新型コロナウイルスをいち早く抑え込み世界中から賞賛を集めた台湾。距離も雰囲気も日本に近いからか、中国のキレッキレなイケメンに比べて親しみを感じやすいほっこり系イケメンが多い様子。「国民的彼氏」からBLドラマで人気に火が付いた若手俳優まで、4人の台湾イケメンに注目してみました。
辛酸なめ子のおうちで楽しむ台湾イケメン4選
日本から近い台湾には、日本人にとっても自然に心の隙間に入ってくるイケメンの逸材が多数いらっしゃいます。薄めの塩顔のイケメンから、台湾先住民族系のくっきりした顔立ちのイケメンまで、タイプが違っていて乙女心のニーズを満たしてくれます。編集部のセレクションに加え、台湾在住歴があるゲイの友人の意見も聞きつつ、4人ピックアップさせていただきました。
「国民的彼氏」的存在 ジャスパー・リュウ
劉以豪 ジャスパー・リュウ
台湾の「国民的彼氏」とも言われるジャスパー・リュウ。4年程前はハートウォーミングな笑顔が魅力なことから「ぽかぽか男子」と呼ばれていたそうです。そんな微妙な時代がありながらも、34歳になった今も彼の魅力は変わりません。可愛いさと素朴さと、目に少しのエロさが宿っているのが素敵です。2019年の12月に公開されNetflixで配信されている「恋するマフィア娘(原題:極道千金)」(台湾でも極道と言うんですね……)では、マフィアの娘と恋に落ちるスターの役を演じています。モコモコした部屋着(しっぽ付き)で食パンを食べたり、部屋でゲームしたり、国民の仮想彼氏的な姿にときめきます。彼の笑顔の、深く刻まれたえくぼがチャームポイントだと気づかされました。
ジャスパー・リュウは歌手としても活動していて、歌唱力も高いです。「U」という曲のMVを見ると「私はあなたの笑顔を待っています♪」と歌いながら、豪邸の掃除をする姿に好感度が高まります。しかも最後に家に招き入れたのは人間の女ではなく犬!! どこまでも「国民の彼氏」としてファンを裏切りません。
元プロ野球選手ならではの肉体美 ツァオ・ヨウニン
曹佑寧 ツァオ・ヨウニン
俳優としてデビューする前は、プロ野球選手だったという異色のイケメン、ツァオ・ヨウニン。『KANO~1931海の向こうの甲子園』(2014年)という、日本統治時代の台湾の学校が甲子園に出場する、というストーリーの映画に出演し、台北映画祭で助演男優賞を受賞。野球シーンではエースピッチャー役で、鋭い変化球を投げてプロフェッショナルな身体能力を見せつけました。球児役の時は日焼けしていて精悍さが極まっていたツァオ・ヨウニン。薄すぎず、濃すぎない絶妙なバランスの顔立ちで、切れ長な目が美しいです。
ツァオ・ヨウニンは歌も歌っています。歌唱力はふつうですが、声がイケメンボイス。優しくてまっすぐな人柄が伝わります。野球で鍛えた細マッチョな肉体も魅力で、名前を検索すると関連ワードに「曹佑寧 肌肉」(筋肉という意味)と出てきます。野球映画のワンシーンの、半裸で投球をするポーズからフェロモンがほとばしっていました。最近のインスタグラムにさり気なく映っていた腕のタトゥーも気になり、ただの好青年ではない奥深さを感じます。
先住民族の血をひく俳優&歌手 ジャム・シャオ
蕭 敬騰 ジャム・シャオ
台湾のイケメンはシュッとした塩顔系が多い印象ですが、台湾原住民の血を引く濃いめのイケメンもいらっしゃいます。最も人数が多いアミ族は、身長が高く目鼻立ちがはっきりしている人が多いようです。アミ族と漢民族のハーフの有名な歌手がジャム・シャオ。眉が太くきりっとした中にも優しさが漂う顔立ちです。歌唱力はかなり実力派で、高音から低音まで表現力豊かに歌い上げます。
13歳年上の46歳の女性マネージャーとの交際を報じられましたが、本人は否定。年上として一瞬希望を抱きかけましたが……。インスタグラムを見ると「Today is Gucci day~~」というコメントとともにグッチ店内で大量の紙袋や箱を持っている写真があり、とにかく羽振りは良いようです。見た目の迫力とともに圧倒されるイケメンです。
顔面最強で人気急上昇中 フェンディ・ファン
フェンディ・ファン 范少勳
2019年に同性婚が合法化した台湾でもBLブームが起こっていました。2017年にスタートした「HIStory」シリーズが人気で、中でも『HIStory2越界~君にアタック!』(2019年)が激アツです。バレー部での先輩と後輩の関係を描いた青春ストーリー。クールなメガネ男子のバレー部キャプテン、ツーシェンと、体力を買われて部にスカウトされたマッチョな後輩、ユーハオ。ユーハオは次第に先輩に惹かれていきます。そのユーハオ役のフェンディ・ファンがとにかく顔面最強です。相手役のザック・ルーともどもアラサー(フェンディ・ファンは当時25歳)で高校生役を自然に演じられる肌の美しさとピュアな瞳に驚き。でも実際の高校生ではない年齢なりの経験値が、キスシーンのうまさに表れていました。
足を痛めた先輩を後輩がマッサージでケアしたり、一緒に合宿に行ったり、勉強を教えてもらったりして距離を縮める2人。それで最終回の4話になってバレーボールのルールを先輩から教えてもらうって今までいったい何をやっていたのでしょう……。たぶん先輩との恋愛妄想にふけっていたのだと思われます。あとは時々、脚の古傷が痛む先輩を頻繁にマッサージしていました。画面ごしに部室にうずまく男性フェロモンが匂い立ちます。
フェンディ・ファンは、アジアのイケメンの顔を平均化したらこんな感じなのでは?と思わせる正統派イケメン。「2gether」のブライトが好きな人は、彼のルックスもタイプかもしれません。2018年当時の中国のサイトに「《越界》CP 戲外甜蜜擁女友」と妄想を刺激する字面の見出しが。「ガールフレンドみたいな戯れ」という意味でしょうか。フェンディ・ファンがザック・ルーにバックハグされる写真に萌えました。アジアBLにハマると各国の語学の勉強にもなります。
台湾は人口比率的に若い世代が多く、中年の国になりつつある日本から見ると勢いを感じます。政府のスピーディな対策によって早くに新型コロナウイルスの流行を抑えることに成功しています。台湾の未来は明るい、そんな希望を潜在意識で抱いているからか、台湾イケメンは自然と口角が上がっている人が多いように見えます。幸福感や、夢や希望が現れている彼らのルックスに、ポジティブなエネルギーをわけてもらえるかもしれません。写真を見ているだけで気持ちが明るくなってきます。
辛酸なめ子
イケメンや海外セレブから政治ネタ、スピリチュアル系まで、幅広いジャンルについてのユニークな批評とイラストが支持を集め、著書も多数。近著は「スピリチュアル系のトリセツ」(平凡社)、「辛酸なめ子の世界恋愛文学全集」(祥伝社文庫)、「女子校礼賛」(中公新書ラクレ)など。
撮影(辛酸さん)/村山元一(SIGNO) 構成/CLASSY.編集部