「シンプルな服にこそ、ジュエリーの重ね着けが必要」と説く、スタイリストの三好さん。ニットやコート…服が厚手に、マットな印象になる冬はジュエリー使いを強化したいもの。手持ちジュエリーでもトライできる着こなしを紹介します。
“ジュエリーの重ね着け”で叶える、現実的だけれどどこかオシャレな着こなし
スタイリスト・三好 彩さん
例えばニットにデニムといったCLASSY.らしいコーディネートを、ただのカジュアルで終わらせないために何ができるのかを、スタイリストとしていつも考えています。ずっと愛せるベーシックスタイルだからこそ、最後の仕上げが毎年同じなのか、その時の気分が反映された新鮮な着こなしなのか…完成度を左右するカギを握っているのが、ジュエリーだと思っています。予定に合わせて着る服を選ぶように、揺るぎない自分のアイコン、核となるジュエリーに重ねていくアイテムを思い浮かべてみると、服の重ね着のような感覚で簡単にトライできるはず。TPOを意識して悪目立ちせずに、あくまで日常の延長線上にある特別感を演出するというのもセンスの見せどころです。誌面を見てくれている人の想像力を広げたり、ポジティブな気持ちでファッションに向き合うきっかけを作りたい。高すぎるもの、ただ可愛いだけのもの…突拍子もないものを選ばないようにしているのは、ジュエリーもファッションの一部として楽しんでほしいという気持ちから。
最近は特に、ジュエリーの在り方も変化しているように思います。外側に向いていた矢印が内側へ、誰かに向けてというよりも自己表現のアイテムとして捉える人も増えてきたのではないでしょうか。もちろんアイコンジュエリーへの憧れは今も昔も変わりませんが、以前よりコレクションを統一したコーディネートをしなくなったのは確かです。素材、モチーフ、色…以前まで揃えることが当たり前だったものをずらしていく、その方が自分らしさやミックス感を投影できるジュエリーの魅力をより伝えられる気がして。
アイテムのバリエーション、プライスの幅、そして着け方の選択肢も広がった今、ジュエリーにリッチ感を求めるのとはまた別の表現として普段の装いとのマッチングに重点を置いてもいい。誰にでも当てはまるようなたったひとつの正解はありません。もしあったとしても、その概念は常に変わっていくもの。だから自分らしいジュエリーのコーディネートを楽しんでもらえたら嬉しいです。
三好 彩さん/スタイリスト
ジュエリーへの愛情、造詣が深く、編集部スタッフはもちろんラグジュアリーメゾンからの信頼も厚い理論派スタイリスト。
撮影/金谷章平 モデル/堀田 茜 ヘアメーク/塩澤延之(mod’s hair) スタイリング/三好 彩 取材/清水亮子 再構成/Bravoworks.Inc
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