ラジオに雑誌連載に昨年は著作ドラマ化まで…!大活躍のジェーン・スーさん。現在40代・憧れの先輩ですが、CLASSY.世代だった30代の頃はご本人曰く「地獄~!」の時期もあったそう。「不安な気持ちは百も承知」と語るスーさんに、CLASSY.読者のお悩みに答えてもらいました。
スーさんが「地獄〜!だった30代を経て」
30代は単純に、エネルギー過多の時代。小金があって知恵があって体力があって欲望も強い。だから全部のバランスが取れるワケがないんだけど。でも40代は後半になるにつれ体力や気力がなくなってくるので、今のうちにやりたいことを思いっきりやってほしいなと思います。
独身だったらバカみたいな失恋をするとか、めっちゃ傷つくとか。そういうのをちゃんとやったほうがいい。そうすると40代になったとき記憶のアルバムを見返すと、味があってたのしいよ。私が30代のときは、会社を辞めて、式場の仮予約までした彼と別れ、実家近くのロイホでずーーっと時間を潰し…35から37までは本当に地獄~!ってかんじでしたね。でもミクシィに日記書いたりしていたらそれを見た編集者が連絡をくれて連載が始まって…「コレやってみたら?」と信頼できる人から来たボールを全部受け止めてやってきたら、今こうなりました。
「30代のうちにやっておくべきこと」
モテたい、目立ちたい、お金がほしい…欲望が自分の中にあると、認めないと、自らの輪郭がわからないまま40代になっちゃうよ
やりたいことがわからない人は、得意なことをやってみたらいい。得意なことが自分でわからなかったら、人からよく頼まれること―例えばごはん食べるとき、いつもお店を聞かれるとか―それがあなたが得意なことです。それを見つけて仕事にすると、他の仕事をするより評価が高いので自尊感情が育ちますよ。
あと逆に、嫌いなことにもトライしてみたほうがいい。“自分はこう”って30代はまだ決めつけないほうがいいと思います。剪定をするのは後でいいから、まずはとりあえずいろんな方向に枝を伸ばしてみてほしい。私はずっと運動が嫌いで、「体育会系の人って頭も筋肉」みたいに冷笑してたけど、実は自分が運動が苦手なだけだった。“苦手”を全部、“嫌い”にスライドしてたんですよね。それってめっちゃカッコ悪いなと思って。一念発起してボクシングジムに通ってみたら、頭の使い方とカラダの使い方が逆になってたのしい!となったり、ヨガは行ってみたけどマジでつまんない!となったり。試してみてやめてもいいから、苦手や嫌いなことにも一回トライしてみるのが大事かなと思いますね。
結局、30代のうちにどれだけ自分に正直にいられたか。正直にっていうのは、自分のゲスい欲望をちゃんと認めるということ。人より目立ちたいとか、モテたいとか、年収とか…そういう、あんまり口には出せない欲望が自分の中にもあることを認めないと、口で言っていることと相手に与える印象が全く違うっていう、変な人になる。思っていることって絶対滲んで出ちゃうから。「全然気にしてない」って言ってるけどそんなこと絶対ないでしょって人、よくいますよね。開き直るんじゃなく、爆弾を抱えてるって自覚しながら生きること。誤魔化してると、自分自身の輪郭がわからないまま40代になっちゃうよ。
あと最後に伝えたいことは、「私なんかが…」って言ってよかったことなんてマジで一個もなかったってこと。まわりを見ていても、たのしそうに仕事している人は言ってない。この言葉を思ったり言い出したりした途端、チャンスが来なくなるよ。これは未来から来たおばさんからのアドバイス。みんな応援してます!
\40代はきっと楽しい/
新刊『きれいになりたい気がしてきた』2/24発売
『美ST』の大人気連載、『それゆけ!私立美魔女学院』を加筆修正し一冊の本になりました。やっと「きれいになりたい気がしてきた」と言えるようになったというジェーン・スーさん。40代の今の気持ちを、様々な視点やエピソードからエッセイに。こんな40代になりたい!と、未来がたのしみになるはず。
ジェーン・スーさん
1973年、東京生まれ東京育ち。作詞家、コラムニスト・ラジオパーソナリティ、TBSラジオ「ジェーン・スー生活は踊る」、ポッドキャスト番組「ジェーン・スーと堀井美香の『OVER THE SUN』」のパーソナリティとして活躍中。『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)、『ひとまず上出来』(文藝春秋)など著書多数。
撮影/イマキイレカオリ ヘアメーク/森 ユキオ(ROI) スタイリング/村瀬萌子 再構成/Bravoworks.Inc