普段から見慣れていたり、耳馴染みのあったりする言葉でも、実は読み方を間違えている漢字は意外と多いもの。
そこで今回は“読み方を間違えやすい3文字漢字”をご紹介します。あなたは、いくつ正しく読めるでしょうか?
(1)「備長炭」
焼肉屋などで「備長炭」という文字を目にしたことがある人もいるでしょう。
「備長炭」とは、江戸の元禄時代に、紀州の備中屋長左衛門が売りはじめたことがきっかけで、徐々に世間に広まっていきました。
現在では「びっちょうたん」「びちょうたん」などさまざまな読まれ方をしますが、正しくは……
「びんちょうずみ」と読みます。
ちなみに「びんちょうたん」と読むのも間違いではないので、どちらかの読み方を覚えておくようにしましょう。
(2)「七回忌」
人が亡くなってから7年目の命日のことを「七回忌」と言います。
命日には、故人を偲んで冥福を祈るための“追善供養”をします。
「七回忌」以外にも「一周忌」「三回忌」「十三回忌」などがあり、その都度親戚が集まり、法要を行った経験がある人もいるのではないでしょうか。
「七」を「なな」と読むほうが読みやすいのか、よく「ななかいき」と思われがちなこの言葉。
正しくは……
「しちかいき」と読みます。
仏教や葬儀関係の言葉は、「七」を「なな」と読まないので、注意しましょう。
(3)「御利益」
「御利益」とは、神や仏が人間・動物らに与える利益のことを言います。
「御利益」といってもさまざまで「好きな人と結ばれる」「運命の人と出会える」といった恋愛に関するものから、「厄除け」「お金に恵まれる」「悪縁を断ち切ることができる」というものまで神社によって「御利益」は異なるものです。
そんな「御利益」の正しい読み方は手……
「ごりやく」です。
「利益(りえき)」という言葉があるため、つい「御利益(ごりえき)」と読み間違えがちなので、気をつけましょう。
(4)「地団駄」
悔しいことがあったときや、怒りを感じたときに感情を抑えきれず、思わず「地団駄」を踏んでしまった……なんていう経験はありませんか。
怒りや悔しさなどの感情から、足で激しく何度も地面を踏みつけることを「地団駄を踏む」といいます。
そんな「地団駄」は……
「じだんだ」と読むのが正解です。
「じたんだ」と読み間違えて恥ずかしい思いをしないようにしましょう。
(5)「大時代」
古めかしく、大げさであることを「大時代」と言います。
特定の時代についての言葉ではなく、たとえば「大時代な言い回し」といったように使う言葉です。
「だいじだい」か「おおじだい」か読み方に迷うところですが、正しくは……
「おおじだい」と読みます。
読み方だけでなく、言葉の意味も間違えやすいので、あわせて覚えておくとベストです。
間違えやすい3文字漢字、あなたは何問正解できたでしょうか?
「普段の会話で耳にする読み方が実は違っていた!」という漢字もあったかもしれませんね。ぜひ今回の記事を参考に、正しい読み方を覚えておいてくださいね。
参考文献
大人の漢字力研究会『読めそうで読めない漢字 書けそうで書けない漢字』(光文社)
文/大内千明 画像/Shutterstock(garetsworkshop、CactusStudio、leungchopan、Cookie Studio、Pressmaster)、PIXTA(ピクスタ)(Graphs)