部屋干しで早く乾かすには?「冬のお洗濯&部屋干し」意外な盲点とは

冬の時季は、洗濯物を外に干しても乾きづらいと感じる事はありませんか?部屋干しに変えると生乾き臭が気になったり。しかもテレワークで部屋着などの洗濯物の量が増えたと思っている方も多く、「乾かない」「部屋干し臭がする」など、そのお悩みも深刻です。そこで今回は、「冬の部屋干し」の代表的なお悩み、疑問にお洗濯のプロが答えます

Q1.そもそも冬は湿度が低いのに、なぜ洗濯物が乾きにくいの?

冬は、肌や唇がカサカサになって

冬は、肌や唇がカサカサになってしまうほど、空気が乾燥していますね。湿度が低くなれば、洗濯物だって早く乾きそうなものですが、実際には湿度が高い夏よりも乾くまでの時間は長いですよね。これはなぜでしょう?
洗濯物が乾くということは、繊維に含まれている水分が周囲の空気中に移動する、ということ。ですから、乾燥するスピードは、「温度」「湿度」「風」の3つの条件によって変わります。温度は高いほど、湿度は低いほど、風は強いほど乾きやすくなります。冬は湿度がそもそも低く、室内は風の影響も少ないので、洗濯物の乾きやすさを決めるのは、温度の影響が大きいと考えられます。
冬は部屋干し派という方も多いと思いますが、部屋の温度が高くなればなるほど、洗濯物の繊維中の水分が、繊維表面で水蒸気になりやすくなるため、乾きやすくなります。また冬の暖房なしの部屋は、温度が低く、繊維中の水分が水蒸気になりにくく、空気中に放湿されにくくなるので、その結果、洗濯物の乾きが遅くなるんです。

冬の部屋干し対策の基本&早く乾かすには?

冬の部屋干しを攻略するには、「

冬の部屋干しを攻略するには、「温度」と「風」にアプローチするのが有効。エアコンなどの暖房器具で室温を上げたり、エアコンや扇風機、衣類乾燥除湿機などで衣類に風を送ると、乾燥時間を短縮できます。
さらに、干し方を変えるだけで、乾燥時間が短くなります。例えば、バスタオルを基本形(真っ二つに折った干し方)とずらし干し(前後をずらした干し方)の2つの干し方で比較すると(東京における1月の昼間の気温・相対湿度の平年値に近い状態で実験)、基本形は410分だった一方で、ずらし干しは375分と、35分の違いがありました。

少しでも早く乾かすなら、角ハンガーの「アーチ干し」を!

少しでも早く乾かすために実践し

少しでも早く乾かすために実践したいのが、角ハンガーの「アーチ干し」です。角ハンガーで洗濯物を干す時は、以下の3つのコツを実践してみてください。
①外側に長い衣類、内側に向かって短い衣類を干す
②乾きにくい素材(綿など)を外側に、乾きやすい素材(化繊など)を内側に干す
③厚手の衣類を外側に、薄手の衣類を内側に干す
湿度・温度などの条件によっても乾燥速度は変わりますが、長短干しに比べて約30分程度早く乾きます。

Q2.部屋干しで気になる「生乾き臭」はどうすればいいの?

部屋干しのお悩みでは、「乾きに

部屋干しのお悩みでは、「乾きにくい」よりも「生乾き臭」がトップでした(44%)。「生乾き臭」や「戻り生乾き臭」は、お洗濯で洗濯の時に落としきれなかったわずかな「汚れ」が化学的に変化したり、「菌」による作用を受けたりするのが原因です。乾きづらい冬の季節は、干す時間が長く、「菌」が増殖しやすくなりますので対策が必要です。

部屋干し臭対策のポイントは、消臭・抗菌・除菌

洗濯物が乾きにくい冬のお洗濯は、干している時に生乾き臭の原因となる菌を増殖させないことが重要です。消臭、抗菌、除菌効果のあるアイテムを使って菌対策をするのがおすすめです。

Q3.冬の部屋干し、窓や壁の結露の心配はないの?

結露は、室内の湿気を含んだ暖か

結露は、室内の湿気を含んだ暖かい空気が、冷たい窓や壁、天井、などに冷やされて露になる現象です。暖房で温めた部屋で部屋干しした場合でも、暖房をしない部屋での部屋干しでも結露が発生しやすくなるため対策が必要です。
暖かい部屋で部屋干しをした場合、部屋干しをしていないそのほかの部屋にも湿度の高い空気が流れ、家の湿度は一定に保たれるようになります。暖房をかけていない部屋は室温が低く、壁や窓の表面温度が低いため、流れていった湿った空気が結露の原因になります。
つまり、暖房をかけた部屋で部屋干しすると、ほかの部屋も結露が発生しやすくなるということ。結露を放置すると、サッシや壁、家具などにカビが発生しやすくなりますので、しっかりと対策をとりましょう。

point1:こまめに換気をする
強制排気管(家の外に排気ガスを放出する装置)のない石油ストーブ、ガスストーブ、石油ファンヒーターなど開放型の燃焼式暖房機を使用した場合は、定期的に窓をあけ、換気しましょう。暖房をかけていない部屋も、忘れずに換気しましょう。エアコンなどの暖房機を使用した場合は、24時間換気システムがあるかないかで対応が異なります。換気システムがある場合は窓を開ける必要はありません。一方、換気システムがない場合は、部屋の扉を開放し、住宅内の空気を動きやすくしましょう。動きやすくなった空気は洗面所などの換気扇から積極的に排気しましょう。

point2:吸気口を全開にし、掃除をしておく
吸気口とは、天井や壁に設置されている、空気の取り込み口。ここが詰まったり、ふさがったりしていると、部屋の空気の流れが滞ってしまいますので、吸気口を全開にし、掃除をしておきましょう。

point3:結露対策グッズを活用する
窓に貼る断熱シートや、水滴を拭き取るのに便利なスクイージーなど結露対策グッズを上手に活用して、結露を防ぎましょう。

Q4.冬の部屋干しに最適な場所はどこ?

「結露を防ぎながら、しかも早く乾かしたい!」という、冬の部屋干しに最適な場所をお伝えします。

①「夜洗濯」なら、暖房している部屋
「夜洗濯」の場合は、リビングなど暖房をかけている部屋に干すのが正解。室温が高い部屋に干すことで、乾燥スピードが上がるので、部屋干し臭の発生も抑制できます。「アーチ干し」など効率的に乾かせる干し方も実践しましょう。

②「日中の部屋干し」なら、日の当たる部屋
日中、外出している間に部屋干しをする時には、いちばん日の当たる部屋を選びましょう。リビング、寝室など、家の間取りによっても最適な部屋は変わります。日差しがたっぷり入る部屋のほうが室温が上がりやすく、洗濯物も早く乾きます。

教えてくれたのは…お洗濯マイスター 大貫 和泉さん

お洗濯マイスター 大貫 和泉

お洗濯マイスター 大貫 和泉
(消費生活アドバイザー、繊維製品品質管理士 健康予防管理専門士)
プロフィール:
洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わってきました。母親としての経験と研究活動を融合し、日々のお洗濯に役立つ情報をわかりやすくお伝えしていきます。
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