こんにちは、編集長の今泉です。先日、久しぶりに立川談春さんの独演会を聴きに行きました。今年はなぜか地方の会が多く、10月になってやっと東京で開かれたのですが、江東文化センター、板橋区立文化会館、小金井 宮地楽器ホール、セシオン杉並…と会社帰りに行くには微妙に遠く、しかも18時半開演…。これはもう仕事をぶっちぎって行くしかないと覚悟を決め、編集部員からの“帰る間際に「ちょっといいですか」攻撃”を振り切って板橋区立文化会館に。
一席目は「おしくら」という噺。江戸っ子3人が滑稽な言動をしながら旅を続ける『三人旅』シリーズのひとつで、おしくらとは枕芸者のこと。どんな内容かというと…すいません、半分くらい気を失っていました。前の日、あんまり寝てないという言い訳もありますが、通常、独演会って前座としてお弟子さんが一席やるんです。それが絶好の居眠りタイムとして習慣づいてしまってるんですが、現在、談春さんには弟子が一人もおらず、この会もいきなりの登場。気持ちは起きていようとするのですが、体は素直に反応。また談春さんの軽妙な語り口が心地よくて…。さすが、日本で一番チケットが取れない落語家です。サゲの「灯明でもあげてくんな」(これもうろ覚え)を聞いてもさっぱり意味が分からず、後日ネットで確認しました。
さて、仲入りをはさんで、マクラで談志師匠の思い出を語り始めました。師匠が亡くなったのは東日本大震災があった5年前。その震災後の岩手に、談春さんが落語をしに行ったときのことを話したのですが、これまた落語になりそうなとてもいい話で、思わずジーンときたところに、二席目の「人情八百屋」。
さすがに、このときはバッチリ起きてましたよ。
いい人すぎる八百屋さんが、貧乏な親子を助けたばっかりに、その両親は心中、子供たちだけが残されてしまうのですが、最終的にその子たちの面倒を見るという人情噺です。マクラの内容とあいまって、もう嗚咽をこらえるので精一杯。変な声が漏れ出ないようアゴに力を入れっぱなしでした。
こんな素晴らしい芸能をたった数千円で味わえるなんて、落語って本当にいいものです。談春さんの独演会はあと年内2回行く予定なので、その時も編集部員の“ちょっといいですか攻撃”を振り切って聴きに行きたいと思います。
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