「骨格診断で選ぶいちばん似合う服」CLASSY.2020年8月号での結論!【骨格診断アナリストが診断】
CLASSY.2016年の5月号の『似合うシャツは〝骨格〟で決まる』企画を皮切りに、抜群の人気を誇る〝骨格診断〟メソッドを基にした、スタイリング紹介ページ。「CLASSY.ONLINE」では特別編として、骨格診断アナリストである本誌ライターの棚田トモコが本誌のスタイリングをすべてチェック!!その中から各骨格に似合うコーディネート、ベスト5をご紹介しています。 これを読めば、〝骨格に似合う〟はもちろんのこと、トレンドもCLASSY.らしさも兼ね備えた、コーディネートを知ることができちゃいます!
今回は、CLASSY.8月号を通して見た、総まとめ編です。
まずは3つの骨格の特徴をチェック!
「CLASSY.」2020年8月号で、各骨格に一番似合うベストコーデは?
以上を踏まえての、骨格診断アナリスト棚田の結論!
結論❶ベーシックな服=ストレート体型が似合うというわけではない
「〝長く着られる服〟はどの骨格タイプにも平等に似合うものがある」CLASSY.8月号を〝骨格診断別〟というベクトルで見たときの感想です。毎月この総論を書く前に、本誌に掲載されているコーディネートの中から、各骨格タイプに似合うコーディネートを探すべく、本誌にくまなく目を通すわけですが、正直いつも苦戦するんです。なぜなら、トレンドが未だにナチュラル体型に似合うものが多く、本誌に掲載されているコーディネートはそれらが圧倒的といっていいくらい多いから。けれど、こと〝長く着られる〟というテーマになると、ストレート体型はもちろん、ウェーブ体型にもしっくりくる服というのがラインナップされます。だから、8月号はストレートタイプ、ウェーブタイプにも似合う服もたくさん。でも骨格診断について少し詳しい方がこの話を聞くと、疑問を持つかもしれません。だってベーシックな服が似合うのは〝ストレート体型〟というのは、どの骨格診断本にも盛大に書かれていることだから。たしかに、〝ベーシック〟と言われている服は、シンプルで目立ったデザインがあるものではありません。そして、そんな装飾がないものがストレート体型の凹凸のある身体のよさを活かしてくれるわけなのですが、サイズがコンパクトだとストレート体型の筋肉のハリを拾ってしまい〝むっちり〟とした印象になるし、ダボッと大きめのサイズのものをセレクトすると、身体の凸のところに服がかかってしまい、着膨れした感じに。こんな具合に、ベーシックと言われているものでも、ストレートタイプをすっきり見せてくれる〝ジャストサイズ〟をセレクトしなくては、〝普通の服〟を素敵に着こなせません。つまり、コンパクトなサイズ感のものは避け、ビッグサイズのものを着るときはちょっと工夫をしなければいけないわけです。
結論❷少しの工夫でどんな服装も体型ごとに似合わせることができる
さて、8月号の話に戻しましょう。コロナウィルスによる自粛期間などの影響で、誰もがうっすらと感じた「あれ? 洋服ってこんなにいらないかも…」とか、「服はたくさんあるのに、なぜか明日着る服がない…」なんていう、悩みに対する解決策がたくさん載っていたのが『〝少ない服できちんとオシャレ〟が今どきの新基準』という特集。その中のトップを飾った企画、『たとえば5枚の服があれば…〝きちんとオシャレ〟は可能です』という企画にラインナップにされている5枚の服は、シンプルでベーシックなアイテムに見えるからこそ、〝ストレートタイプ〟に似合うもの…という印象を受けます。ちなみに、カバーガールのオードリー亜谷香(愛称オーちゃん)は、ストレート体型なので、そのオーちゃんが素敵に着こなしているとなると、ますますストレート体型寄りの服と思い込んでしまいがち。でも良く見てみると、ナチュラル体型とウェーブ体型にしっくりくるものも。たとえば、レースのIラインのロングスカート。こちらは、ストレート体型の得意とするIラインではありますが、〝Iライン〟とか、〝ロングスカート〟自体は、どの骨格タイプにも似合うもの。