映画『キングダム』で演じた嬴政の高貴な美しさや色気、朝ドラ『なつぞら』の天陽のしさや切なさ、さらに来年のNHK大河ドラマでは主演を担い、ますます目が離せない吉沢亮さん。話題の映画『青くて痛くて脆い』では杉咲花さんとW主演。クールな吉沢さんの“美しくて優しくて色っぽい„魅力にクローズアップします。
吉沢亮といえば──美しい
Q3.共演者の方からも「優しくて穏やか」と言われる吉沢さん。自分ではどんな性格だと思う?
人見知りでマイペース。生活リズムというか、自分が今やりたいことや次にやりたいことをちょっとしたことで崩されるのがすごく嫌です。嫌だなと思ったら断りますね。人にこうしろって言われることが、すごく面白かったり自分がやりたいことより上回ってるならいいんだけど、基本的には嫌だな~(苦笑)。周りからは「落ち着いてる」ってよく言われます。基本的に静かにしてますから。仕事以外ではテンションがガーッと上がることもないし、常にフラットな感じです。もともと感情の起伏が少ないほうで何かにすごく感動することもないかな。テンションが上がって大きな声が出るのは、音や虫にビックリした時だけ(笑)。昔から虫は嫌いです。ジャケット¥239,000 パンツ¥108,000 ニット¥136,000 靴¥105,000(すべてバレンシアガ/バレンシアガ クライアントサービス)
Q4.長所と短所は?
短所は動きが遅い。いろんなことに対して、結構のろい。長所は、気持ちの切り替えが早いほうだと思います。
Q5.人に対する接し方で心がけていることは?
人が傷つくようなことは言わないってことを考えて生きてます。でもそれも難しいなと最近は思います。ちょっとしたこととか、自分はギャグのつもりで言ったことでも人を傷つけてしまうこともあるので、難しいですね。
吉沢亮といえば──色っぽい
Q6.男の色気ってどんなことだと思う?
色気と呼べるものはいっぱいありますよね。僕は男くさい色気に憧れるけれど、男くささが色気になる人もいるし、クールな感じが色っぽい人もいるし、その人に見合った魅力があるかどうかだと思います。僕が色っぽいんだとしたら、スキがありそうだからじゃないかな(笑)。
Q7.吉沢さんから見ても色っぽいと思う男性は?
今回の映画で共演した柄本佑さんは、めちゃくちゃエロいなと思います。お芝居してる時の顔がすごく魅力的。人がまったく変わるんですよ。野性味があってカッコいいです
Q8.女性のどんなところに色気を感じる?
いろいろありますけど、生活感じゃないかな。普段は感じさせないのに、二人で会ってる時、垣間見えるような生活感がエロいなって思います。それもスキが見えるってことなのかな。
Q9.女性のどんなところにキュンとする?
難しいな。最近、キュンキュンしてないから(笑)。恥ずかしそうにしてる姿には普通にキュンとします。何か恥ずかしいことがあった時、恥ずかしがりながらも自分でゲラゲラ笑ってるところを見るとキュンとしますね。
初めて見る吉沢亮に出会える
─映画『青くて痛くて脆い』について
僕が演じた田端楓は、コミュニケーションが苦手で他人と距離を置いている大学生。闇を抱え、身勝手に屈折している。端から見ればウザいし気持ち悪いし、観た人には嫌われそうな役ですが、演じていてとても楽しかったです。少し前までは明るくて三枚目な役が続いていてなぜだろうと疑問に思ってたんだけど、最近は闇を抱えた役が増えてきて、やっと自分の人間性みたいなものが世の中に見えるようになってきたのかなって(笑)。それを喜んでいいのかどうかわからないけど(苦笑)。楓のような気持ち悪さって表に出すと嫌われるけど、芝居なら何でもできる。闇を抱えた役はある意味、自分を解放している感じもして楽しいです。とはいえ(杉咲)花ちゃんが演じる秋好寿乃に、面と向かって「気持ち悪い!」って言われた時はマジで悲しかったです。そのシーンを撮影してる時は緊張感もあって花ちゃんとは一言も話してないし、あの演技力ですからグサグサ刺さりました。「本当にそう思ってるのかな、俺のこと嫌ってないよな」って、撮影の合間も花ちゃんの顔色をうかがってましたが、シーンが終われば普通に仲良くなれたので安心しました(笑)。花ちゃんが演じたことで秋好の魅力が増した気がします。台本を読んでる段階ではイタいコだなって印象が強かったけど(苦笑)、彼女が演じることで言葉に真実味が感じられたし、信念をもって一生懸命に生きている生命力やパワーを感じられて、すごく魅力的な女性になったと思いました。
秋好が掲げた「なりたい自分になる」というテーマも、観る人には刺さる言葉だと思います。僕自身、昔は人見知りなのに目立ちたくてうずうずしていて「将来は目立つことがしたい、普通の仕事は嫌だ」と思っていました。そういう意味では今、なりたかった自分になれてるのかな。でも、漠然と大きなことがしたかっただけで、それが芝居ってわけではなかったんです。母親に勧められたオーディションがきっかけで、事務所に入って芝居のレッスンを始めて。最初は嫌だったけど、やってるうちに楽しくなってだんだん本気になりました。今は、何十年先も役者がやれていて、ごはんが食べていけたらいいなって思うくらいかな。
この作品ではネット社会の誹謗中傷など現代の問題にも触れているし、今の時代に生きている人が感じることはいっぱいあると思います。今作を観て楓を嫌う人も多いかもしれないけど、たぶん誰のなかにも楓みたいな感情は存在すると思うから、ただウザいと思うだけでなく自分自身に当てはめてみても面白いんじゃないかな。
Ryo Yoshizawa
作家・住野よるのベストセラー小説の映画化。大切な仲間と居場所を奪われた大学生の青年が、嘘と悪意にまみれながら復讐していく、青春の青さと痛さと脆さを描いた青春サスペンス。人付き合いが苦手な主人公・田端楓を吉沢亮、理想を目指すあまり周囲から浮いているヒロイン・秋好寿乃を杉咲花が演じる。ほかの出演/岡山天音 松本穂香 光石研 柄本佑ほか 監督/狩山俊輔 原作/住野よる ●8月28日(金)公開
’94年2月1日生まれ 東京都出身 血液型 B型●’09年より活動開始。
’11年『仮面ライダーフォーゼ』で注目を集める。最近の主な出演作はNHK連続テレビ小説『なつぞら』、映画『リバーズ・エッジ』、第43回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞した『キングダム』など。来年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』では主演の渋沢栄一役を演じる。
撮影/曽根将樹(PEACE MONKEY) ヘアメーク/西岡達也(leinwand) スタイリング/九(Yolken) 取材・文/駿河良美 撮影協力/EASE