【元宝塚・愛希れいかさんインタビュー】三度目となる『エリザベート』に向けて…

宝塚歌劇団で日本初上演され、東宝版でも長く人気を博しているミュージカル『エリザベート』。3年ぶりとなる今回の再演でWキャストで主演を務めるのは元宝塚歌劇団トップ娘役の花總まりさんと愛希れいかさん。全4回にわたりお届けしているスペシャルインタビュー、第3回は『エリザベート』が宝塚歌劇団退団公演の演目であり、退団後初の舞台出演作でもあった愛希れいかさんの登場です!

――愛希さんにとって『エリザベ

――愛希さんにとって『エリザベート』は思い入れの深い作品だと思いますが、再演が決まった時のお気持ちを教えてください。
‘20年は全公演が中止になり、お客様にお届けできなかったことが残念で仕方ありませんでした。再演できると聞いた時は本当に嬉しかったです! それと同時に、もう一度エリザベートを演じるためには一から役作りをやり直さないと!という気合いが入りました。

――30代になって初めてエリザベートを演じることになりますが、役のとらえ方が変わったところはありますか?
20代だからこうする、30代だからこうする、ということはないと思います。でも宝塚で初めて演じた時から4年、東宝版で演じてから3年が経ちました。コロナ禍で中止になった公演からは2年です。その間にはミュージカルやそれ以外の舞台も経験させていただき、作品や出会った方たちからたくさんの刺激を受けました。30代はこうでないといけないという考え方はしていませんが、30代になるまでに身についた数々の経験が、意識はしなくても自然に役のとらえ方や演じ方に深みを与えてくれるのではないかと思っています。

――演じる年齢の幅の広さ、歌唱

――演じる年齢の幅の広さ、歌唱力、皇后としての威厳など、大変なことはたくさんあると思いますが、愛希さんが『エリザベート』の舞台に立つ上で大切にしていることは何ですか?
大切にしていることは、たくさんありすぎるのですが…エリザベート自身のすごさは、自分を貫く強さだと思っています。『私だけに』が彼女のテーマ曲で、「私の人生は私のもの!」と歌っているように、自分の意志でしか動きません。そんな彼女を理解するとか演じるのではなく、そんな彼女になるために強さがなくてはならないと思っています。
この舞台に立つうえで必要なのは、精神力です。激動の人生を生きるので、強い精神力を持っていないと押し潰されてしまいます。自分の思うままに自由に生きていられるのは最初だけで、嫁いでからは常に圧迫されて逃げ出したいのに逃げられません。そんな人生を演じるのは本当に辛いです。早変わりなど体力的にも大変ですが、それよりも辛い人生に耐えられる精神力がないとやっていけないのです。
そして大事にしている場面は、幼く自由だった頃にパパと話すところです。『パパみたいに』では望むままに生きたいと歌います。エリザベートはパパみたいに自由に生きたかったけれど叶いませんでしたが、自由を愛する彼女をつくったのはパパだと思うのです。そんなこの場面を活き活きと演じることで、これから彼女に訪れる人生の辛さをより深く表現できると思っています。

――幼い頃以外は辛いことの多い

――幼い頃以外は辛いことの多いエリザベートの人生を、演じたいと思うのはなぜだと思いますか?
なぜでしょう? 自分でもわからないんです。何でこんな辛い役をやりたいんだろう…エリザベートに限らず、「私、何でこの仕事をしているんだろう」と思うことがあるんです。人前に出るのは本当に苦手なのに、舞台で演じているなんて。その中でも『エリザベート』は緊張しますし、「できる?耐えられる?」と不安でしかありません。でも、それ以上にエリザベートという人物が好きで惹かれているので、演じると学ぶことが多いんです。
そして素晴らしい音楽や演者の方などいろいろなものが重なって、やはり「やりたい!」となるんだと思います。それに、’19年のエリザベートには納得がいっていなくて…。完全に納得できることなどないと思いますが、もっとできたはず!という思いがあるんです。もう一度『エリザベート』に挑戦したかったので、今回もやりたい!と思いました。

愛希れいか
‘09年宝塚歌劇団に95期として入団。男役として初舞台を踏むが娘役に転向し、可憐な容姿とダンスの実力で注目を集める。’12年月組トップ娘役に就任。’18年『エリザベート』公演で主演後、退団。トップ娘役在任期間は歴代3位となる。退団翌年の’19年に主演した東宝ミュージカル『エリザベート』に続き、今回の再演でも主演を務める。

ミュージカル『エリザベート』
‘96年に宝塚歌劇団により日本初演、’00年の東宝版初演から観る者を魅了し続けてきた大ヒットミュージカル『エリザベート』が、’22年秋~‘23年に待望の上演決定! ミヒャエル・クンツェ(脚本/歌詞)、シルヴェスター・リーヴァイ(音楽/編曲)、小池修一郎(演出/訳詞)という最高のクリエイター陣が集結。花總まり、愛希れいかがWキャストでタイトルロールを演じ、観客を美と退廃の世界へ誘う。’22年10月9日(日)~11月27日(日)東京 帝国劇場/12月5日(月)~12月21日(水)愛知 御園座/12月29日(木)~’23年1月3日(木)大阪 梅田芸術劇場メインホール/1月11日(水)~1月31日(火)福岡 博多座

【衣装】トップス ¥49,500スカート ¥53,900(ともにポロ ラルフ ローレン/ラルフ ローレン☎0120-3274-20)その他/スタイリスト私物
撮影/平井敬冶 ヘアメーク/杉野智行(NICOLASHKA) スタイリング/山本隆司(style³) 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)

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表紙モデル:山本美月

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