俳優・前田公輝さんが「年下世代の活躍にモヤモヤする…」というフェーズを抜け出せた意外なきっかけとは？

——これまでのキャリアで、自分と周りを比較して悩んだ経験はありますか？
6歳からこの仕事をしていて、はじめはどの現場でも自分が1番年下でしたが、徐々に上の方になる過程で、下の世代が主演を務めることも多くなり、辛いなと思う時期はめちゃめちゃありましたね。そこから抜け出せたのは、自分では思ってもみなかった意外なところで評価されたことがきっかけでした。それはヒール役だったんですが、もともとはヒール役をやりたいとは思っていなくて。でもヒールを演じた僕に対してよい評価をいただいたことで「この芝居だったら負けない」というストロングポイントに気付くことができたんです。そこからは、周りと比較することもなくなりました。

でも実は、どちらかというと自分は学級委員とか応援団長とか正義感ある役の方が向いていると思っていたんです。ヒール役はやりたくなかった。だから、自分が追い求めてはいない部分に、ストロングポイントが眠っているというのは衝撃的でしたね。ちょうどその頃、学生時代の友人たちが社会人になって、周りからキャリアの話を聞くことも増えたんです。小さい頃から仕事をしているから自分が誰よりも社会人としての先輩だと思っていたけど、彼らの話を聞いているうちに、「僕って止まってないかな？」って感じることもあったので、この気付きは転機にもなりました。人の言葉をそのまま飲み過ぎてもよくないけど、意外なところで評価してもらえたら素直に受け取ってもいいと思う。もしかしたら自分も気付いていない才能が眠っていて、芽が出ていないだけかもしれない。もちろん、自分が追い求める道で花開くのが理想ですが、そうじゃないところにも花が咲く可能性はあると思っています。

撮影前の衣装選びから「このルックにはこのジュエリーが合いそう」と、積極的にアイデアを出してくれた前田さん。シューティング前には「僕、カメラの前ですごく動くんですよ」と宣言。その言葉通り、次々と繰り出される表情やポージングの豊富さにスタッフ感嘆！ 1枚として同じポーズはなく、ハズレカットも皆無。初めてのジュエリー撮影とは到底思えないほど、ジュエリーの見せ方にもこだわりながら、撮影に挑んでくれました。こちらの白Tのカットは、前田さんの鍛え上げられた筋肉美を見せていただきたく、リクエストしたもの。こちらの要望にも快く応じてくれ、サービス精神旺盛な前田さんに、現場からは「さすがすぎる…」と感嘆の声が漏れていたのでした。