ビジネスシーンで、よく見かけるけれど実は読み方を知らない漢字ってありませんか?
メールや文書などは、読み方がわからなくても意味が通じていれば支障をきたすことはあまりないでしょう。しかし、電話や直接会って話した時などに間違って覚えたままでいると、恥ずかしい思いをしてしまうことも……。
今回は、そうした“ビジネスシーンで読めないと恥ずかしい漢字”をご紹介します。
1.「忖度」
言葉そのものを知らなかったという人も少なくない「忖度」。2017年の流行語大賞に選ばれたのをきっかけに、広く知られるようになりました。
「忖度」とは、「他者の心理を推し量って相手に配慮すること」を意味し、たとえば「発言の意図を忖度する」「部長の意向を忖度する」といった形で用いられます。
そんな「忖度」の正しい読み方は……
「そんたく」です。「忖度」は、漢字で書くときにも間違えやすい言葉なので、読み方だけでなく漢字もしっかりと覚えておきましょう。
2.「角逐」
「ニ社が激しく角逐する」「業界内で角逐する」という文脈で使われるように、「互いに競い合う」という意味がある「角逐」。プレゼンコンペやコンテストといった、他者と競い合う場面などで、この言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
この「角逐」という言葉は、「争う」という意味をもつ「角」と、追い払うという意味の「逐」から成り立っています。
そんな「角逐」の正しい読み方は……
「かくちく」です。「かくすい」と読んでしまわないよう注意しましょう。
3.「進捗」
今抱えている仕事や進行中のプロジェクトがどのくらい進んでいるのか。「物事が進みはかどる」ことを「進捗」といいます。ビジネスでは「物事の進み具合」のことを、「進捗状況」という言葉で表すことが少なくありません。
たとえば「進捗状況を確認したい」「仕事が進捗する」といったように使われます。
そんな「進捗」の正しい読み方は……
「しんちょく」です。「捗」の形が「歩」によく似ていることから「しんほ」「しんぽ」などと勘違いしやすいので、混同しないよう気をつけましょう。
4.「顛末」
「顛末」とは「事の最初から終わりまで」、つまりは「一部始終」という意味の言葉です。
よく「事の顛末」などと使われ、ビジネスにおいてはトラブルや不祥事、不始末の一部始終を報告するための「顛末書」というものがあります。
そんな「顛末」の正しい読み方は……
「てんまつ」です。できれば「顛末書」を書くようなトラブルは起こしたくない、起きてほしくないものですね。
いかがでしたか? 今回ご紹介した漢字を、実際にビジネスシーンで使った、またはメールなどで目にしたという人は少なくないでしょう。
社会人として恥ずかしい思いをしないためにも、ぜひ正しい読み方を覚えておきましょう。
参考文献
根元 浩『杏仁豆腐はキョウニンドウフが正しい!大人が読み間違うと恥ずかしい漢字』(中央公論新社)
文/大内千明 画像/Shutterstock(Masson、SmartPhotoLab、LightField Studios、Pasuwan、fizkes)