カルティエの「トリニティ」リングのクラシックモデルとクッションシェイプが並んでいる様子。
Antoine Pividori © Cartier

CLASSY.世代にとってブランドを象徴する名品ジュエリーは、いつかは手に入れたい憧れの存在。人生の節目に「とっておきの逸品を自分自身へ贈りたい」という人も多いはず。そこでこの連載では、これから“初めて自分でファインジュエリーを購入する”人へ向けて、アイコンジュエリーの誕生の歴史やデザインの特徴など、その魅力をガイド! 人生の相棒となる、自分らしいプレシャスピースを見つけて。

第2回は……カルティエを代表するアイコン、「トリニティ」の魅力に迫ります!

いま改めて知りたい、「トリニティ」の歴史

カルティエの「トリニティ」コレクション。左から、ブレスレット、ライター、リング、イヤリングが並んでいる様子。
© Cartier

1924年に、カルティエの3代目当主ルイ・カルティエが生み出した、「トリニティ」。プラチナ、イエローゴールド、ピンクゴールドの3つの環がなめらかに絡み合うミニマルなデザインは、当時主流だった宝石を贅沢にあしらったジュエリーの常識を覆し、大きな衝撃を与えました。同年にはブレスレットも発表され、その革新性ですぐさま人気を獲得します。

カルティエの「トリニティ」リング。
Marian Gérard, Collection Cartier © Cartier

その後も進化を重ね、素材やカラーのバリエーションを拡充。現在はホワイトゴールド、イエローゴールド、ピンクゴールドの3種の素材を用いたモデルが定番となり、誕生から100年以上経ったいまもなお、不朽の名作として支持されています。

後に「トリニティ」と呼ばれるようになった3連リング。1924年の誕生当時の様子。
Archives Cartier Paris © Cartier

そんな「トリニティ」が映し出すのは、カルティエにとって特別な“3”という数字のストーリー。創業者ルイ・フランソワ・カルティエの孫であり、世界的な成功を牽引したルイ、ピエール、ジャックの3兄弟。そしてメゾンの発展を支えてきた、パリ、ロンドン、ニューヨークの3都市のブティック。カルティエにとってかけがえのない、このナンバー“3”を体現する存在こそが「トリニティ」であり、「トリニティ」=メゾンの歴史の象徴、といっても過言ではないのです。

「トリニティ」リングを小指に2本重ねづけしていたジャン・コクトー。 
「トリニティ」リングを小指に2本重ねづけしていたジャン・コクトー。 © Boris Lipnitzki / Roger-Viollet

さらに「トリニティ」は、歴史に名を刻む数多くの著名人に選ばれてきたことでも有名。フランスの芸術家ジャン・コクトーが小指に「トリニティ」リングを重ねづけしていたほか、俳優のゲイリー・クーパーやアラン・ドロン、女優のロミー・シュナイダー、そしてモナコ公妃グレース・ケリーも愛用していました。

解釈は自由に。人生に寄り添う「トリニティ」

カルティエの広告。「トリニティ」などアイコニックなアイテムが並んでいる。
Les Ateliers ABC © Cartier

愛情・友情・忠誠を表す3色のゴールドが絶妙に絡み合う「トリニティ」。その意味は一つの解釈にとどまらず、身につける人の人生や気持ちに合わせて変化します。あるときは大切な人との絆を託すシンボルとして、またあるときは自分を奮い立たせるお守りとして――いつもそっと寄り添ってくれる存在に。

カルティエの「トリニティ」ブレスレット。
Katel Riou © Cartier

デザインもまた特別。外側はやわらかに丸みを帯び、内側は指にすっとなじむよう計算され、3本の環がなめらかに重なり合います。そして、この環には「上下」も「主役」もありません。絶えず入れ替わりながら響き合うその姿は、まるで永遠に続く関係性のよう。ふとした瞬間に、自分の中にある大切な想いや繋がりを思い出させてくれる――そんな詩的な魅力を秘めています。

革新し続ける「トリニティ」コレクション

誕生から一世紀以上経ったいまも、革新し続ける「トリニティ」。ホワイトゴールド、イエローゴールド、ピンクゴールドが織りなす王道のサークルシェイプだけでなく、個性を楽しめるバリエーションが揃うのも魅力。ここではその中から、注目したい4つのモデルをご紹介します。

【クッションシェイプ】

カルティエの「トリニティ」クッション リング。
Antoine Pividori © Cartier

リングの概念を覆す“スクエア”フォルムの「トリニティ」。コレクション誕生100周年を記念して2024年に登場しました。丸みを帯びたスクエアフォルムは大胆でありながらも、自然に馴染むなめらかな仕上がり。「トリニティ」の新たな顔として注目を集めています。

【アニマルモチーフ】

アニマルモチーフの「トリニティ」ブレスレット。
Studio Triple V © Cartier

アニマルモチーフを融合させたモデルは、カルティエのハイエンドなクリエイションをとことん堪能できる逸品。カルティエを象徴するパンテールなど、エネルギッシュな動物たちのエッセンスを落とし込んだジュエリーは唯一無二の存在感で、装いに遊び心と力強さをプラス。

【ブラックセラミック】

ブラックセラミック×ホワイトゴールド×ダイヤモンドの「トリニティ」リング。
Vincent Wulveryck © Cartier

ホワイトゴールドとブラックセラミックを組み合わせたモダンな「トリニティ」も。モノトーンのコントラストが、手もとや首もとをスタイリッシュに引き締めてくれます。

【モジュール式のリング】

モジュール式の「トリニティ」リング。
Antoine Pividori © Cartier

3本の環を動かすことで、シンプルな1本のリングにも、華やかな3連リングにも姿を変えるモジュール式のリング。広げたときに現れるパヴェダイヤモンドが、手もとに眩い輝きをプラス。気分やシーンに合わせて表情を変えられる、カルティエならではの創造性と遊び心が詰まったジュエリーです。

あなたの“運命の「トリニティ」”を探して!

いつかは手に入れたい憧れのジュエリーとして、不動の人気を誇る「トリニティ」コレクション。自分らしさを表現できる逸品を、人生の相棒に!

※文中の素材表記は、WG=ホワイトゴールド、YG=イエローゴールド、PG=ピンクゴールドを表します

問合わせ先/
カルティエ カスタマー サービスセンター
0120-1847-00
http://www.cartier.jp/

文/藤本千也乃

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最新号 202601月号

11月28日発売/
表紙モデル:山本 美月