【コロナ禍のアメリカ】海外在住ライターが、リアルな現地の様子をレポート【ニューヨーク編】

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CLASSY.ONLINEトラベルライターの山水由里絵(やまみず ゆりえ)です。夫の仕事の都合でアメリカへ転居し、現在はニューヨークで生活をしています。

そこでよく聞かれるのが「みんなマスクをしていないの?」「ワクチン接種の有無で制限はあるの?」「治安は?」などの質問。よく聞かれる内容などを中心に、現在のニューヨークのリアルな現状をレポートしていきます。

【コロナ禍のアメリカ】ニューヨークの今|1.感染者数は?

2022年5月19日現在、ニュ

2022年5月19日現在、ニューヨーク州での新規感染者数は、7日間平均で4,489人/日。オミクロン株が急拡大した同年1月9日には、1日の新規感染者数が9万人を超えましたが、3月上旬には7日間平均654人まで下がり、感染者数は徐々に減少。

しかし、現在はオミクロン株の派生型「BA.2」などの影響で、感染者数は増加傾向にあります。ニューヨーク市が感染者数や病床の空き状況などを考慮して発表している警戒レベルCOVID-19: Alert Levelは、High (高い水準)となっています。

【コロナ禍のアメリカ】ニューヨークの今|2.NY独自のプログラム『Key to NYC Pass』の廃止

ニューヨーク市内では、新型コロ
昨年ワクチン接種会場としても使われたアメリカ自然史博物館。巨大なクジラの模型の左ヒレには、ワクチン接種後につけられる絆創膏が!

ニューヨーク市内では、新型コロナウイルス新規感染者の減少に伴い、2022年3月7日から市内でのマスク着用義務やワクチン接種証明の提示義務を撤廃。それに伴い、2021年8月から導入されていた、屋内での飲食時や劇場などでのワクチン接種証明の提示を義務化したNY独自のプログラム『Key to NYC Pass』も廃止となりました。

これまで飲食店やスポーツジム、映画館や劇場などの施設では、『Key to NYC Pass』の方針により、マスク着用とワクチン接種証明の提示を求めることが義務化されていました。3月7日以降は、マスク着用やワクチン接種証明の提示を求めるか否かは、各事業者の判断に委ねられることとなりました。

【コロナ禍のアメリカ】ニューヨークの今|3.マスクについて

現在、ニューヨークでマスク着用

現在、ニューヨークでマスク着用を強く推奨されている主な場所は、飛行機や電車、タクシーやカーサービスなど、すべての公共交通機関と空港や駅などの交通ハブ、美術館や博物館、ブロードウェイの劇場など、多くの人が集まる密な場所では、事業者が独自にルールを定めてマスクの着用義務がある場所も。ブロードウェイの劇場によっては、ワクチン接種証明の提示が必要な場合もあります(※ブロードウェイでは、5月31日までは観劇時のマスク着用義務化を決定していました)。

実際に街の様子を見ていると、マスク着用が義務化されていない場所であっても、人混みや密になる場所では臨機応変にマスクを着用している人が多いように感じました。また、ニューヨークの都心部では、地下鉄やバスなどが主な交通手段となっているため、外出時はマスクが必携となっています。

独自にマスク着用を義務付けているNYの代表的な観光地
・メトロポリタン美術館
・アメリカ自然史博物館
・ブロードウェイ など

【コロナ禍のアメリカ】ニューヨークの今|4.無料のPCR検査とワクチン接種

街中には無料で受けられる検査用のテントが設置され(場所によっては交差点の四隅にテントが立つほどで、検査所は飽和状態のようにも感じます)、病院や薬局以外の街中でも、手軽かつ無料で検査が受けられるようになっています。

週末にアメリカ自然史博物館の付近で見つけたこのバスは、市が運営する移動式のワクチン接種会場。こちらでは、ファイザー社のワクチンが接種できるようでした。

【コロナ禍のアメリカ】ニューヨークの今|5.各施設のコロナ対策と観光

ニューヨークの街中では、至る所

ニューヨークの街中では、至る所にソーシャルディスタンスを保つように促すサインを見かけました。前回の記事でご紹介したカリフォルニアと比べると、人口密度の高いニューヨークでは、このようなサインがより多いように見受けられます。

ニューヨークの市民にとって欠かせない交通手段である地下鉄では、終着駅で乗客が下車した後、清掃スタッフが車内の消毒を実施。消毒液を使って、床や座席などを拭いている姿を見かけます。

コロナ禍の生活で必需品となった

コロナ禍の生活で必需品となったマスクやハンドサニタイザーは、薬局やスーパーマーケットはもちろん、街中のニューススタンドや文具店などでも購入可能。多くの場所でマスクの義務化が廃止された今もなお、需要が高い商品です。

新型コロナウィルスが流行り始め

新型コロナウィルスが流行り始め、2020年3月から公演中止を余儀なくされたブロードウェイのミュージカル。2021年9月に一度再開したもののオミクロン株の拡大により再度クローズ。2022年3月末から4月にかけて、再び公演を始める劇場も徐々に増えてきました。

また、タイムズスクエアの混雑やロックフェラーセンターの展望台での行列を見る限り、国内外からの観光客も少しずつ戻ってきているようで、特に春休みの時期は、旅行者が増えていたのを実感しました。

【コロナ禍のアメリカ】ニューヨークの今|6.治安

コロナ禍になる前、最後に私がN

コロナ禍になる前、最後に私がNYを訪れたのは2019年〜2020年にかけての年末年始でした。現在はその頃と比べると、かなり治安が悪くなっているように感じます。

街に配備されている警察官の数も格段に増えましたし、アジア人を標的にしたヘイトクライムもニュースで繰り返し報道されています。ニューヨーク在住歴が40年以上の方にお話を伺ったところ、1980年代まではいかないけれどそれに近い治安の悪さや危機感を覚えるとのこと。

街には多くの人が歩いていますが、人通りが少ないところはもちろん、人が居る場所であっても十分な注意が必要です。

【コロナ禍のアメリカ】ニューヨークの今|7.まとめ

経済の回復に向けて舵を切ってい

経済の回復に向けて舵を切っているアメリカ。現在のニューヨークは、観光客も増え、経済回復への道を着実に進んでいるようです。しかし、オミクロン株の変異種が増加しているため、引き続き感染対策を徹底して、生活していく必要があると痛感しています。

レポートの内容は記事作成時2022年5月時点のものです。なお、CDCによる公共交通機関でのマスク着用義務は202253日をもって解除となり、着用推奨に変更されました。

文・写真/山水 由里絵(やまみ

文・写真/山水 由里絵(やまみず ゆりえ)
大学卒業後は広告代理店などに勤務し、結婚を機に中国へ。現在はアメリカ在住。旅行・美容関連の記事をメインに、CLASSY.読者と同世代のフリーランスのトラベルライターとして活動中。2019年9月よりCLASSY.ONLINEで執筆をスタート。
Instagram:@yuuurie_1211
YouTubeチャンネル:Travel in Style|トラベルライターYURIEの旅vlog

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