【大空ゆうひさん】スペシャルインタビュー!女優として10年目のいま考える〝ウェルビーイング〟なこと

ギリシャ悲劇『オイディプス王』で、主人公の母でありながら妻になってしまう女性・イオカステを演じる大空ゆうひさん。2回にわたりお届けしているスペシャルインタビュー後編では、CLASSY.で発信している〝ウェルビーイング〟な考え方について、お聞きしました。

――考え方や人への接し方など、

――考え方や人への接し方など、メンタル面で意識している〝ウェルビーイング〟なことについて教えてください。
私の仕事自体が〝ウェルビーイング〟だなと思っています。演劇の台詞は自分のためではなく相手の感情を動かすためにあるので、ウェルビーイングな考え方は自然と身についている気がします。普段の生活でも、私がハッピーな気持ちになるようなことを言ってくれたり、言葉がなくても優しい雰囲気で接してくださる素敵な方が周りにいらっしゃるので、自分もそうありたいなと思います。若い頃は自分をハッピーにすることばかり考えていましたが、最近は自分のハッピーな空気で相手も包めたらいいなと思うようになりました。

――大空さんにとって「これがあ

――大空さんにとって「これがあるとハッピーになれる!」ものはなんですか?
音楽です! 気分転換したい時や疲れて帰った時に〝今日聴きたい曲〟を一人DJみたいになって聴いています。あとは、美味しいもの! この二つがあれば手っ取り早くハッピーになれます。
――最近よく聴く音楽は何ですか?
本当に日によって違うんです。昨日はフリージャズが聴きたかったので山下洋輔さんのライブ盤を聴きました。その前はドリカムだったかな? 帰り道に鼻歌で歌った曲を聴くことが多いですね。「今、私が聴きたいのはこれなのでは?」と帰宅後に改めて聴くと「やはり名曲だよね!」と一人DJスタートです(笑)。鼻歌でアニソンを歌った日は「『北斗の拳』の主題歌、どんな感じだったっけ?」となり、気になったアニソンをたくさん聴きました(笑)。とにかく音楽が私を癒してくれるんです!

――最近ハマっている美味しいものは何ですか?
スパイスカレーが好きです。疲れたときにお気に入りのお店に行って食べています。最近は時間がないので行けないのですが。その代りにその日に自分が食べたいと思ったものを作って食べています。作って、完成して、食べる、というのがストレス解消になるんです。

――「石丸さんとのお仕事は体力

――「石丸さんとのお仕事は体力勝負になる」とおっしゃっていましたが、フィジカルな面で行っている〝ウェルビーイング〟なことも教えてください。
若い頃は気力で頑張れましたけれど、歳を重ねるごとに体力をどれだけ維持できるかの闘いです(笑)。ですが運動は苦手なので(笑)、できるだけ歩くようにしています。そしてタイミングをみて、体のすみずみまで動かすストレッチを。そしてとても大切なのが睡眠! できるだけ早く寝るように心がけています。

――大空さんは自分にご褒美をあげたりされますか?
あげますね。しょっちゅうあげます(笑)。「この舞台が終わったら」などと待つことはなく、稽古中も、公演中も、公演後もあげます(笑)。ちょっと元気になりたいときに、ちょっとした物で自分を甘やかしているんです。先日はネイルを夜、ポチりました(笑)。癖になってしまいご褒美がないと頑張れなくなっていますが、仕方ありません(笑)。

――インタビュー前編で「女優を

――インタビュー前編で「女優を始めて10年目」というお話がありました。自分の変わったなと思うところ、逆に変わらないなと思うところはどんなところですか?
若い頃は異常に完璧主義だったんです。「もっと頑張らないと!」と追い込んでばかりいました。いい事ではありますが、自分を小さくしていた原因にもなっていたと思います。なので、いい意味での〝いい加減さ〟を取り入れることにしたんです。歳を重ねるごとに〝いい加減〟が身について、自分に優しくなれたのはとてもいい変化だったなと思います。変わらないのは、あまり先のことを考えないところですね。今取り組んでいることや今日という日を充実させて、今に思いっきり集中するんです。いい〝今〟をどんどん繋げていくと次のいい〝今〟が巡って来るという考えは、これからも変わらないと思います。
そして最近、変わっていく自分も変わらない自分も含めて、今の自分を楽しもうという考えが芽生えました。10年前に宝塚を卒業して女優になろうと思ったわけですが、同じ演じるという職業でも私には取り入れなければいけないことがたくさんあったので、すごくもがいたんですね。あんなにガムシャラになれるというのはとても大切で、とても素敵な時代だったと思います。できなくてもがけるのは、その時しか味わえない貴重な時間。最近は少し楽しめる自分もいます。できることが増えたのかな。できるといっても手も足も出なかったのがちょっと出せるようになったくらいなので(笑)、これからもどんどん変わっていくであろう今の自分を楽しみたいと思っています!

パルテノン多摩リニューアルオープン1周年記念『オイディプス王』
ギリシャ悲劇の最高傑作『オイディプス王』を三浦涼介、大空ゆうひ、新木宏典、今井朋彦をはじめ期待の出演陣で上演。【作】ソポクレス【翻訳】河合祥一郎【演出】石丸さち子【出演】三浦涼介 大空ゆうひ 新木宏典(荒木宏文改め) 浅野雅博 外山誠二 吉見一豊 今井朋彦ほか【東京公演】7月8日(土)~ 17日(月祝) パルテノン多摩 大ホール【兵庫公演】8月19日(土) 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

大空ゆうひ
宝塚歌劇団宙組トップスターとして数々の話題作に出演。‘12年に退団、’13年『唐版 滝の白糸』から現在に至るまで舞台を中心に活躍。近年の主な出演作は『アンナ・カレーニナ』『お月さまへようこそ』『お勢、断行』『マーキュリー・ファー』『楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき~』『羽世保スウィングボーイズ』『キオスク』『鎌塚氏、舞い散る』など。映画『カイジ ファイナルゲーム』、ドラマ『家政婦のミタゾノ』など映像作品にも出演。

撮影/杉本大希 ヘアメーク/春山聡子 スタイリング/SAKAI 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室) 衣装協力/printemps

Feature

Magazine

最新号 202412月号

10月28日発売/
表紙モデル:山本美月

Pickup