバイザーの方に聞きながら悩みながら、明確にわからないけど「ここじゃない」と感じている人も多くいて…。コロナ禍で自分を見つめ直して転職を考えるきっかけになった人も多いのかなと思います。
――今のお仕事を始める前と後で、仕事に対する考え方は変わりましたか?
成田 当たり前ですけど、年々責任を感じていますね。いろいろと知っていくし、覚えていくし、見えてくるし。一生懸命やりながら、時に力を抜きつつ。責任を感じるにつれて、自分の持ち分がわかってくるというか、昔は気になっていた細かいことにはこだわらなくなってきましたね。
小芝 私は14歳で芸能界に入った当時、周りは年上の人ばかりでした。だんだん年下の人たちも増えていくなかで、自分が迷ってばかりじゃダメだなとか自分の立場だからこそ守らないといけない人たちがいるんだなっていうのが見えてきて。引き締めるところと楽しむところ、そして周りの人だけじゃなくて自分でもちゃんと場を作っていかなきゃいけないなと思うようになりました。
――ご自身が転職するとしたらどんなお仕事をしてみたいですか?
成田 地球に優しいことをしたいかな(笑)。
小芝 私は本当にこのお仕事以外にできることが何もないんですよね。ずっとこの仕事だけでしたし、同じ仕事をずっと続けられるのかな。パソコンも全然触れないし、毎回違う環境になるお仕事なので何ができるんだろう…メイクとかが好きなのでそういうお仕事はやってみたいですね。
成田 そういえば僕、美容師免許持ってました(笑)。地球に優しい美容師になりたいですね(笑)。
――最後に今回のドラマを楽しみにしているCLASSY.読者に向けてメッセージをお願いします!
成田 「転職」を身近に感じている人も感じていない人も両方いると思います。来栖のセリフには結構強めな言葉もあるのですが、本当に相手のことを思ってあえて言った一言だったりするので、しっかり心に刺さってくれたらいいなと思います。一つ一つのシーンを大事に見せて、人ひとりを丁寧に見せていけると思うので、いいドラマになることは間違いないと思います。たくさんの人に見てほしいです。
小芝 1話完結でいろいろな人の人生の岐路を表現した作品になっているので、今の会社で働くのはどうなんだろうと悩んでる方に見ていただきたいです。 「このモヤモヤは間違いじゃないんだ」と、今後の自分の人生を考える中でも、一つのきっかけになったらいいですね。
成田凌
‘93年生まれ。埼玉県出身 ‘14年に初出演したドラマ『FLASHBACK』で主演を務め、以降、映画『キセキ-あの日のソビト-』ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-THE THIRD SEASON』、NHK朝ドラ『おちょやん』など多数の作品に出演。’18年映画『ビブリア古書堂の事件手帖』『スマホを落としただけなのに』で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。大ヒット映画『君の名は。』では声の出演も務める。
小芝風花
‘97年生まれ。大阪府出身 ’12年『息もできない夏』でテレビドラマデビューし、’14年の映画『魔女の宅急便』で主演、同作で第57回ブルーリボン賞新人賞を受賞。以降、’16年NHK朝ドラ『あさが来た』や主演作『妖怪シェアハウス』シリーズ、ドラマ『彼女はキレイだった』『波よ聞いてくれ』など多数の作品に出演。『ぐるぐるナインティナイン グルメチキンレース ゴチになります!24』などバラエティ番組にも出演中。映画『レディ加賀』が公開待機中。
『転職の魔王様』
転職エージェント会社「シェパードキャリア」を舞台に、〝転職の魔王様〟の異名を持つ毒舌敏腕キャリアアドバイザー・来栖嵐(成田凌)が求職者の悩みを辛辣な言葉で一刀両断しながらも働く自信と希望を持たせる〝転職〟爽快エンターテインメント。来栖の相棒となる未谷千晴を小芝風花が演じる。原作/額賀澪 毎週月曜22時(カンテレ・フジテレビ系全国ネット)7月17日(月)放送スタート。
【成田さん着用衣装】スーツ¥180,000シャツ¥30,000<ともにオーダー価格>(ともにアイルビー03-6804-2704 )時計¥913,000(グランドセイコー/セイコーウオッチお客様相談室 0120-302-617 )
撮影/木村 敦 ヘアメーク/反町雄一(成田さん・小芝さん) スタイリング/伊藤省吾<sitor>(成田さん)、森宗大輔(小芝さん) 取材/門脇才知有 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)