言葉の意味自体は知っていて、日常で使うこともあるけれど、漢字表記になると「何て読むんだろう?」と戸惑うことは意外と多いものです。
そのような“難読漢字”をすらすら読めると、周囲から「すごい」「博識」といった印象をもたれるかもしれません。
そこで今回は“読めると知的に映る漢字”をご紹介します。いくつ読めるか、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
1.「軽率」
「よく考えずに物事を判断し、行動しようとするさま」「軽はずみなこと」を「軽率」と言います。
慣れていることでも、油断して軽率な対応をすると、思わぬミスになってしまうこともあるでしょう。
もちろん仕事で軽率な態度や対応はNGですが、プライベートにおいても軽率な態度は「信用できない」と思われてしまうおそれがあります。日頃から、なるべく軽率な態度は慎みたいものですね。
そんな「軽率」の正しい読み方は……
「けいそつ」です。
「率」は「りつ」とも読めるため、思わず「けいりつ」などと読んでしまいがちですが、間違えないよう注意しましょう。
2.「一目置く」
「一目置く」とは、囲碁から生まれた言葉であることをご存知でしたか? 囲碁には、弱い方が先に碁石を一個(一目)置いてから対局を始めるというルールがあり、その動作から「相手の実力や能力を認めて敬意を払う」という意味の「一目置く」という言葉が使われるようになりました。
そんな「一目置く」の正しい読み方は……
「いちもくおく」です。
「一目」を「いちめ」「ひともく」などと読むのは不正解なので、正しい読み方をしっかりと覚えておきましょう。
3.「手向ける」
「手」は「て」と読むから「てむける」と読むのでは?と思う人も少なくないでしょう。しかし「てむける」は間違った読み方です。
また、読み方だけでなく“手向ける=手を(ある方向に)向ける”などと意味も勘違いされやすい言葉ですが、「手向ける」とは「旅立つ人に餞別(せんべつ)を送ること」、また「神仏や死者の霊に供え物を捧げる」ことを意味します。
そんな「手向ける」の正しい読み方は……
「たむける」です。
たとえば「退職者に花束を手向ける」「仏壇に線香を手向ける」といったように使います。
4.「声色」
「話す時の声の調子」や「声の音色」のことを「声色」と言います。ドラマや映画に出演される俳優さんの中には、演じる役柄や、同じ役であってもシーンによって声色を変えているでしょう。声色だけで観ている人に登場人物の感情をしっかり伝えることができるのは、まさにプロの技といえます。
そんな「声色」ですが、「声」を「こえ」と呼ぶことから、素直に「こえいろ」と読んでしまう人が少なくないでしょう。しかし「こえいろ」という読み方は間違いで、
「こわいろ」と読むのが正解です。
ちなみに、「声色」意外にも「こえ」を「こわ」という読む漢字には「声高(こわだか)」「声音(こわね)」といったものがあります。
いかがでしたか? 何となく見たことがあっても、きちんとした読み方は覚えていなかった……そんな漢字もあったかもしれませんね。読める人がそう多くない漢字だからこそ、すらすら読める人はきっと周囲から一目置かれるはず。
また、正しい読み方を知っておけば、スマートフォンやパソコンで正しい漢字にすぐ変換することができます。一方で漢字を間違ったまま覚えていると、変換に時間がかかりタイムロスになることもありますよね。
難しい漢字を覚えることは、周囲からの印象UPだけでなく、自分の為にもなりますよ。
参考文献
山口謠司『音読力 読み間違う日本語の罠99』(游学社)
文/大内千明 画像/Shutterstock(Who is Danny、Freedomz、g-stockstudio、Scharfsinn、Zoom Team)