【明日海りおさん】日本初演ミュージカル『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』で主演！

――ミュージカル『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』の話がきたときの気持ちを聞かせてください。
恥ずかしながらこの作品を観たことがなく、お話をいただいてから映像を拝見したのですが「なんてオシャレなんだろう！」と思ったのが第一印象です。衣裳を含め、舞台全体の色使いがヴィヴィッドでデザイン性が優れていますし、どのナンバーもうま味が凝縮されていて、さすが最新のミュージカルだなと思いました。そして、女性が大好きな化粧品がテーマでしたのでとても興味を惹かれました。

――このミュージカルの見所を教えていただけますか？
何より、エリザベスとヘレナの２人の生き様がカッコいいです！　ジェンダーギャップが激しかった時代なのですが、女性であろうと生まれが貧しかろうと高みを目指し、自分が信じる美学を追求していく姿が見所だと思います。２人とも怒ったり悔しがったりストレートに表現しながら競い合うのですが、陰湿な感じがないので(笑)観ているだけで爽快な気分になること間違いありません。先ほどもお話ししたカラフルな舞台と相まって、激しく美しく火花を散らすことになると思います！　また、日本初演ということで英語の台詞と歌詞を日本語にはめ直すのはとても大変なのですが、やりがいのある作業ですので頑張って乗り越えたいと思っています

――明日海さんと戸田恵子さんの共演も楽しみです。戸田さんの印象を教えてください。
ビジュアル撮影の時にお会いできたのですが、柔らかな印象の優しい方だなと感じました。今まで拝見してきたドラマなどのイメージで勝手にピシッとした強い印象を持っていたので、ギャップにやられてしまいました(笑)。今は一人で台本を読みながら、戸田さんはどんな台詞運びをするのかな？戸田さんはどんなテンションで演じられるのかな？と想像するだけで楽しくなっています (笑)。早く一緒にお稽古したいです。

――明日海さんにとって、エリザベス・アーデンとヘレナ・ルビンスタインのように相手の頑張りを見て励まされた人はいますか？
ライバルのような存在ですよね…。幼い頃に習っていたバレエ教室に負けたくないと思う子がいましたし、宝塚時代は同期と切磋琢磨してきました。自分がトップになったときは自分が組の責任者であるという意識が強かったので、他組のことは常に意識していました。わりと絶対負けたくない人間なので、怠け心が出てきたときはライバルを思いだして気持ちを奮い立たせていたと思います。ライバル＝戦う相手というより、頑張る活力になる大切な存在という感じです。

――常に頑張る活力になる存在の方がいたんですね。宝塚歌劇団の大運動会で花組が負けたときに明日海さんが泣いていたのを思い出しました。
あぁっ（机に突っ伏して泣くポーズ）。今思い出しても悔しいですが、頑張る活力になりました！

――化粧品業界で一線を走り続けたエリザベス・アーデンの気持ちを、宝塚のトップスターとして走り続けた明日海さんはどうとらえていますか？　共感できるところなどはありますか？
エリザベスだけでなくヘレナも女性が自我を通すことが難しい時代に生まれたので、自分が男だったらと思いを巡らせます。私は今の時代に女性として生まれてきて感謝することばかりなので、そこは自分とは違っているなと思います。でも、自分の信じることやプライドを守るために魂をこめて奔走する姿は共感しますし、私も２人のように生きていきたい！と強く思いました。今、この２人に出会えたことが運命かな？と思うくらい、生き方に惹かれます。共感を通り越して、尊敬という感じです。

――バレエもされていたので、子どもの頃から化粧品に接する機会が多かったかと思いますが、明日海さんにとって化粧品とはどんな存在ですか？
最初は憧れですよね。人生で初めて買ったのがバレエ用のリップとアイシャドウで、自分専用というのがとっても嬉しかったです。パレットにいろんな色が増えていくのが楽しくて仕方ありませんでした(笑)。そして普段もメークするようになり、宝塚時代の舞台用化粧品は仕事に欠かせない相棒になりました。憧れから相棒になりましたが、気持ちを高めてくれる存在であることは幼い頃から今に至るまで変わりません！　化粧品は使うのが楽しいだけでなく、見ているだけでも幸せな気持ちになれますよね！　新製品や限定品、日本だけでなく海外のコスメまでチェックしているので、本当にもう大変！と嬉しい悲鳴をあげながら癒されています(笑)。

――最後に、この舞台を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。
エリザベスとヘレナの生きる姿を観て、一緒に迷ったり怒ったり笑ったりできる作品です。時代は違いますが、２人の生き様に共感して勇気づけられると思います。舞台は鮮やかですし曲も素晴らしいので、ぜひ観にいらしてください。