女性が一生独身で生きていく場合のお金の問題について3回にわたりお届けしているるこの企画。前回はもし女性が一生独身で生きていくなら、老後30年間で1440万円〜3240万円が必要なことがわかりました。今回は将来のためのお金を準備するために、まず今の支出を減らす方法を考えます。
【1】住居費・保険料・通信費を見直して毎月の支出を減らす!
お金について考える時は、今だけでなく一生を通して考えることが大切。いつかは、ほとんどの人が年金収入だけになる時期がくるのですから、稼いでいる今は腹八分で暮らし、2〜3割で将来のために備えることが理想です。収入の2〜3割を貯蓄にまわすために支出を減らす方法としては、コンスタントに支出を減らし続けることができる固定費の見直しが効果的。特に住居費・保険料・通信費は家計の3大固定費と言われ、ここを減らすことができると大きいです。
まず住居費ですが、更新や引越しの予定がある人は家賃を減らす方法がないか検討してみて。以前よりリモートワークが増えているなら、都心から離れた場所にすれば家賃も抑えられそうです。URなどの物件で割安なものがないか探すのもお勧め。また、自治体によっては独身の人にも家賃補助を出している可能性もあるので探してみてもいいでしょう。持ち家ならローンの借り換えを検討したり、住宅ローンの金利の一部を補助してくれる自治体もあるのでチェックしてみて。
保険料は年払いにしてまとめて一括で払うと保険料の割引があることが多いのでお勧め。生命保険は一度、貯蓄と保障を切り分けて考えることが大切です。貯蓄のぶんは、今の保険料で将来の貯蓄がどれくらいになるかを一度計算して、続けるかどうかの検討を。保障のぶんは過剰な保障になっていないかチェックして、外せるものがないか検討してみましょう。
通信費は自分にあったプランになっているか要検討。住んでいるマンションにインターネットがついているのに、携帯電話のデータ量が大きいプランに入っているという人もいますし、定期的なチェックを心がけましょう。また最近は携帯のアプリや動画サービスなどのサブスク料がかさんでいる人も多いので、見直しの余地があるかもしれません。
【2】買物の際のルールを決めるのもお勧め
ムダな支出を減らすためには、洋服などの買物はとにかく即決しないこと。本当に買いたいものだけを買うために、「3回見ても欲しいと思ったら買う」など自分でルールを決めましょう。私自身も元々はお金が貯められなかった人間ですが、この方法はすごく効果があり、洋服代が7分の1に減りました。欲しいものを見つけてもまずは買わずに帰り、3回お店に足を運んで吟味するようにします。ネットショッピングもまずは一度「お気に入り」に入れて、寝ても覚めてもやっぱり欲しい!と思うものだけ買うことに。私はこの方法にして、「お気に入り」に20個入れたうち、買ったものは結局1個だけだったということもありました。
【3】「ラテマネー」を1年分で計算してみる
たとえば、毎朝、習慣的にコーヒーショップで買っているカフェラテ。仮に毎日1杯300円くらいだとしても、1年で計算すると10万円以上の出費に! 10万円のバッグなら買うかどうか一旦考えると思いますが、毎日の数百円の支出は払う時にわざわざ熟考しないですよね。だからこそ、「何も考えずに毎日買っている少額のものが、トータルで考えると大きな支出になっている」ということが起こりがち。自販機で飲み物を買うのをやめたら、お金が貯まるようになったという人もいます。雑貨をよく買う、コンビニで新作お菓子を買う、ATMの時間外手数料など「少額な支出で習慣になってしまっているもの」がある人は、1年分に換算するとどれくらいになるか一度計算してみましょう。計算してみてどう思うかが大切で「1杯のカフェラテのおかげですごく仕事に集中できる」なら必要なお金かもしれませんし、反対に「10万円あったら、その習慣をやめて他のものを買いたかった」と思うなら、やめたほうがいいかもしれません。
固定費などの支払いを1枚のカードに集約して年間5万円のポイント獲得も!?
固定費をはじめ、可能な限りの支出を還元率のよい1枚のカードに集約することで、実質の負担を軽減する方法もお勧めのテクニックです。たとえば月10万円の支出でも還元率2%のカードなら年間で2万4千円。数万円単位のポイントの取得は見逃せませんよね? 還元率のよいカードとしては「Visa LINE Payクレジットカード」の2%(’22年4月末まで)、「リクルートカード」の1.2%、「dカード」1%などがあります。楽天カードも基本は1%で楽天グループ内の使用であればさらに高還元率を狙えますが、公共料金の還元率は0.2%となっています。「三井住友カード ナンバーレス(NL)」は基本の還元率は0.5%ですが、コンビニとマクドナルドで所定の使い方をした場合の最大還元率が5%なので、コンビニをよく利用する人にはいいかもしれません。
お話をお聞きしたのは
風呂内亜矢さん ファイナンシャルプランナー
26歳の時、貯蓄80万円しか持たずマンションを衝動買いしたことをきっかけに1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®を取得。現在は株式、外貨預金、投資信託、不動産の家賃収入で資産を運用。テレビ、新聞、雑誌のほか『つみたてNISAの教科書』(ナツメ社)などの書籍や、vlogを交えたYouTubeチャンネル『FUROUCHI vlog』にてお金に関する情報を発信。
監修/風呂内亜矢 イラスト/二階堂ちはる 取材/加藤みれい 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)