「写真撮られるの、苦手なんです~」と意外なことを言いながらカメラの前に立った吉高さん。とはいえ自然体で、笑ったりポーズをしたり。「めちゃくちゃパソコン打つの早いですね!どうやってるんですか?」と逆取材される場面も。周りが思わず支えたくなる、そんな人なんだろうと感じました。
自分も周りも幸せにするウェルビー女子な生き方、教えてもらいました
もし今会社員だったら…と考えることもあります
大学を卒業して就職した友達が多くて、彼女たちを見ていると、自分が会社員として働いていたら今どんな立ち位置にいるのかな、と考えたりもします。慕われる上司になっているのか出世を目指しているのか、家庭はあるのか……。
私の仕事はサポートしてくれる人が他の職業よりも多い。そこに甘えている部分もあると思うんですよね。だから、自立して会社員として働いている人や起業している人を見ると、自分だったらどんなポジションに進んでいたんだろうって気になります。会社員の友人から知る感覚や、役を通じて得る知識や用語もあって、そういうところからリアリティを感じることも多いんです。社内恋愛とか、憧れの先輩と残業とかあるのかな?…って想像したりもします(笑)。
リアルに会社員経験はできないけれど、役を通じていろんな人の人生を疑似体験できるのは楽しい。島や地方に行きっぱなしの撮影では、自分がここにいたらどんな暮らしをしてたかな?と考えるし、新幹線で移動中に見かけた街に思いを巡らせることも。この街にいたら元カレ遭遇率が高いんだろうな、とかしょうもないことを考えながら、自分ではない誰かの人生を妄想しています。
高校時代にスカウトされて始めた俳優の仕事。当時は部活もやっていないし、3年くらい続けてみようかな、と。正直、10代の頃はアルバイト感覚。指定された現場に行って言われた仕事をする感じでした。
その感覚が変わったのは、初主演映画『蛇にピアス』の撮影が始まった頃に遭った交通事故がきっかけでしたね。ICUに入ったことで全体のスケジュールが変更になったり、仕事をキャンセルせざるを得なくなり、自分の知らないところで頭を下げてくれている人がたくさんいることを知ったんです。それまで私の仕事にそんなに多くの人が携わっているなんて想像できていなかったし、もっと自覚を持って仕事に向き合わないといけないな、と気が付く大きな出来事でした。
交通事故もそうですが、常に周りを観察して今起きたら一番最悪なパターンを考えています。例えば、前に鉄のポールを積んだ車が走っていたら、もしこれが落ちてきたらどう避けよう、とか。先日も運転中、私の目の前で警備のバリケードが張られて、「なんで、こんな目に遭うの?」ということが起きがちで。些細なことですが、ついてない事態の遭遇率が高いから、リスク回避のために危機予測する癖が身についているんだと思います。
PROFILE
1988年生まれ。東京都出身。2008年『蛇にピアス』で主演を務め、「第32回日本アカデミー賞」新人俳優賞、「第51回ブルーリボン賞」新人賞をダブル受賞。2014年にはNHK連続テレビ小説『花子とアン』で主演を演じた。以来、NTV『東京タラレバ娘』、TBS『最愛』など数多くの作品で活躍。2024年NHK大河ドラマ『光る君へ』では、主演の紫式部/まひろ役を務める。10/7からは本多劇場で上演の『クランク・イン!』に出演。(東京公演10/7(金)~30(日)。ほか、静岡、大阪、愛知公演あり)
撮影/YUJI TAKEUCHI(BALLPARK) ヘアメーク/RYO スタイリング/藤本大輔〈tas〉 取材/坂本結香 再構成/Bravoworks.Inc