コロナ禍になっておうち時間が増え、観葉植物を買ったという人も多いのでは? 部屋のインテリアに欠かせない観葉植物ですが、冬に枯らしてしまう人が多いよう…。冬はエアコンの暖房を使う機会が増え、乾燥も気になる季節。エアコンの使い方を誤るとエアコン暖房が観葉植物の大敵になってしまうかも…。今回は、三菱電機・霧ヶ峰の調査結果をもとに、屋内植物アドバイザー協会代表理事の谷奥俊男さんから観葉植物を枯らさずに冬越しさせるための、室内環境づくりのポイントを教えてもらいました!
【調査】冬の観葉植物に関するお悩みは?
※三菱電機 霧ヶ峰 PR 事務局による意識調査
・調査対象者:エアコン暖房が設置されている室内で観葉植物を育てている 30~50代の男女 600名(東京・大阪在住)
・調査方法:インターネット
・調査期間:2022年12月16日(金)~12月18日(日)
観葉植物は冬が苦手。その理由とは?
谷奥さんによると、観葉植物とは、本来、熱帯や亜熱帯地域の屋外で育っていた植物を、太陽光を遮光したハウス内で屋内用植物として順応させた植物を指すとのことです。観葉植物は本来熱帯や亜熱帯地域の植物なので、寒さが本格化し、乾燥する冬は観葉植物にとって厳しい環境になるそう。寒さが本格化し、エアコン暖房の使用頻度が高まるこの時期は、エアコン暖房の乾燥による観葉植物への悪影響にも注意が必要です。
谷奥俊男(タニオク トシオ)
【株式会社COTOHA代表取締役、屋内植物アドバイザー協会代表、屋内緑化推進協議会理事、一般社団法人花いけバトルプロジェクト理事】
1966年生まれ、京都市出身。京・西陣の実家の花屋で25年勤務後、独立し現在のインドアグリーン専門店cotohaとフラワーショップBOOMを経営。花・植物を身近に感じていただける『きっかけ』として様々な活動を展開。その他、【枯らしてほしくないプロジェクト】として消費者に寄り添うアフターサービスを全国47都道府県に1社同志を募って現在27都道府県に仲間を拡大中。
観葉植物のプロが教える、理想的な室内環境づくり
エアコン暖房による乾燥にも要注意!
Q.観葉植物にとって適切な「室温」は?
⇒解決策:観葉植物を楽しむには、室温は最低限10°Cを下回らないように!成長させたい場合は常時16°C以上をキープしましょう。
観葉植物には「停滞期」と「成長期」があります。室温が1~15°Cの場合は「停滞期」に入り、成長を止めて休眠状態になります。「停滞期」の中でも、室温が10°Cを下回ると葉を落としてしまうため、せっかく育てた植物の葉を観て楽しむことができません。そのため、室温が10°C以下にならないように気をつけ、夜間などの室温が下がる時間帯は、エアコン暖房などを活用し、室温を維持できると良いでしょう。また、室温が0°Cを下回ると水分を含んだ土が凍り、根がいたんで枯れてしまう可能性が高いため、長期間家をあける際は、保温カバー等で鉢を覆い、土を冷やさないように防寒対策を行いましょう。室温が 16~25°Cの場合は「成長期」に入り、新芽が出てきて活き活きと育ち始めます。そのため、冬の間も観葉植物を大きく育てたいのであれば、常時16°Cを下回らないようにしましょう。
Q.観葉植物にとって適切な「湿度」って?
⇒解決策:室内の湿度は 50~60%が理想!湿度管理が難しければ葉に霧吹きをして乾燥を防ぎましょう。
観葉植物にとって適切な湿度は50~60%です。冬場は乾燥により、ハダニ、カイガラムシ等の病害虫が発生したり、蒸散のスピ-ドが早まり根から水分を吸い上げるのが追い付かず葉が乾燥して枯れてしまったりする等のリスクがあります。そのため、加湿器等を活用して室内の湿度を調整したり、霧吹きで葉に水をかけてあげたりして葉の乾燥を防ぎましょう。
Q.エアコン暖房の温風が観葉植物にあたっているのはNG?
⇒解決策:観葉植物の位置や、エアコン暖房の風向を変え、風が観葉植物に直接あたらないように調整しましょう。
エアコン暖房から出る乾燥した風が観葉植物に当たると、乾燥によってリスクが生じるため、観葉植物がある部屋でエアコン暖房を使用する際には葉に風が直接当たらないように観葉植物を置く場所を変えるか、エアコン暖房の風向きを変えることをおすすめします。
Q.観葉植物にとって適切な換気の仕方は?
⇒解決策:定期的に換気を行い、室内の空気を入れ替えましょう。
室内によどんだ空気が滞留していると病害虫が発生しやすくなります。そのため、お部屋に24時間換気システムが設置されている場合であっても、1日に一回は換気を行い、室内の空気の入れ替えをしましょう。また、お部屋に24時間換気システムがついていない場合は、3~5時間を目途に換気を行うことがおすすめです。
【コラム】観葉植物に直接温風をあてず、部屋全体を暖める方法とは?
暖房時にエアコンの風を観葉植物に当てないようにと風向を水平にしてしまうと、お部屋が暖まりません。そんなときは、空気の特性をふまえ「下向き」に吹き出すように風向設定しましょう。吹出し角度は水平に対して60°以上、下向きの風向設定がおすすめです。また、温風は床面に届いて床を伝って部屋全体に広がる性質があるので、風速を「強」にして床面まで届くようにするのがおすすめです。
プロ直伝!観葉植物の世話の仕方、4つのポイント
ポイント①肥料の与え方
観葉植物が停滞期に入っている時は、肥料を与えないように!観葉植物は停滞期(室温1~15°C、植物の成長が止まる期間)には栄養を吸収しないため、肥料を与える必要はありません。
ポイント②適切な光量
お部屋の電気を消しても本が読める程度の明るさの光を当てましょう。観葉植物を健康に育てるためには十分な光量が必要です。そのため500lx※1 以上の光(目安としてはお部屋の電気を消しても本が読める程度の明るさ)が6~8時間/日以上照射される場所に設置すると良いでしょう。(※1 lx:ルクス、照度を表す単位)
ポイント③水のやり方
⇒水やりは土表面ではなく、「鉢中心部の水分量」を意識しましょう。観葉植物の水やりでは、鉢の上層部の土ではなく、鉢の中心部の水分量が大切です。市販の「水やりチェッカー」を使用し、 鉢中心部の水分量を確認するのがおすすめ。根腐れを起こす可能性があるため、冬場の水の与えすぎには注意!
ポイント④観葉植物の適切な設置場所
「温度変化が激しい窓際」「空気が滞留しやすい場所」は避け、「必要な光量が確保できる場所」で育てましょう。空気が滞留しやすい「部屋の角」などは適していないため避けましょう。もし「部屋の角」に置く場合は、サーキュレーター等を用いて空気が循環するように対策を。
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