独特の存在感でドラマに映画、舞台までさまざまな作品からのオファーが絶えない俳優・宮沢氷魚さん。最新主演映画「はざまに生きる、春」が5月26日(金)より公開され、6月には舞台「パラサイト」も開幕。日々忙しい毎日を過ごす宮沢さんの最新インタビューをプレイバック!
「自分1人の力ではとても作り上げることができない役だった」最新主演映画に込めた想いとは?
ー公開を間近に控えた主演映画「はざまに生きる、春」。宮沢さんが演じるのは、感情を隠すことがなく、うそがつけない画家・屋内透。発達障がいを持つ青年という役どころですが、どんな準備や役作りをしましたか?
クランクインの前に、監督や医療監修に入ってくださった先生と一緒に、発達障がいを持つ当事者の方とお会いして、いろいろなお話を聞きました。自分から質問させていただくこともあったんですけど、彼らの自然体な姿を見たくて、途中からは質問するというよりは他愛もない話をする感じになって。そういう素に近い状態を観察させてもらったり、葛里華監督がいろいろな特性を持った方にインタビューした動画を見せてもらったり、さまざまなところから力を借りて、屋内透という人物を作っていきました。本当に自分1人の力ではとても作り上げることができない役だったので、周りのみなさんに助けてもらいながら準備しました。
ー今までにいろんな役を演じてきていらっしゃいますが、今回特に難しいと感じたポイントはありますか?
どの役も難しいので、特別今回だけ難しいということはなかったです。ただ、それとは別に、この役を演じる上での責任感みたいなものはすごく強く感じました。それは「his」や「エゴイスト」でも強く感じたんですけど、マイノリティの方を演じるっていうのは、とてつもない責任がついて回ると思うんです。自分が演じ方を一歩間違えてしまったらたくさんの人が傷つくかもしれない。偏見や差別が生まれてしまうかもしれない。そこには注意深く気をつけながら、自分ができる最大限の準備と勉強をして、演じさせてもらいました。
どんなコンディションにも寄り添ってくれるから…自分への応援ソングはビートルズ一択!
ー元気を出したい時、必ずすることはなんですか?
美味しいものを食べること。焼肉が好きです。29歳、まだ焼肉が好きですけど、もうカルビはきつくて(笑)。もともと牛タンが好きなのと、最近はレバーをよく食べます。数年前まで苦手だったんですけど、レバーってすごく元気になれますよね。体力もつくし。
ー次は“ご褒美フード”を聞こうと思っていたんですが、これは焼肉ですかね?
ですね(笑)。焼肉のほかだと、ちょっと元気が出ないときとか、一つの作品を終えて自分を労いたいときなんかは、成城石井や紀伊國屋みたいなちょっといいスーパーに行って、普段買わないいいお肉とかいいお刺身の盛り合わせを買います。そういうのを食べると、なんかやる気が出ますね。
ー嫌なことがあったときは失敗したとき、どうやって切り替えますか?
コメディを観ます。海外ドラマの『フレンズ』みたいなちょっとクスッと笑えるものを観て、悩みごととか嫌なことからちょっと距離を取るというか。長さもちょうどいいんです。1時間半とか2時間のコメディ映画だとちょっと長いんですけど、『フレンズ』って1話30分くらいなので。そこまで頻繁に落ち込んだり、めちゃくちゃダウナーな感じにはならないんですけど、「ちょっと今日は悔しかったな」とか「もっとよくできたはずだな」みたいなことは、よくあるので、気分の切り替えにしています。
ーこれを聴いたら元気になれる、という自分への応援ソングはありますか?
ビートルズが好きなので、ビートルズを聴くと元気になれます。ビートルズの楽曲って幅が広いじゃないですか。だから、どの自分のコンディションにも合う曲が見つかるんです。穏やかな気持ちになりたいときは「サムシング」や「ブラックバード」を聴いて、元気を出したいときには「デイ・トリッパー」みたいなちょっとアップテンポの曲を聴いたりとか。
映画「はざまに生きる、春」
5月26日(金)全国ロードショー
映画コンテスト“感動シネマアワード”にて大賞を受賞した作品が待望の映画化! 出版社で雑誌編集者として働く小向春(小西桜子)は、仕事も恋もうまくいかない日々を送っていた。ある日、春は取材で、「青い絵しか描かない」ことで有名な画家・屋内透(宮沢氷魚)と出会う。思ったことをストレートに口にし、感情を隠すことなくうそがつけない屋内に、戸惑いながらも惹かれていく春。屋内が持つその純粋さは「発達障がい」の特性でもあったーー空気ばかり読み続けてきた彼女が、“うそがつけない彼”と恋をし、はざまを飛び越え春へと踏み出す姿を描く純愛物語。
撮影/田形千紘 ヘアメーク/吉田太郎(W) スタイリング/庄 将司 取材・構成/宮島彰子(CLASSY.ONLINE編集室)