映画『はい、泳げません』で共演した長谷川博己さんと綾瀬はるかさん。綾瀬さんが主演したNHK大河ドラマ『八重の桜』では夫婦役を演じていましたが、映画では意外にも今回が初共演。2回にわたりインタビューをお届けします。
- ――泳げない男・小鳥遊(たかなし)雄司と、その水泳コーチ・薄原静香を演じたお二人。泳ぐことで、ある過去を克服した男性とそれを導いたコーチの物語ですが、完成作をご覧になった感想を教えてください。
- ――プールでの長時間の撮影が体力的にも大変だったそうですが、実際のお二人は泳ぐのは好きですか?
- ――「泳ぐ」ということが小鳥遊にとっても静香コーチにとっても、「リハビリ=元の自分を取り戻す」という力を与えます。リハビリまでいかなくても、リフレッシュできるような趣味はありますか?
- ――今作はNHK大河ドラマ『八重の桜』で夫婦役を演じて以来の共演となりますが、お互いの俳優としての魅力を教えてください。
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――泳げない男・小鳥遊(たかなし)雄司と、その水泳コーチ・薄原静香を演じたお二人。泳ぐことで、ある過去を克服した男性とそれを導いたコーチの物語ですが、完成作をご覧になった感想を教えてください。
長谷川「いい意味で『不思議な映画だな、面白い映画になったな』と思いました。出演している側ではありますが、物語を知っていても楽しめました。ちょっとサスペンスっぽくも感じたし、物語が後半に進むにつれてすごく好きだなあと思いましたね。監督がいろんな手法に挑戦しているのが感じられて、映画の方程式的なものとははずれているかもしれないけど、それも含めて観る方に楽しんでもらえたらいいなあと思いました」
綾瀬「いい映画だなって思いました。ちょっとファンタジー的な映像が入っているのが不思議な世界観というか、ポップな感じもして――。物語は重い現実を描いているけれど、重いだけじゃないところがいいなあって思いました」
――プールでの長時間の撮影が体力的にも大変だったそうですが、実際のお二人は泳ぐのは好きですか?
長谷川「好きですね。プライベートではずっとプールに通っていました。泳いでいるとリラックスできるというか。バタフライは長く続かないんでクロールと平泳ぎですけど。ある程度の距離を泳ぎたいので、クロールで疲れたら50mくらい平泳ぎしてまたクロールに戻って、1㎞をノルマにゆっくり泳いで…。忙しくて時間がないときは500mですけど、それだけでも泳ぎ終わった後はリラックスできますね」
綾瀬「私は学生の頃に習ったくらいで泳ぐ機会もあまりなかったので、今回、コーチについてもらって週2で泳ぎを習ってからクランクインしました」
――「泳ぐ」ということが小鳥遊にとっても静香コーチにとっても、「リハビリ=元の自分を取り戻す」という力を与えます。リハビリまでいかなくても、リフレッシュできるような趣味はありますか?
長谷川「僕にとってそれが水泳だったんですけど、この映画を撮ってからあまり泳ぎたくなくなっちゃって(苦笑)。泳げない演技が結構大変だったので(苦笑)。本来はリラックスして泳いでいるのに、逆に力が入った芝居をしなきゃいけないじゃないですか。それを経験したらリラックスして泳げないような気がして(笑)、最近行ってないんです。なので今は、山登りしてます」
綾瀬「どこの山?」
長谷川「高尾山。地元だから」
綾瀬「私もこの間、ドラマに入る前に登った! ふくらはぎがすごい筋肉痛になったけど」
長谷川「どのコースを登ったの?」
綾瀬「楽なほうだけど、全部歩いて登ったよ」
長谷川「なんだ、言ってくれれば。どのコースがいいって教えてあげられたのに(笑)」
――今作はNHK大河ドラマ『八重の桜』で夫婦役を演じて以来の共演となりますが、お互いの俳優としての魅力を教えてください。
長谷川「やっぱりすごいなって思いました。彼女が俳優として今まで経験されてきたことは大変だったと思いますし、様々な作品を背負ってきていることがいい形で出ている気がします。感覚的なことなんですが、彼女の瞬時に場の空気を変えられるところは『八重の桜』のときもそうでしたが、主演の経験をたくさん積まれてきたからかなと……。その感じがより洗練されてきている印象があります」
綾瀬「今作の小鳥遊さんの考えこんじゃうキャラクターが、本当に長谷川さんにピッタリだと思っていて。でもそれもひっくるめて、人間らしくて素敵だなと思っています。長谷川さんって〝理屈詰め〟みたいな役が似合いますよね。理屈っぽい役を演じてるところがすごく好きなんですよね。でも跳ねた役というか個性の強い役もお似合いになると思っていて。そういう役も似合う役者さんはあまりいないと思うので、魅力的な俳優さんだなと思っています」
長谷川博己
‘77年3月7日生まれ 東京都出身 血液型A型●’02年『BENT』で舞台デビュー。‘08年のドラマ『セカンドバージン』で注目を集める。’16年の映画『シン・ゴジラ』で日本アカデミー賞・優秀主演男優賞を受賞。’20年の大河ドラマ『麒麟がくる』で主演を務める。他の主な出演作は『MOZU』シリーズ、ドラマ『小さな巨人』、朝の連続テレビ小説『まんぷく』など。
綾瀬はるか
‘85年3月24日生まれ 広島県出身 血液型B型●‘01年、ドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』で注目を集め、以降数々の作品で主演を務める。’13年大河ドラマ『八重の桜』で主演。‘15年の映画『海街diary』で日本アカデミー賞・優秀主演女優賞ほか数々の賞を獲得。最近の主な出演作はドラマ『天国と地獄~サイコな2人~』、『 奥様は、取り扱い注意』シリーズなど。放送中のドラマ『元彼の遺言状』に出演中。
『はい、泳げません』
泳げない男と泳ぐことしかできない女の希望と再生の物語。大学教授・小鳥遊(たかなし)雄司<長谷川博己>は泳げない。水に顔をつけるのも怖い雄司がひょんなことから水泳教室に足を運ぶと、強引に入会を勧めたのが水泳コーチの薄原静香<綾瀬はるか>だった。雄司には水を怖がる決定的な理由が…傷ついた人生に光をともす、切なくてちょっとおかしい感動作。監督・脚本/渡辺謙作 原作/髙橋秀実『はい、泳げません』(新潮文庫刊)●6月10日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
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【衣装】綾瀬さん分ワンピース¥88,000(TOMORROWLAND B/TOMORROWLAND 渋谷本店)
撮影/平井敬冶 ヘアメーク/須賀元子(長谷川さん分)、中野明海(綾瀬さん分) スタイリング/大久保篤志(長谷川さん分) 椎名直子(綾瀬さん分) 取材・文/駿河良美 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)