それがジャストサイズでアンクル丈であればストレートタイプにしっくりくるし、Iラインでもややゆとりがあるようなボックスシルエットであれば、ナチュラル体型に似合います。ウェーブ体型もIライン自体は苦手ではありません。ただ、上半身よりも下半身にボリュームがあるので、あまりに長いものやレースでも柄の大きなものだとアンバランスな印象になるわけです。でもそれだって、バランスを良く見せられるように、スカートの丈をほんのり短くして、ヒールをはき、トップスをコンパクトなものにし、目線が上に行くような工夫、たとえば華奢だけど存在感のあるパールネックレスをプラスするなどすれば意外に違和感なく着こなせるはず。念のためにウェーブタイプにドンピシャで似合うものをお伝えすると、レースの柄はもう少し小さめで繊細なものがいいし、丈もふくらはぎ丈くらいの半端な丈がベストです。けれど、合わせるもの次第でなんとかなるわけです。
そのいい例が、同じくラインナップされているクルーネックのカーディガン。ベーシックなカーディガンというのはそもそもウェーブ体型に似合うものです。けれど、このページで紹介しているものは、コンパクトというよりかは、ジャストサイズのものだし、カーディガンの上部のボタンを2つあけて着ることで、Vネックニットのような見え方に。そう、クルーネックのカーディガンが少しの工夫でVあきのニットのように見えるわけです。こちらに関しては、骨の存在感のあるナチュラル体型の人が着ると、やや窮屈な印象になるので、避けた方がベターではありますが、大きめのサイズのものをセレクトしたり、ビッグシャツの上にさらりと肩かけしたりするとコーディネートの奥行きを出したりできるので、持っていて損をしないアイテムです。つまり、私がここでお伝えしたかったのは、ベーシックと言われているアイテムは、ストレート体型こそ似合うものということではなく、サイズ感や丈感を工夫すればどの骨格タイプの人も着こなせるものが多いということです。
結論❸似合うものだけを探すのではなく、似合うコーデを考えることがオシャレ偏差値を高める
どの骨格タイプにも当てはまらないアイテムを上手に自分の骨格タイプに似合うように着るのがオシャレ力に繋がる。何十年経っても使えそうなベーシックアイテムにだって、それは共通しています。たとえば〝Tシャツ〟とか〝デニム〟のように、ベーシックの代表とされている〝アイテム〟はたしかに存在するけれど、それ自体が永遠に着られるかと言ったらそうではありません。「洗練度を上げるためには、ベーシックアイテムにこそ更新が必要」と、CLASSY.スタイリストも口を揃えて言います。わかりやすく言うと、今ローライズのデニムをはいていたら、「なんか古くない?」なんて言われるように、ベーシックなアイテムの中でもトレンドがあるということを理解しておく必要があります。だからこそ、トレンドも自分に似合うも両立させたい私たちに必要なのは、それを実現するテクニック。先にお伝えしたように、長く使える服というものの中にだって、骨格タイプに似合うもの、似合わないものが存在します。けれど、今季はトレンドのアイテムよりも似合うもの、似合わないものがとくに平等に振り分けられているように思います。もちろんその中から似合うものだけをピックアップするのも手ではあるけれど、着こなしの幅を広げるためにもそのTHE・ベーシックなアイテムたちを自分に似合うように味つけをしてみる。それが本当のオシャレの醍醐味だし、コーデ力を磨く方法だったり。そんなことを改めて思った号でした。
解説・執筆したのは…
棚田トモコ
ライター・骨格アナリスト
光文社「CLASSY.」や「JJ」を中心にファッションや美容ページ企画などのライターとして活躍する傍ら、骨格診断ファションアナリスト協会認定校(ICB INTERNATIONAL)にて骨格診断のディプロマを取得。以降〝骨格アナリスト〟としても活動中。ファッション・美容ライターとして培った知識と骨格診断を融合して、いかに今っぽくその人を輝かせるかを提案します。韓国と舞台観劇、チョコレートが大好きで、愛称は〝ティナ〟。