伶美うららさんインタビュー|「『るろうに剣心』で宝塚時代とは違う〝強い女性〟に挑戦したい」

大ヒットコミック『るろうに剣心』の中でも人気の高い京都編がミュージカル作品としてIHIステージアラウンド東京で上演! 漫画から飛び出てきたかのような魅力あふれるキャストたちが走り、歌い、戦います。 今回は妖艶な美女、駒形由美を演じる伶美うららさんに舞台にかける思いやこれからのビジョンについて、さらにCLASSY.が発信している「ウェルビーイング」なライフスタイルについてもお聞きしました。

 

――『るろうに剣心』は大ヒット

――『るろうに剣心』は大ヒット少年漫画としてアニメ、映画、ミュージカル化され、宝塚でも上演された作品ですが、どのような印象をお持ちでしたか? 実際に出演するにあたり印象は変わりましたか?

「私は三姉妹なので少年漫画にはあまり縁がなく、漫画やアニメに接する機会もあまりなかったのですが、宝塚在団中に雪組さんで上演した『るろうに剣心』を拝見したのがこの作品との最初の出会いです。ざっくりとした内容しか知らないまま観たのですが、個性豊かなキャラクターがたくさん出てきて、なんてドキドキする作品なんだろう!という印象を受けました。今回の出演が決まってから漫画とアニメを観たのですが、あのキャラクターたちには壮絶なバックボーンがあり、その人生が交わることでいろんなドラマが生まれる…とても熱い作品だなと思っています。初見も深読みした後も、心に残るのはたくさんの魅力的なキャラクターたち! みなさんも主人公だけでなく、それぞれの登場人物に共感したり思いを寄せたりするんだろうなと思いました」

――伶美さんが演じるのは、最強の悪役かつ信念を貫く人斬りの志々雄真実を愛する世話係の駒形由美。演じるうえでの大変さを教えてください。

「宝塚時代も芯の強い女性を演じることが多かったので、過去の辛い思いを背負って生きている女性という部分は似たものがあると感じています。でも今までと違うのが、由美は志々雄様のためだけに生きる女だということ。自分ではなく相手のための強さを演じるのが初めてなので、難しいですがとても新鮮です。また、由美は花魁の過去を持つので手の使い方や裾さばき、歩き方、すべてにおいて常に艶っぽくしなやかにしないといけません。由美の着物は首回りが大きく開いているので顔周りが隠れていないぶん、息遣いひとつで気持ちが全部出てしまうと思うんです。なので、由美だからこう動くというのを根本において演じなければいけないなと思っています」

――伶美さんの好きな『るろ剣』

――伶美さんの好きな『るろ剣』のキャラクターは?

「もちろん志々雄様を愛しています! 異色な魅力があってカッコいいです! でもやはり、駒形由美が好きなんですよね。妖艶なだけでなく心に秘めるものもあり、ちゃんと感情を爆発するところもある。そんな生き様も、そして死に様も…今回の京都編での由美の人生は壮絶だなって痛感しています。自分が演じるうえでも由美のことをもっと好きになって理解して、自分のものにできたらいいなって思っています」

――由美が愛する志々雄は悪役なのにファンの多いキャラクターですよね。

「とても魅力的です。辛い過去があるのにそれを何とも思わない強い精神があり、勝つということだけに没頭して生きるって…志々雄以外にいないと思うんですね。悪、執念、強さ、それだけじゃない何かが志々雄にある!というところに皆が惹かれるんだと思います」

――宝塚時代もアニメが原作の『銀河英雄伝説』に出演されていましたが、人気原作作品に出演する際に意識していることは?

「原作から出てきたような存在感が大切だと思うので、ビジュアルだけでなく台詞も原作の雰囲気を忠実に守りたいです。また、個々のキャラクターがいる中で、どのようなバランスで自分が存在したらいいかを計算することも大切だと思っています」

 

 

――『るろうに剣心』は宝塚でも

――『るろうに剣心』は宝塚でも上演されており、ファンの期待も高まっています。宝塚ファンやCLASSY.読者への注目ポイントをお願い致します。

「好きなキャラクターが漫画の台詞を歌ってくれるという、ミュージカルならではの楽しみがあると思います。また、殺陣のスピード感と迫力がすごいので引き込まれること、間違いありません。そして一途に想う人達がたくさん登場し、それぞれの心がキュンとなるお芝居がありますので絶対に楽しめると思います!」

――退団されて今年で5年目です

――退団されて今年で5年目ですがこれまでのこと、そしてこれからのビジョンを教えて下さい。

「今まであっと言う間でした。1年目は何をしたらいいかわからず、いろんなことに挑戦していました。2年目は、やはり表現することが好きだと感じたので深めていきたいと思った頃です。そんな中コロナ禍になってしまい、その間に私自身がプロデュースしたアクセサリーブランドを立ち上げたりしておりましたが、今回、舞台再び舞台に立たせていただくことが決まり、これから舞台で演じることで、自分は新たにどう感じるのだろうと私自身に問うているところです。今はまだ答えを出すことができないのですが、まずはお稽古期間を大切にして自分を見つめ直し、これから先どうしたいのか考えたいと思っています」

伶美うららさんが考える「ウェルビーイング」
「自分の気分を上げるために、いつもの生活の同じルーティンに〝何かを加える〟 ということを意識しています。たとえばお風呂に入るときにキャンドルを炊くといった簡単なことです。無理のない範囲でやると、ちょっとした心のリラックスが得られるんです。新しいフレーバーの紅茶を飲むのもいいですよね。ちょっとした変化を楽しむことって、こころのワクワクに繋がると思いますから」
――どんな香りのキャンドルや紅茶を試されていますか
「キャンドルはウッディ系の香りが好きです。特にヒノキが好きなので、ヒノキ風呂が欲しいくらいです()。紅茶で今ハマっているのは『極上はちみつ紅茶』。甘い香りと味に癒されています」

伶美うらら

09年宝塚歌劇団に95期として入団。下級生時代からたぐいまれなる美貌で注目を集め、新人公演主演を4度務める。’17年『神々の土地/クラシカルビジュー』で朝夏まなとの相手役を演じ、惜しまれつつ退団。退団後は女優やモデルとして活躍している。

ミュージカル『るろうに剣心 京都編』

累計発行部数7200万部超の大ヒットコミック『るろうに剣心』の中でも人気の高い京都編を、ミュージカル界のトップランナー小池修一郎の脚本/演出によりIHIステージアラウンド東京でミュージカル化!「るろ剣」ワールドが客席を360度取り囲み、剣心らが縦横無尽に走り、歌い、戦う! 517()624() IHIステージアラウンド東京

撮影/平井敬冶 ヘアメーク/宮内宏明(M’s factory) 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)

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最新号 202412月号

10月28日発売/
表紙モデル:山本美月

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