STAY HOMEで住空間の大切さを実感したり、仕事・結婚・お金など自分の将来に不安を感じたり…。今こそ「マンション購入」について本気で考えてみるタイミングなのかもしれません。納得のいくマンションを見つけるために 物件選びのポイントをしっかりチェック。マンション選びは「自分らしい豊かな暮らしが実現できるか」という視点がとても大切。納得のいく物件選びのための大切なポイントを学びましょう。
物件選びは「3つのP」をベースに考える
まずは物件の価格「Price」をチェック。頭金や毎月返済額など自分の予算を決めた上で、優先順位の高い条件から予算の器に入れていきます。予算内で物件が見つからなければ、エリアを広げる、駅から遠ざかる、狭くする、など条件を下げて価格を抑えます。高額でも利便性や売却時を優先するのか、エリアを変えて価格を下げ、生活にゆとりを持つのかなど、将来設計をしっかり考えてください。住宅ローンを返済しながら将来のための貯金ができるような無理のない範囲で資金計画を。
次のポイントは「Place」。駅からの距離や周辺環境などの「立地」、バスや電車などの交通やスーパーやコンビニ、銀行などの「利便性」、公園が近くにあって緑があり静かなのか、商店街が近くて賑やかなのかといった「住環境」などの視点で自分の希望を整理したうえで優先順位 を決めていきましょう。他にもカフェ、病院、行政施設など、マンションを中心に同心円を描いてみて、自分の暮らしを豊かにしてくれる施設があるかチェックしてみて。
自分の住戸のチェックに加え、建物自体、共用施設、管理体制というマンション全体の「Plan」を確認。独身女性の場合、同じようなライフスタイルの人が多いので気兼ねがない半面、部屋が賃貸に出されることが多く住人の入れ替わりが多いコンパクトタイプにするか、日中も人がいて安全度が高い一方、夜の帰宅時に音などへの配慮が必要なファミリータイプのどちらにするかもポイント。趣味、家にいる時間、ペットの有無などで住空間のこだわりも見えてくるはず。
「何のために」マンションを買うのか?目的をはっきりさせて
物件選びをする際に最も大切なのは自分を知ること。自分がマンションを買う動機や目的を明確にします。そして転職、結婚などの可能性や、自分の10年後、20年後、30年後、さらに退職後の働き方やライフスタイルを含めて購入後の長期的な道筋を何パターンか想定。そのうえでそこに何年住むか、またはずっと住み続けるのかと、マンションの年齢(築年数)も考慮に入れて物件を選択しましょう。
また、女性の物件探しで重視したいのがセキュリテイと治安。オートロックか、防犯カメラはあるか、管理人さんが常駐しているか、駅とマンションの間の道は夜間も安全か、交番やコンビニなどいざという時に逃げ込める場所があるかは必ずチェックを。
新築、中古、それぞれのメリット・デメリットをチェック
築年数が古い物件は同じ予算でも新築、築浅より広い部屋を購入できる可能性が高いのが魅力。ヴィンテージマンションと呼ばれる人気の物件 は築30年以上でもブランド力があり、資産価値を保っています。ただ、リノベーション済みでも配管が古かったり、配管の位置等によって間取り変更の自由度が制限されることも。1981年6月以降に建築確認を受けたマンションは新耐震基準となりますが、それ以前の物件は耐震補 強工事を行っているかを確認して。
中古マンションの価格は相場でもまれるため適正価格となる一方、需要と供給の関係で希少な物件は新築並みの価格になることも。築6~10年くらいの築浅物件はリフォームも軽微で済み、購入前に管理の状態やコミュニティをチェックできるのがメリットに。一方、すでにあるコミ ュニティに新入りとして参加することに抵抗のあるシングル女子もいるかもしれません。新築であることよりも、「このエリアに住みたい!」 というこだわりのある人向きといえそう。
魅力は当然、新しいこと。最新の設備が装備されているので特に水回りの差は中古とは歴然で使いやすくなっています。もとの土地の状態や建設の過程を見ることができる、コミュニティを一から形成できるのも新築ならでは。相場ではなく売主が価格を設定するため、価格は割高になる傾向が。建設中だと実際の部屋を見ることができないので、日当たりや眺望はモデルルームでしっかりとチェックを。(新築=築1年未満の未入居物件)
お話を伺ったのは…
ファイナンシャル・プランナー 宅地建物取引士の大石 泉さん
㈱リクルートの住宅情報事業部を経てファイナンシャル・プランナーとして独立。「All About」ではシングルのためのマンション購入ガイドとして記事を執筆。マネー、キャリア、ライフプランの講座、研修でも活躍。自身も新築、中古マンション購入、売却の経験あり。
マンガ/菜々子 取材/加藤みれい