初のエッセイ集『THE やんごとなき雑談』(KADOKAWA)』が発売日に重版が決定し、映画、ドラマのみならずさらに活躍の場を広げている中村倫也さん。初の著書出版を記念して2回にわたりCLASSY.ONLINEでオリジナルインタビューをお届けしています。後編では、ミステリアスな印象の中村さんのプライベートな側面に迫ります!
「自分で勝手に合格点を決めない」ようにしています
-役に合わせた変幻自在なイメージで“カメレオン俳優”とも評される中村さん。著書には“ブレイク後には呼吸ができなくなりそうになったことがあった”という意外な話が書かれていました。今も落ち込むことや凹むことはありますか?
「今はなくなりましたね。それもどうかなと思うんですけど、ちょっとやそっとじゃ浮かれたりも凹んだりもしなくなってきた。常にメンタルのバランスを一定に保つコントロールができるようになってます。常にフラットでいることがいいかどうかはわからないんですけどね。いろんな機微があったほうが役者はいいと思うんですけど、仕事となったらいろいろやるので普段はフラットでもいいのかなって」
-仕事で「失敗したな」と思った時はどう克服しますか?
「気にしない。その日のうちに忘れるというか、気にしないようにします。準備不足での失敗は反省しますけど、この歳になると必要な準備はわかってきているので、準備不足ってこともそうはないですし。その場で起きたハプニング的なことに関しては、同じ状況がまたくることもあり得ないので『クヨクヨしてても、しゃあねぇな』って思うことが増えてきました。あと、自分で勝手に合格点を決めないようになりましたね。こういう仕事だからってこともあるんですけど、監督が『OK』ってうなずいて満足そうにしてればいいかなって。完璧主義はやめてますね。自分で決めた合格点なんてタカが知れてるなって思うし、同時に自分のケツは自分でしか叩けないとも思うので、やることやって失敗したらしょうがない。やることをやる必要性はすごく感じてますけど」
-“おひとりさま”の休日の過ごし方も書かれています。理想の休日の過ごし方は?。
「本当に“理想”ですけど、朝からゴルフに行って昼過ぎに帰ってきて風呂入って、ちょっと仮眠してゴルフ仲間と飲みに行って、ゴルフの時に撮ってた動画をみんなで観ながらワイワイガヤガヤやって、夜の11時前には帰ってまた風呂入ってマンガ読んだりダラダラして寝る。理想ですね。いつになればできますかね~」
-海外へは仕事でしか行ったことがなく、コロナ禍前には海外旅行に行こうと考えていたとか。プライベートで海外に行くなら、どこに行って何をしたいですか?
「ハワイに行ったことないんですよ。行きたいですね。日本語でもいられるだろうって目論見もありながら。海のキレイなところに行きたいので、南国がいいですかね。何をしたいかってことだと、史跡とか遺跡を見たいけれど治安が心配なところが多いですし、動物も好きなんですが動物が多いところはサバイバルになってきちゃうし、プライベートでは軽はずみに行けない。安全なところじゃないと、いろいろと怖い想像が広がっちゃうんです」
-この本では中村さんのいろんな面が知ることができますが、「お化けなんていない」と思っているのは実は怖いからだそう。お化け以外で怖いものは?
「大人に怒られること。怒られるのはしんどいですよね。そうそう無くなってきたけど、怒られないために頑張ってきてますし(笑)。怒ってくれる人がいるというのはありがたいことでもあるんですけど。恥ずかしいですよね、大人になって怒られるのって」
中村倫也
‘86年12月24日生まれ 東京都出身 血液型A型●’05年、俳優デビュー。’14年『ヒストリーボーイズ』で舞台初主演し、第22回読売演劇大賞優秀男優賞受賞。’18年NHK連続テレビ小説『半分、青い。』に出演、人気を博す。最近の主な出演作はドラマ『凪のお暇』『美食探偵 明智五郎』『この恋あたためますか』、映画『水曜日が消えた』『人数の町』など。主演ドラマ『珈琲いかがでしょう』(テレビ東京系)が放送中。映画『ファーストラブ』『騙し絵の牙』が公開中、『100日間生きたワニ』(声の出演)が5月28日(金)公開。
中村倫也さん初の著書が発売中!
「THEやんごとなき雑談」
雑誌『ダ・ヴィンチ』で2年間にわたり連載されたエッセイ『中村倫也のやんごとなき雑談』に、書き下ろしを加えた初のエッセイ集。つかみどころのない俳優・中村倫也が、こじれた自意識を爆発させた“中村哲学”が満載。挿絵や表紙のイラスト、タイトルロゴも中村さん作。本人のアイデアから生まれたというカバー裏の恥ずかしい仕掛けも必見。書籍製作の舞台裏を追ったドキュメント動画をYoutubeチャンネル「ダ・ヴィンチ放送部」で公開中。
撮影/イマキイレカオリ 取材・文/駿河良美 構成/中畑有理(CLASSY.編集部)