【成田凌×伊藤沙莉】聴くだけで17歳当時が蘇る”思い出の曲”とは？

−−本作では17歳と27歳、それぞれの時代での夢との向き合い方が描かれていますが、お二人が17歳の頃に思い描いていた自分と、今の自分は違っていますか？

成田 凌さん（以下、成田）：何もかも違います（笑）。17歳の自分は普通の高校生で、カリスマ美容師になるつもりでしたから。こうやってファッション誌の方に取材をしていただいているなんて、想像もしていませんでした。そう考えると、10年前とは別の人間なんじゃないかくらい変わりましたね。それでも高校時代の友人と一緒にいるときは、昔と何も変わってないなって思っちゃいますけど（笑）。

伊藤沙莉さん（以下、伊藤）：17歳の頃はすでに俳優の仕事をしていたので、私も当時思い描いていた未来とは全然ちがいますね。色んな作品にヒロインという立場で出演させていただくことになるなんて、全く予想してなかったです。むしろ、そういうポジションとは無縁だと思っていたので、自分が一番驚いています（笑）。

−−お二人が演じた荻野とゆかは、夢から“降りる”ことを選びましたが、成田さん、伊藤さん自身は、目標や夢に向けて思い通りに進まない時、どんなふうに乗り越えていくタイプでしょうか？

成田：出演した作品が（コロナ禍の影響などで）公開できなくなったりするのはツラいですけど…それ以外、基本的にこの仕事を始めてから「人生思い通りにいかないなー」って思ったことがないです。もし自分の中の何かがなくなったと感じた時にも、それは代わりに新しい何かが生まれるタイミングだとポジティブに捉えることが多いですね。

伊藤：ちょうど10年前、この仕事を続けるか続けないかをすごく考えた時期でした。でも、周りの友人たちが就職か大学進学かを決める時期と重なったので、「自分だけが悩んでいる」という感覚にはならなかったんですよね。ただ、9歳からずっと続けてきた仕事を辞めると思うと、今まで一緒にいてくれた人たちがいなくなっちゃうんじゃないかとか、誰も私に興味がなくなるんじゃないかとか、すごく怖くはなりましたが。幸せなことに出会いに恵まれ、周りに導かれて今の場所にたどり着いたという感じです。

−−劇中では、キリンジの「エイリアンズ」を聴いて、17歳の記憶が呼び起こされるシーンが印象的でした。お二人には聴くたびに昔の記憶が甦るような思い出の一曲はありますか？

成田：高校時代、春になると必ず聴いていたのがアンジェラ・アキさんの「サクラ色」とスピッツさんの「春の歌」。2曲ともサビの頭でボーカルだけになるんですけど、それがなんとも言えない高揚感でした。部活でたくさん走らされた毎日とか、部活が終わったあとにみんなでアップルティーを買ってダラダラ喋ってた時間を思い出します。何気ない時間が、今思えばとてつもなく幸せでしたね。

伊藤：当時K-POPがすごく流行りだした頃で、少女時代とかBIGBANGとかを必死に聴いて、なんとか話題についていってました（笑）。もちろん好きで聴いてはいるんですけど、基本的に広く浅いタイプなので…周りの友人の極め方には全然及ばずでしたね。今ぱっと思い出したのは、色んなアーティストの恋愛ソングが収録された“恋うた”アルバム。よく聴いていました。

成田：あったあった！ 懐かしいねー。