「いつか子供が欲しいかも」と漠然と思っているけれど、「いつか」はまだわからない。そんな私にとって「卵子凍結保存」はひとつの選択肢なのかも?卵子の凍結保存の現状やメリット、経験者の話など、多角的に調べてみました。
卵子凍結で可能になること、懸念されること
卵子凍結が何のためのものかわかったら、現状考えられるプラス面とマイナス面の比較を。メリットとリスクを知ることは、自分の未来を守ることに繋がります。
卵子凍結のプラス面
1.加齢に伴う卵子の劣化を防ぐ
体外受精においても、34歳までなら出産率は20%、39歳になると10%に低下するというデータが。凍結中の卵子の時間は止まり、老化も進まないので、卵子凍結した年齢の妊娠率と流産率、染色体のエラー発症率を維持することができる。
2.キャリアを中断しなくて済む
社会性不妊の要因のひとつとなっているのが、キャリア育成期と女性の産みどきのかぶり問題。出産に適した年齢の卵子を保管しておくことで、ハイパフォーマンス期を避けて妊娠出産の計画を立てることが可能に。
卵子凍結のマイナス面
1.初期費用、保管料ともに高額
検査と診察、卵子誘発剤などの処方、採卵手術など、採卵までにかかる費用が約50万~80万円。加えて保管費用として、卵子1個につき年間約1万~2万円が必要に。妊娠までに数百万円以上かかる40代の不妊治療よりは負担は少ないが、まだまだ高額なのが現状。
2.将来の妊娠を保証するものではない
卵子凍結において理解しておかないといけないのが、採取した卵子で必ず妊娠できるわけではないということ。卵子の状態によっては受精ができなかったり、受精できても着床ができない場合も。また、妊活は男性パートナーの年齢、すなわち精子老化にも考慮が必要。
教えてくれたのは…
「プリンセスバンク」代表・香川則子さん
公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部文理融合型先端医科学研究所研究員、元順天堂大学産婦人科協力研究員。女性の人生づくりを複合的にサポートするプリンセスバンク株式会社を設立。著書に『私、いつまで産めますか?~卵子のプロと考えるウミドキと凍結保存~』(WAVE出版)が。
イラスト/今井久恵 デザイン/副島かおる 取材/高橋沙織 再構成/Bravoworks.Inc
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