料理上手になりたいけれど、腕前をすぐに上げるのは難しいもの。いつもの素材でいつも以上の味に仕上げるコツは調味料でした。塩や胡椒、油などの基本アイテムからあまり馴染みのないものまで、和・中・仏・伊の人気シェフたちが推す調味料を教えていただきました。
おうちご飯が変わるプロが選んだ「おすすめの調味料」
和食のシェフ 酒井商会/創和堂・酒井英彰さん
【左】塩魚汁(仙葉善治商店)
ハタハタを原料とする、秋田で古くから根付く魚醤の一種。「まさに和のナンプラー。塩で炒めていたものをしょっつるに替えるだけで、旨みとコクが出ます。ナンプラーよりクセがなく使いやすいと思います」360㎖ ¥800(銘店おばこ)
【中央左】太白胡麻油(マルホン)
昔ながらの圧搾製法にこだわったごま油。ごまを煎らずに生搾りした太白胡麻油はごま特有の香りがなく、普段の料理はもちろんお菓子作りにも使えます。「素材の味を生かす和食には特におすすめです」450g ¥896[税込み](竹本油脂)
【中央右】煎り酒(茅乃舎)
煮切り酒に梅酢と出汁を加えた、江戸時代から伝わる万能調味料。醤油普及前、代わりに使われていたもの。「お店では、刺身に自家製煎り酒を添えています。茅乃舎のものはバランスよく、旨みと酸味がちょうどよいのでそのまま和え物にも使えます」300㎖ ¥900(久原本家)
【右】ゴールデン紫あまくち(フンドーキン醬油)
文久元年に醤油・味噌の製造会社として創業、九州を代表する老舗の醤油。「九州出身の自分には馴染みある甘い醤油。現地では刺身用に使われることもありますが、お好みでわさびを加えて、焼いた肉に合わせるのがおすすめです」1ℓ ¥405(フンドーキン醬油)
紹介した調味料を使って絶品料理を作るなら…
「鶏とアスパラのしょっつるバター炒め」
しょっつるならではの旨みが味わいに奥行きを与えます
創和堂で「つぶ貝とアスパラのしょっつるバター炒め」として供される一品を、手軽な鶏肉Ver.にアレンジ。ご飯が進むことはもちろん、お酒にも合う味わいです。しょっつるだれはさまざまな炒め物に使えます。
[鶏とアスパラのしょっつるバター炒め]
【材料】(1人分)
鶏もも肉……60g
アスパラガス……50g
戻した干し椎茸(生椎茸でも可)……30g
しょっつるだれ……50g
サラダ油……5g
無塩バター……5g
黒胡椒……少々
【しょっつるだれ(作りやすい分量)】
酒……100g
薄口醤油……50g
しょっつる……25g
みりん……25g
【レシピ】
1.鶏肉は一口大に切る。アスパラガスは4㎝長さに切る。椎茸は軸を取って半分に切る。
2.フライパンにサラダ油とバターを入れて中火にかけ、鶏肉を皮目から加えて8割ほど火が通るまで炒める。
3.アスパラガスと椎茸を加えて炒め、しんなりしてきたらしょっつるだれを加えて全体を炒め合わせる。
4.器に盛り、お好みでバター(分量外)をのせて黒胡椒をふる。
\和食のシェフ/
酒井商会・創和堂 酒井英彰さん
渋谷で絶大な人気を誇る「並木橋なかむら」を経て2018年に独立、「酒井商会」をオープン。今年7月には恵比寿に姉妹店「創和堂」を構え、バーコーナーを併設した新たな展開が早くも話題に。
撮影/市原慶子、土居麻紀子 取材/首藤奈穂