ラジオに雑誌連載に昨年は著作ドラマ化まで…!大活躍のジェーン・スーさん。現在40代・憧れの先輩ですが、CLASSY.世代だった30代の頃はご本人曰く「地獄~!」の時期もあったそう。「不安な気持ちは百も承知」と語るスーさんに、CLASSY.読者のお悩みに答えてもらいました。
CLASSY.読者がスーさんに聞きたいこと、ぶつけてみました!
【お悩み】結婚について
地方都市出身、東京で働く30代独身です。転職を経て今は自分の希望に合った仕事に就いており、収入面でも東京で一人暮らしを満足いくような形でできるくらいの年収を得ています。3年付き合っている彼もおり、そろそろ結婚もなんとなく(いや切実に)考えていますが、この人でいいのか・もっといい人がいるのではとアプリを見る日々です。価値観も趣味も合っていて何より私を大事にしてくれる人なのですが、正直彼の収入面が不安です。ハッキリ聞いたことはありませんが私よりないのでは…と思います。また、私より年上にもかかわらず、まだ転職しようとしています。自分がしたい仕事をして十分な収入を得ているにも関わらず、そういったステレオタイプな(昭和な?)価値観に囚われているのか…でもまわりもそうだし…などモヤモヤしています。(K.N・32歳 会社員)
自分の中の昭和の価値観は、常に闘っていないとなくならない
30代で独身で一人暮らしで満足できる収入を得ている。それなら結婚が後回しになるのは当然。でもこの方の中で、ふたつの価値観がミックスしていることが問題だと思います。
『古い結婚観に象徴されるような、相手の家に入ったり、専業主婦になったりはせず自由にやっていきたい』という価値観を持ちつつも、一方では『男性には私より稼いでいてもらわないと』という旧態依然とした価値観も持っている。私たちの頃からそういうことはあったけど、価値観をミックスしているとなかなか上手くいかない。どっちかに軸足を置いたほうがいいかも。選ぶのはどっちでもいい、好きなほうにすればいいんです。でも自分の優先順位を付けて選ぶことが大事。“選ぶ”ということは“選ばない”ことと背中合わせ。つまり何を捨てるか、ということです。
とはいえ、30代の東京で働く女性が何かを捨てるのが難しいのはすごくよくわかる。不安な気持ちは百も承知です。でも40代の先輩としてひとつ言えるのは、「あのとき結婚すればよかった」または「あのとき結婚しなければよかった」と言っている同世代の女性は、少なくとも私のまわりにはひとりもいないということ。それは“自分が選んだものを正解にしている”から。正解は決まっていないけれど、自分の選択を正解にする力を付ける。それが30代から40代にかけて身に着けるべきことだと思います。
そのためには今目の前にあることをしっかりやっていくしかない。性格的に10年後から逆算して動ける人もいるけれど、相談の内容を見るにこの人はそういうタイプではないと思います。自分の中の昭和の価値観は常に闘っていないとなくなることはないから、頑張ってください。
ジェーン・スーさん
1973年、東京生まれ東京育ち。作詞家、コラムニスト・ラジオパーソナリティ、TBSラジオ「ジェーン・スー生活は踊る」、ポッドキャスト番組「ジェーン・スーと堀井美香の『OVER THE SUN』」のパーソナリティとして活躍中。『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)、『ひとまず上出来』(文藝春秋)など著書多数。
撮影/イマキイレカオリ ヘアメーク/森 ユキオ(ROI) スタイリング/村瀬萌子 再構成/Bravoworks.Inc