意志のある強さと美しさ——いつだって自分らしく生きる姿が幅広い世代から支持される神崎恵さん。そんな神崎さんの装いはほぼ毎日ジャケットだといいます。神崎さんにとってジャケットとは?その答えに、〝らしさ〟が詰まっていました。
直線的なジャケットを着ることで元々のやわらかさや丸みが浮き出る
自分らしさや個性を纏わせ、力をくれる鎧のような存在です
プライベートではほぼ毎日着るほど、ジャケットが大好きなんです。クローゼットも半分くらいがジャケットで占められていて、100着くらいはあるかもしれません(笑)。今では美容の仕事の場面でもジャケットを選ぶことが多いですが、実は以前は衣装としてジャケットを求められることは少なかったんです。ファッションも含めて全体の雰囲気をフェミニンに仕上げた方が、美容にフィットしやすかったからかな? 自分に求められるものがフェミニンなものや甘い雰囲気のものが多かったので、プライベートではよく着ていたジャケットもあまり見せたりはしなかったんです。そこから私がジャケットを選ぶようになった転換地点は、信頼しているスタイリストさんの言葉でした。「美容=ワンピースやレースじゃなくてもいいんじゃないかな」と自然に提案してくださって、たしかにな、とすごく納得。ジャケットのようなクールなものを着た時の方が、素肌やヘアスタイルが引き立つことも実感しました。ジャケットを纏うことで、それぞれが元々持っているやわらかさや丸み、作り込んでいない女性らしさが自然と浮き出るんです。こういう女性らしさの見せ方も、私は好きだなって。美容の世界はやわらかな“曲線”が多い世界なので、ジャケットのように“角”だったり、“直線”があるものを着ているだけで、個性を出してくれるんです。着るだけで形にしてくれるし、ちょっとした迫力も出してくれる。小柄なのでジャケットのような大きなものに包まれていると、なんだか落ち着くのもあります。私にとってジャケットは自分らしさや個性を纏わせてくれる存在であり、戦わなきゃいけない日にも力をくれる、特別な存在です。
今日はスポーツマックスのセットアップを選びました。最近は特にビッグショルダーやオーバーサイズのものが気分なのですが、この尖ったショルダーがカッコよくて! あえて体と跳ね合う感じが楽しいんですよね。コーディネート的にはTシャツと合わせて、セットアップをラフな雰囲気に。もちろんパリッとハンサムに着てもいいし、いろいろなテイストで着られるのが、ジャケットの醍醐味。CLASSY.読者さんを見ていると、ジャケットをデニムやキャップ、スニーカーでカジュアルに崩した着こなしが上手で、可愛い! 髪の毛はタイトにまとめてモードに仕上げることもありますが、ナチュラルな感じで少し巻くことの方が多いかもしれません。ジャケットのクールさとやわらかい空気を纏った髪の毛、まったく別のものが組合さった時の雰囲気にすごく惹かれます。
かっちりしたジャケットだからといって気負わず、私はTシャツを着るような感覚で着ています。ビッグショルダーも好きだし、ツイードもリネンも、ノーカラージャケットも好き。これからも自分らしいバランスと着こなしで、ジャケットを楽しんでいきたいです。
【PROFILE】
美容家・神崎 恵さん
1975年生まれ(48歳)。女性たちをキレイに導くメソッド、そして自分らしく揺らがない生き方を発信。SNSでは、美容はもちろん私服にも注目が集まる。
撮影/田中 瞳〈人物〉 ヘア/津村佳奈(Un ami) 取材/広田香奈 再構成/Bravoworks,Inc.