1年前に引っ越しをしたスタイリストの乾さん。以前の部屋よりも収納が少なくなったため、大幅な整理を決行したそう。 その結果出来上がったのは、手元にあるものが見渡せる、好きなものだけが集約された、納得のワードローブ。好きなものがさらに明確になり、オシャレがよりクリアになった、という乾さんに、取捨選択の極意について教えてもらいます。
乾さんが教える「捨てる服」4タイプ
捨てる服 ❶ 流行が変わってしまったもの
エルメスのケリー、シャネルのマトラッセなど、いくつかの例外を除いては、ファッションにおいて永遠なんてない、というのが私の持論。股上の浅いパンツやミニ丈のスカートなど、もうトレンドじゃないアイテムを、高価だったから、もったいないから、という理由で取っておく必要はありません。
捨てる服 ❷ なんとなく買ったプチプラ服
何か買いたい…と気軽な気持ちで手を出すプチプラ服。思いのほか活躍してくれたりするのですが、これらの服が気分を上げてくれることはほとんどないのが現実。そんなアイテムがワードローブに居座っているのは悲しいから服を整理しよう、と思い立ったときには真っ先に手にとってしまいますね。
捨てる服 ❸ あると着てしまう気に入ってない服
つい手にとってしまうけれど、着ていてもしっくりこない服、ありませんか?いいな、と手に入れた服でも、実際に着てみるとなんだか落ち着かなかったり、自分らしくなかったり…理由はいろいろ。あると着てしまうけれど納得していないなら、視界からなくしてみる。手放してしまえば着ることもなくなるから、失敗もありません。
捨てる服 ❹ 世の中で便利と 言われている服
黒ニット、ベーシックT、etc.一般的に、便利な服、と言われているものは、合わせやすくて着回しのききやすい都合のいい服のことみたい。でも、それでオシャレに見える?気分が上がる?答えはきっと、NO。あれにもこれにも似合うはず、という服は、必ずしも満足する着こなしへのキーアイテムではないから、迷ったらためらわず処分します。
乾さんが教える「整理の心得」3つ
整理のコツ ❶ 捨てても視界に入らなければ思い出さない
普段から、何かを手に入れたら、何かを手放す、というのが私の決め事。引っ越しのタイミングでは大幅に整理しましたが、大袈裟なことをするとその反動がやってくる可能性も高いので、片付けを習慣づけたり、いらないワードローブを整理したりするのが基本。もちろん、捨てなきゃよかったな、と思うものもあります。でも、視界から消えれば、思い出すことも少なくなる。それでも欲しければ、また買い直せばいい。その瞬間瞬間に必要と感じるものだけで十分なんじゃないかな、と思います。
整理のコツ ❷「所有欲を満たすため」だけに買うのはやめよう
服を買うときに、自分に好都合な言い訳をしていませんか?セールになっていたから、なかなか手に入らないものが売っていたから、すごく欲しいわけでもないけれど、こんな感じのが欲しかったから…そんなふうに、とりあえず買っておく?の積み重ねでは、お気に入りのワードローブは完成しないんですよね。私のワードローブにも、一定数そんな服があったときもありましたが、今は整理してすっきり。クローゼットには限りがあるし、気に入っていない服のために場所を使うほうがもったいない!
整理のコツ ❸ 1パターン気に入った組合せがあれば着回せなくてもいい
今回、取材を受けて気づいたことがコレ。私にとって便利な服は、合わせやすい服でも着回しが利く服でも、シーンを選ばない服でもないということ。ひとつでも好きな着こなしをつくれれば、それで十分。ちょっと大げさだけど本音です。だからといって、別にベーシックなものが嫌いというわけではないし、意外と地味なものも着ています(笑)。もちろん、たくさん服を持っているから言えることかもしれないですが、コーディネートがひとつ完成すれば、それでよくないですか?と思っています。
教えてくれたのはスタイリスト・乾千恵さん
スタイリスト・乾千恵さん
CLASSY.をはじめとする数々の女性誌で活躍。スタイルよく見えるフェミニンコーデに定評が。リアルに着られてドラマティックと人気を集める。
撮影/魚地武大(TENT) スタイリング/乾 千恵 デザイン/平岡規子(team. nrp) 取材/西道倫子
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